過去を過去とすべきか否か 後編

「・・・少し僕の言いたいこととはズレましたけど、ハマーンさんが言ったことは僕からしても納得出来る物でした。特にアムロさんと決着を着ける為にわざわざ情報だとかサイコフレームなんて物を流してまでだなんて、それこそ貴方の業以外の何物でもないじゃないですか」
「そ、それは・・・私は全てを精算したかったのだ・・・私の中にある気持ちを全て精算したいと思って、アムロと戦おうと・・・」
「ならその後の貴方の体たらくはなんですか?人前ではそういった様子を見せてはいなかったのかもしれませんが、その裏では辞めたらまずいことになるという考えが主になる形で総帥を辞めたいと思いながら活動する・・・少し言いましたけど貴方には業を背負うなんて覚悟なんて最初からなく、もっともらしく行動出来る理由が欲しかっただけなんですよ。使命とかそういった大義名分を掲げながら戦う為の都合のいい理由が」
「・・・どう、いうことだカミーユ・・・」
ただそこでカミーユが冷静というよりは冷めた口調で話をしていくのだが、弱い声と目ながらもどういうことかとシャアは問いかける。
「さっきハマーンさんの言っていた平行世界の僕達の話になるんですけど、その前に貴方に聞きますがフル=フロンタルという存在は造られていましたか?」
「なっ・・・何故その名前を知っている・・・!?」
「ということはいたんですね。貴方の代わりとして造られた影武者のような存在は」
「そ、そうだが何故ヤツがこの話に関わってくるというのだ・・・!?」
「・・・まぁこの際ですし貴方にも一先ず落ち着いてもらうためにも話させてもらいますよ。ラプラスの箱を巡る戦いについてをね」
カミーユはその声に答えようとフロンタルの名を出すが、明らかに今までの話もあって動揺を隠せないシャアの様子に話をすると返す。ラプラスの箱に関する事について話すと・・・


















・・・そこからカミーユはシャアに話をしていった。自分の方の世界ではラプラスの箱を巡る戦いが起こると共に、その戦いの中でミネバが登場して箱の中身に付随した演説を行った後にジオンは表向きだけかめしれないが、終わることになったと。ただ・・・



「・・・本来なら僕が知るのはこれまででした。ですがその平行世界の僕達の元でラプラスの箱を巡る戦いが起きたようで、そこで出て来たフル=フロンタルと戦うことになったそうなんです。明らかに貴方に似た男と・・・そして話を聞いていく内におそらく僕のいた方の世界でのラプラスの箱を巡る戦いのジオン側の首魁は、フル=フロンタルではないかと考えられるという話になったんです。時期だったり様々な違いはありますけれど共通点もあった上で、ハマーンさんに話を聞いたらフル=フロンタルの存在については知らなかったということから、その世界では影武者という扱いだったけれど僕の方の世界では貴方がいなくなったことから、貴方の代わりの存在として出て来たのではないかと」
「・・・おそらくそれで間違いではないだろう。フル=フロンタルはアクシズ落としが成功してしばらくした後に私の影武者と紹介されたが、確かに姿形に声は私に似たように調整されてはいたがあの男がそのようなことを・・・」
「・・・そこに関してはそうなるようにと造られたのもですが、話によればフル=フロンタルは更にまた別の平行世界の貴方の意識に記憶に思考だったりを受け継いだとの事らしいんです。アクシズを落とすことが正しいと思い行動に移した貴方の事を・・・」
「何・・・!?」
・・・そうしてラプラスの箱についての事件からフロンタルがその時の首魁ではと着想を得たというカミーユに、一応話を聞いてある程度落ち着けたシャアも納得はするがすぐにまさかの言葉が出てきたことに驚き目を見開いた。自分の意識がフロンタルという存在に憑いたという言葉に。









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