過去を過去とすべきか否か 後編
「少しは理解出来たようだが、カミーユもだろうが私からしても聞きたいのは飾って取り繕ったようなハリボテの言葉ではないし、聞こえが悪いというだけでの勢い任せの否定でもない。本当に貴様が誰の影響も受けず誰とも話をしないままにそんなことを選択したかどうかだが・・・少しくらいは考える時間くらいはくれてやれ、カミーユ。どうせ今のまま答えさせようとしたところで感情的な言葉以外出てこんだろうからな」
「・・・そうですね。ではどうなのかについて考えてください。あまり遅くならないなら待ちますから」
「っ・・・」
それでハマーンはチクチク言葉を挟みつつカミーユに時間をやれと言い、カミーユも少し頭を冷やしたというように待つと言うがシャアの表情には苦悶がハッキリ浮かんでいた。今この場で考えをまとめねばならないがどう答えるのが最良なのかが分からないと、今までになく追い込まれる形で・・・
・・・そうして数分程カミーユとハマーンは顔を下げるシャアには視線を向けずゆっくり飲み物を飲む形で過ごしていたが、そっとシャアは観念したとばかりに弱ったように顔を上げた。
「・・・済まなかった。認めたくないことだが、私一人の決断ではなかったよ・・・」
「・・・ということは貴方の行動は貴方を総帥に就けるようにした人達の声を受けての物だったんですね?」
「あぁ・・・」
そこで出て来たのは力なくも自分だけの物ではないという言葉であり、カミーユの再度の確認に弱々しく頷く。
「・・・今となってはという話になるが、彼らは私を自分達の頭にするために機会を伺っていたのだと思う。というよりそうでもなければ私がハマーンとの戦いで敗れた時、私は到底生きていられるような状況にはなかった・・・」
「だから貴様はそのような者達の行動により、陰ながらに助けられて一命を取り留めたということか」
「あぁ・・・彼らはハマーンの統治によるジオンをどうかと思いながら動いていたが、それらをどうにかするためにコロニーレーザーを巡る戦いの際に色々と機会を伺っていたそうだ。その結果として私が負けたのを知りハマーンが撤退するのを見届けた後に大破した百式から私を救出して、密かに彼らの隠れ家に連れられていくことになり療養と共に彼らの話を聞いていくことになった・・・ザビ家の信望者としてではなく父のダイクン派ということも含めてな」
「成程・・・ザビ家の統治により冷遇に排除といった行動を取られていたダイクン派は陰で動いていたということか。いずれ私やザビ家の流れを汲むジオンを打倒するための旗頭として、行動を起こさん為に」
「そうなるがグレミーの決起が起こったことに関しては私達からしても予想外の出来事であり、予定していない流れだった。本来ならグレミーの行動が無ければ私達は同じかもう少し後に決起という形で行動する予定だったのだが、奴の行動で我々は事態を静観するようにしようと決めた・・・下手に第三勢力として私達が決起したとしても、エゥーゴの参戦もあって場合によっては私達が負ける可能性も決して否定出来なかったのでな」
「そして結果として私達にグレミー達は共に滅ぶ事になって、貴様らが動くことに何ら支障のない事態になったというわけか」
「そうなるが結果としてお前達が共倒れになったまでは嬉しい誤算で済んだが、ネオジオンの兵力が相当に損なわれると共にエゥーゴの手柄を自らの手柄として奪った連邦の腐敗を目の当たりにした上で、お前達の事からジオンを弾圧する動きもあった・・・その事から水面下で兵力を集めはしても十分な数を集められなかった事とあまり長い期間を空けてしまえば、ジオンは完全に滅びたというように認識されかねない上に連邦を更にのさばらせることになる・・・そう考えた私達が出した結論がお前達の知っての物だ・・・」
「「・・・」」
それでいかなことがあったのかについてを当時の裏事情までを交えてハマーンと話していくシャアだが、話し終わったといった空気を滲ませた事に二人は何とも言い難いというように顔をしかめて目を閉じた。
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「・・・そうですね。ではどうなのかについて考えてください。あまり遅くならないなら待ちますから」
「っ・・・」
それでハマーンはチクチク言葉を挟みつつカミーユに時間をやれと言い、カミーユも少し頭を冷やしたというように待つと言うがシャアの表情には苦悶がハッキリ浮かんでいた。今この場で考えをまとめねばならないがどう答えるのが最良なのかが分からないと、今までになく追い込まれる形で・・・
・・・そうして数分程カミーユとハマーンは顔を下げるシャアには視線を向けずゆっくり飲み物を飲む形で過ごしていたが、そっとシャアは観念したとばかりに弱ったように顔を上げた。
「・・・済まなかった。認めたくないことだが、私一人の決断ではなかったよ・・・」
「・・・ということは貴方の行動は貴方を総帥に就けるようにした人達の声を受けての物だったんですね?」
「あぁ・・・」
そこで出て来たのは力なくも自分だけの物ではないという言葉であり、カミーユの再度の確認に弱々しく頷く。
「・・・今となってはという話になるが、彼らは私を自分達の頭にするために機会を伺っていたのだと思う。というよりそうでもなければ私がハマーンとの戦いで敗れた時、私は到底生きていられるような状況にはなかった・・・」
「だから貴様はそのような者達の行動により、陰ながらに助けられて一命を取り留めたということか」
「あぁ・・・彼らはハマーンの統治によるジオンをどうかと思いながら動いていたが、それらをどうにかするためにコロニーレーザーを巡る戦いの際に色々と機会を伺っていたそうだ。その結果として私が負けたのを知りハマーンが撤退するのを見届けた後に大破した百式から私を救出して、密かに彼らの隠れ家に連れられていくことになり療養と共に彼らの話を聞いていくことになった・・・ザビ家の信望者としてではなく父のダイクン派ということも含めてな」
「成程・・・ザビ家の統治により冷遇に排除といった行動を取られていたダイクン派は陰で動いていたということか。いずれ私やザビ家の流れを汲むジオンを打倒するための旗頭として、行動を起こさん為に」
「そうなるがグレミーの決起が起こったことに関しては私達からしても予想外の出来事であり、予定していない流れだった。本来ならグレミーの行動が無ければ私達は同じかもう少し後に決起という形で行動する予定だったのだが、奴の行動で我々は事態を静観するようにしようと決めた・・・下手に第三勢力として私達が決起したとしても、エゥーゴの参戦もあって場合によっては私達が負ける可能性も決して否定出来なかったのでな」
「そして結果として私達にグレミー達は共に滅ぶ事になって、貴様らが動くことに何ら支障のない事態になったというわけか」
「そうなるが結果としてお前達が共倒れになったまでは嬉しい誤算で済んだが、ネオジオンの兵力が相当に損なわれると共にエゥーゴの手柄を自らの手柄として奪った連邦の腐敗を目の当たりにした上で、お前達の事からジオンを弾圧する動きもあった・・・その事から水面下で兵力を集めはしても十分な数を集められなかった事とあまり長い期間を空けてしまえば、ジオンは完全に滅びたというように認識されかねない上に連邦を更にのさばらせることになる・・・そう考えた私達が出した結論がお前達の知っての物だ・・・」
「「・・・」」
それでいかなことがあったのかについてを当時の裏事情までを交えてハマーンと話していくシャアだが、話し終わったといった空気を滲ませた事に二人は何とも言い難いというように顔をしかめて目を閉じた。
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