過去を過去とすべきか否か 後編
・・・まぁシャアからしてもっともらしい選択を選ぶことは他者からして最善という訳では無いこともあった。現にエゥーゴにいた頃にシャアがすんなり頭を下げればハマーン率いるネオジオンと同盟が組めるという場面で、当時のミネバを操り人形としか思えないような状態にしたハマーンに対して激昂し、同盟を台無しにすることになった。
このシャアの行動は感情に任せた愚行というように周りからも感心出来ないといった態度を取られたが、これこそがカミーユ達がもっともらしいと言える選択を選ぶ所以であった。普段は賢しら顔で大人といったような様子を見せていたが、随所随所で理屈で言えばこう選ぶのが妥当だというような判断を下さず行動する癖があって、それで周りがそれに振り回されるのだと。
そしてだからこそシャアは自分を担ごうとする者達の影響を受けた上で、地球を潰すというとんでもない行動を起こすまでに至ったのであるが・・・
「・・・ただ、今となってはという話になりますが、貴方にそんなことを選択させてしまったのは僕達が情けないせいだったと思えるんです・・・」
「・・・何?」
しかしカミーユがこれまでの話から一転して辛いとばかりに表情を歪める姿に、シャアはどういうことかと視線を向ける。
「・・・その平行世界の貴方の行動を知った上でエゥーゴにいた頃の僕達を思い返すと、僕達は貴方に期待しすぎてその重荷を共に背負うだとかどれだけ辛いかだとかを考えるなんて出来なかったということを感じたんです。もしそれが出来ていたなら貴方は地球を潰すことなんか選択せずに済んでいたんじゃないかって・・・」
「カミーユ・・・」
だがそこから自分達の非を考えざるを得なかったと悲痛に口にしていくカミーユの姿に、シャアはただ複雑そうに名を漏らすしかなかった。
・・・もっともらしいと言える選択を選ぶと言ってきたが、そこには選択肢を与える誰かがいることもシャアにとっては重要になる。そう考えた時にカミーユは自分や周りの皆がシャアと本当の意味で共に動けていたなら、というように考えた。あの時の自分は若かった上でモビルスーツのパイロットという立場のみでいっぱいいっぱいだったのに、シャアはやむを得ずといった部分が大きかったからとは言えエゥーゴの代表になった上で動いていたのだ。その負担がどれだけの物だったのかをカミーユは想像出来ないまま、シャアなら自分達の指導者として頼れるというよう甘える部分はあったと今となっては考えていた。
そしてそれは周りも口ではサポートをするだとか支えるというようには言ってきたが、シャアと共に同じ目線に立って背負う重荷を少しでも軽くしてやれていたかと言えば、否だとカミーユは言えた。少なくとも当時の自分はパイロットとして共に戦場に出るくらいしか出来なかったと。
だからそんな自分もだが次々に亡くなっていったエゥーゴの面々も無事でいて、立派に活動出来ていたならシャアも地球を潰すなんて事は選ばなかったのでは・・・と思ったのである。もう今となっては過去のことでしかないが・・・
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このシャアの行動は感情に任せた愚行というように周りからも感心出来ないといった態度を取られたが、これこそがカミーユ達がもっともらしいと言える選択を選ぶ所以であった。普段は賢しら顔で大人といったような様子を見せていたが、随所随所で理屈で言えばこう選ぶのが妥当だというような判断を下さず行動する癖があって、それで周りがそれに振り回されるのだと。
そしてだからこそシャアは自分を担ごうとする者達の影響を受けた上で、地球を潰すというとんでもない行動を起こすまでに至ったのであるが・・・
「・・・ただ、今となってはという話になりますが、貴方にそんなことを選択させてしまったのは僕達が情けないせいだったと思えるんです・・・」
「・・・何?」
しかしカミーユがこれまでの話から一転して辛いとばかりに表情を歪める姿に、シャアはどういうことかと視線を向ける。
「・・・その平行世界の貴方の行動を知った上でエゥーゴにいた頃の僕達を思い返すと、僕達は貴方に期待しすぎてその重荷を共に背負うだとかどれだけ辛いかだとかを考えるなんて出来なかったということを感じたんです。もしそれが出来ていたなら貴方は地球を潰すことなんか選択せずに済んでいたんじゃないかって・・・」
「カミーユ・・・」
だがそこから自分達の非を考えざるを得なかったと悲痛に口にしていくカミーユの姿に、シャアはただ複雑そうに名を漏らすしかなかった。
・・・もっともらしいと言える選択を選ぶと言ってきたが、そこには選択肢を与える誰かがいることもシャアにとっては重要になる。そう考えた時にカミーユは自分や周りの皆がシャアと本当の意味で共に動けていたなら、というように考えた。あの時の自分は若かった上でモビルスーツのパイロットという立場のみでいっぱいいっぱいだったのに、シャアはやむを得ずといった部分が大きかったからとは言えエゥーゴの代表になった上で動いていたのだ。その負担がどれだけの物だったのかをカミーユは想像出来ないまま、シャアなら自分達の指導者として頼れるというよう甘える部分はあったと今となっては考えていた。
そしてそれは周りも口ではサポートをするだとか支えるというようには言ってきたが、シャアと共に同じ目線に立って背負う重荷を少しでも軽くしてやれていたかと言えば、否だとカミーユは言えた。少なくとも当時の自分はパイロットとして共に戦場に出るくらいしか出来なかったと。
だからそんな自分もだが次々に亡くなっていったエゥーゴの面々も無事でいて、立派に活動出来ていたならシャアも地球を潰すなんて事は選ばなかったのでは・・・と思ったのである。もう今となっては過去のことでしかないが・・・
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