過去を過去とすべきか否か 後編
「・・・先程カミーユが言っていただろう。カミーユからしてのアクシズ落としの結末は貴様とアムロ=レイのMIAで締め括られたと・・・これはアムロ=レイもそうだがロンドベルという団体とも戦ったことからであって、貴様の方でも一つ間違っていたらネオジオンが負けていた可能性も否定出来ん程の激戦だったことくらいは覚えているだろう?」
「それは、確かに被害は甚大だった・・・」
「そうだろう。現にカミーユの方では貴様ら二人がいなくなった後である事件が起きた後、ジオンはもう名前だけの過去の存在となることになっていったそうだ。これはそのアクシズの戦いで兵力が削られたこと以上に、貴様がアムロ=レイとの決着の為に楽に勝てた筈の戦ではなくしたことが原因なのだぞ・・・貴様を拠り所にしていたネオジオンの者達を私心の為に犠牲にし、ジオンそのものを滅ぼす決断をした・・・そしてそれは一つ間違えば貴様の方でもそのようなことになりかねなかったということだ・・・!」
「っ!?」
そしていかにシャアの判断がネオジオンを危険にしたのかもだが、実際にカミーユの方ではジオンが滅びるに至った・・・そう怒りを抑えながら告げたハマーンにハッと初めて気付いたといったように愕然とした表情をシャアは浮かべた。
「・・・私自身ジオンの血を利用していた身であり、私を罵倒した貴様からすれば私などにこのようなことを言われたくないと思うかもしれん。だがそれでも私はジュドーに倒されるまではアクシズの指導者としての立場を捨ててはいなかったし、自分の気持ちの為にとその立場を利用した行為を行ったことは無い・・・勿論貴様と違い私にそんなことをする理由が無かったのは大前提ではあるが、私に付き従う者達をむざむざ殺しかねん判断をするのは愚かな事だと思ってだ。しかし貴様は自分がアムロ=レイと気持ち良く決着を着けたいという理由だけで、本来なら目的の達成は容易だった筈の戦いを敗北の可能性までもを孕んだ戦いにしてしまった・・・そんな行動を取った貴様が人の業を背負うなどとどの口で言える!むしろそのように他者を犠牲にして巻き込む行動に気持ちこそが人の業そのものであり、貴様の配下達こそが貴様の業を背負わされて犠牲になった者達であろう!違うか、シャア!」
「っ!!」
・・・そして最早我慢が出来なくなっていったハマーンは次第に明確に怒りを乗せて糾弾する言葉を向けていき、シャアはそれらを受けてただ辛そうに表情を歪ませてうつむく以外になかった。ハマーンの言葉に何一つそんなことはないと否定出来るような要素は無かった為に。
・・・事実、シャアがアムロ達に自分達の行動についての情報を流さなければ、フィフス・ルナを落とした後にアクシズを落とす時も障害はほとんど無かった可能性は極めてという言葉が付くほどに高かった。ロンドベルは連邦からして厄介者の集まりであって出来る限りは力を持たせないようにとしていた上で、シャアがアクシズを連邦から奪う為の行動を取った時は連邦側の思惑としては、アクシズをやればシャア達が大人しくなるんだから譲ればいいだろうと、シャア達を信じ切った安穏とした考えを浮かばせていたのだ。
そしてそんなアクシズを引き渡した連邦を攻撃したすぐ後にシャア達はアクシズ落としを敢行したのであるが、情報が無ければロンドベルはシャア達を止めることが出来るかどうか以前にアクシズに向かえるかどうかすら危ういレベルにあったのだ。シャアが動いたのなら自分達が動くと言ってもそんなことするなら捕まえると、いっそ厄介者を片付けるという名目でロンドベルはまとめて連邦に拿捕される危険性すらあった・・・それだけ連邦はロンドベルにアムロを恐れて嫌っていたのであるが、だからこそ何もしなければむしろネオジオンの勝利は揺らがない物となっていただろう。邪魔者は現れず被害も出ないという結果になってだ。
しかしシャアは自分がアムロと決着を着けたいという理由から情報もだが、アムロがいい機体に乗ってくることを願いサイコフレームを流したのだ・・・アムロとシャアの個人個人でもだがロンドベルとネオジオンの戦いの結果がギリギリどっちが勝ってもおかしくなかった戦いという物であり、あまりにも個人的な理由から発端した物に数多の兵士の命もそうだが場合によってはジオンすらも失うという結果を生み出したことをハマーンは突き付けたのである。これだけのことをしたお前に業を背負うなんて言う資格はないのだと。
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「それは、確かに被害は甚大だった・・・」
「そうだろう。現にカミーユの方では貴様ら二人がいなくなった後である事件が起きた後、ジオンはもう名前だけの過去の存在となることになっていったそうだ。これはそのアクシズの戦いで兵力が削られたこと以上に、貴様がアムロ=レイとの決着の為に楽に勝てた筈の戦ではなくしたことが原因なのだぞ・・・貴様を拠り所にしていたネオジオンの者達を私心の為に犠牲にし、ジオンそのものを滅ぼす決断をした・・・そしてそれは一つ間違えば貴様の方でもそのようなことになりかねなかったということだ・・・!」
「っ!?」
そしていかにシャアの判断がネオジオンを危険にしたのかもだが、実際にカミーユの方ではジオンが滅びるに至った・・・そう怒りを抑えながら告げたハマーンにハッと初めて気付いたといったように愕然とした表情をシャアは浮かべた。
「・・・私自身ジオンの血を利用していた身であり、私を罵倒した貴様からすれば私などにこのようなことを言われたくないと思うかもしれん。だがそれでも私はジュドーに倒されるまではアクシズの指導者としての立場を捨ててはいなかったし、自分の気持ちの為にとその立場を利用した行為を行ったことは無い・・・勿論貴様と違い私にそんなことをする理由が無かったのは大前提ではあるが、私に付き従う者達をむざむざ殺しかねん判断をするのは愚かな事だと思ってだ。しかし貴様は自分がアムロ=レイと気持ち良く決着を着けたいという理由だけで、本来なら目的の達成は容易だった筈の戦いを敗北の可能性までもを孕んだ戦いにしてしまった・・・そんな行動を取った貴様が人の業を背負うなどとどの口で言える!むしろそのように他者を犠牲にして巻き込む行動に気持ちこそが人の業そのものであり、貴様の配下達こそが貴様の業を背負わされて犠牲になった者達であろう!違うか、シャア!」
「っ!!」
・・・そして最早我慢が出来なくなっていったハマーンは次第に明確に怒りを乗せて糾弾する言葉を向けていき、シャアはそれらを受けてただ辛そうに表情を歪ませてうつむく以外になかった。ハマーンの言葉に何一つそんなことはないと否定出来るような要素は無かった為に。
・・・事実、シャアがアムロ達に自分達の行動についての情報を流さなければ、フィフス・ルナを落とした後にアクシズを落とす時も障害はほとんど無かった可能性は極めてという言葉が付くほどに高かった。ロンドベルは連邦からして厄介者の集まりであって出来る限りは力を持たせないようにとしていた上で、シャアがアクシズを連邦から奪う為の行動を取った時は連邦側の思惑としては、アクシズをやればシャア達が大人しくなるんだから譲ればいいだろうと、シャア達を信じ切った安穏とした考えを浮かばせていたのだ。
そしてそんなアクシズを引き渡した連邦を攻撃したすぐ後にシャア達はアクシズ落としを敢行したのであるが、情報が無ければロンドベルはシャア達を止めることが出来るかどうか以前にアクシズに向かえるかどうかすら危ういレベルにあったのだ。シャアが動いたのなら自分達が動くと言ってもそんなことするなら捕まえると、いっそ厄介者を片付けるという名目でロンドベルはまとめて連邦に拿捕される危険性すらあった・・・それだけ連邦はロンドベルにアムロを恐れて嫌っていたのであるが、だからこそ何もしなければむしろネオジオンの勝利は揺らがない物となっていただろう。邪魔者は現れず被害も出ないという結果になってだ。
しかしシャアは自分がアムロと決着を着けたいという理由から情報もだが、アムロがいい機体に乗ってくることを願いサイコフレームを流したのだ・・・アムロとシャアの個人個人でもだがロンドベルとネオジオンの戦いの結果がギリギリどっちが勝ってもおかしくなかった戦いという物であり、あまりにも個人的な理由から発端した物に数多の兵士の命もそうだが場合によってはジオンすらも失うという結果を生み出したことをハマーンは突き付けたのである。これだけのことをしたお前に業を背負うなんて言う資格はないのだと。
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