「・・・僕も話を聞いてそんなことになるのかと思ったんですがこの話で僕が言いたいのはそういうことではなく、その平行世界の貴方はアクシズを落とす事を利用して地球を救うことを選択したんです。そこでは強大な敵がいて地球を滅ぼさないなら宇宙に住む人達が殺されるといった事になるかもしれない上で、フル＝フロンタルはその敵の庇護を受けて貴方のようにアクシズを地球に落とすと決めたのにそこの貴方はフル＝フロンタルやネオジオンと離れて相対してでもそうする・・・と」
「・・・そこまでの事をその私は決めたというのは分かるが、もっともらしい理由があれば私が良かったのだろうというのはどういうことだ・・・？」
「最初そう聞いた時は何であの人はそういった地球を守るといった選択をしなかったのかって僕やハマーンさんは思いました・・・けれどその答えをくれたのが僕と日本に一緒に来た友達なんです。貴方がそんな風に違う形の行動を取ったのは単にきっかけがあったかどうかであって、もしハマーンさんとの戦いの後で貴方がネオジオンの人達に回収されずに政治とかけ離れてる立場の良心を持った人に、もう無理はしなくていいというように言われて保護されていたら、貴方は意外とあっさりもうその後のネオジオンだとか連邦だとかに関わるようなことをしなかった可能性は有り得たのではないか・・・と言われて最初こそ僕達は貴方がそんな風になるのかって話し合いました」
「だがルルーシュの話を聞いていく内に貴様が周りの意見や状況に関係無く自分一人で強く物事を決めていないと思えると言われたことと、その平行世界で貴様が歩んだ道の違いがあることを差し引いてもアクシズを落とさないばかりか、むしろ地球やそこに住まう人々を救う道を選んだことがその証拠になると言われて納得したのだが・・・そもそもを言えば貴様がエゥーゴでの活動にダカールの演説を覆すようにネオジオンの総帥に就くこともだが、地球そのものを潰すことを選んだのは貴様を助けた者の言葉を受けてだろう？そうでなければ貴様が自分一人でネオジオンの総帥に就く事にアクシズを落とす事を選ぶなど、あまりにもダカールの時の演説で言っていた事との乖離が過ぎると以外に思えんぞ」
「っ・・・そ、それは・・・！」
カミーユはそんなフロンタルについてもだがいかにそのシャアと違う行動を取ったかを話していくと共に、いかにそれらからルルーシュが考えたのかの中身を告げた上でハマーンがそれを否定出来るのかというように問い掛けると、シャアはハッとしたようになりながら体を震わせた。残酷な事実に気付いてしまったというよう。






・・・カミーユと共にエゥーゴで動いている時のシャアは地球や人類の未来を憂う存在であり、とてもその時のシャアが地球や地球に住まう命全てを絶滅させるような思想までは持ってはいなかったのは、カミーユもだがハマーンも理解している。しかし現実にはシャアはそれらを実行に移してしまったのである。アムロとの戦いの中で地球に住む人々をノミというように表現し、地球もろとも全て殺そうとする形でだ。

ただ人がその考え方の方向性を大きく変えるのは案外というより、かなり難しい物である。言葉だけで言うなら簡単なように思えるかもしれないが、子どもならまだしも大人と呼べるような年齢にまで生きていたら人格や思考回路はもう余程でなければ確立されたものになっていて、それらを一度崩して受け入れる事など容易に出来はしない。

だが物事には普通には該当しない例外というものが存在することがある・・・それがシャア＝アズナブル、いやキャスバル＝レム＝ダイクンという人物であった。









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