過去を過去とすべきか否か 後編
「・・・確かにそういったようにしたいと思い行動したのは間違いではない。だがアナハイムについてを済ませたくらいから私もそうだが、周りの者達も言葉にはせずともアクシズを落とした頃と比べると、格段に気が抜けていっているのを感じたのだ・・・」
「「っ・・・」」
だが沈黙は出来ず答えねばならないとシャアは何故かを答えていく中で、二人は話のとある部分にピクリと反応していた。
「・・・地球に生きる者達を粛清したことによる達成感は皆感じていた。元々ネオジオンの者達はそれらを求めていた上で圧政から解放されたいと願っていたからな。だが大きな戦いを終えて山場といった物を越えたからこそ、宇宙の平和を保つ為に動くだけとなった時に兵士の多数は何をすればいいのかと戸惑うだけならいいが、後は上に任せればいいと軍を抜ける者達も少なからずいた・・・」
「・・・燃え尽きたという表現でも間違いではないだろうが、その者達からすればあくまで連邦の打倒だとかジオンの勝利という結果までしか考えられなかったが故だろうな・・・一年戦争の頃から考えても十四年程の時が経っていて、それより昔からもジオンにいて苦渋に辛酸を舐め続けたと感じている者もいたことだろう。だがそれで行動していても結果は伴わず燻る想いばかりを携えながら牙を研ぎ続けたはいいものの、そういった者達は兵士として戦う事ばかりを考えてきた人物ばかりで、勝利を勝ち取った後の平和や政治の事など考えることもなかった・・・そして連邦に何度も何度も勝つことが出来ずにいたことを考えれば尚更にそんなことを考えるような余裕も無かったのだろうが、だからこそ宿願とも呼べる想いが叶ってしまったことにより、もう満足しきったからこそ争うことを求められず、まともな政治の為に動かなければならない状況に生き辛さを感じたのだろうな。今まで地球や連邦軍という敵がいてそれらを打倒するために生きてきたが、もうそうする必要がないとなってどうしていいか分からないからこそ軍にいる意味も見出せないというよう」
「あぁ・・・事実軍を離れる者達は若い者は少なく、軍に長い間滞在しているかゲリラ活動を主にしていた者達ばかりだった。だから後は慰留をして応えた者だけが残ってそういった者達は揃って去っていったが、私や周囲の者達もその光景に気落ちしていくのを感じていったんだ・・・あれだけの熱意を持っていて行動をしていた者達がやることは終わったと消えていくことに、どうとも言えぬ気持ちになったのだ・・・」
シャアはそんなことに気付かないままに話を進めてハマーンが兵の心境や状態を補足するよう推測していくと、そうだろうというように行動されたことに気落ちしたと眉を歪める。
・・・この世界では世界規模で戦争は起こってはいないが、戦争という物を経験した人は全てが全ての人とは言わないにしても、戦争のない平和な生活に馴染めなくなる可能性を送れない事がある。いわゆるPTSDであったりトラウマといったような物を心に負うこともだが、戦争に関わることの方が最早日常となる形となって平和な世界という物の方に慣れないといったことからだ。
その点でジオンというか連邦や地球の政府に長年忍耐を強いられ、敵意を持ってきた者は山程いた上で敵対行動を取ってきたり耐え忍んできた期間の長い者も山程いたのだが・・・シャア率いるネオジオンにより全ての敵が打倒された事で満願こそ果たされこそはしたが、だからこそそういった者達は長年の恨みといった負の念を始めとする物から解放されると共に、恨まなくてもいいだとか戦う必要のない生活というのを望んだ筈なのにそれが違和感となることになったのである。
だがそれでも悲願として長い事望んでいた物であることに加え、敵対する者はもういない・・・だからそんな者達はせめて人前から消えて迷惑をかけないようにしようとしたのであるが、傍目から見たら少しでも自分だけが楽になりたいからこそのドロップアウトであり、シャアやその周りに影響を及ぼすことになったのである。
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「「っ・・・」」
だが沈黙は出来ず答えねばならないとシャアは何故かを答えていく中で、二人は話のとある部分にピクリと反応していた。
「・・・地球に生きる者達を粛清したことによる達成感は皆感じていた。元々ネオジオンの者達はそれらを求めていた上で圧政から解放されたいと願っていたからな。だが大きな戦いを終えて山場といった物を越えたからこそ、宇宙の平和を保つ為に動くだけとなった時に兵士の多数は何をすればいいのかと戸惑うだけならいいが、後は上に任せればいいと軍を抜ける者達も少なからずいた・・・」
「・・・燃え尽きたという表現でも間違いではないだろうが、その者達からすればあくまで連邦の打倒だとかジオンの勝利という結果までしか考えられなかったが故だろうな・・・一年戦争の頃から考えても十四年程の時が経っていて、それより昔からもジオンにいて苦渋に辛酸を舐め続けたと感じている者もいたことだろう。だがそれで行動していても結果は伴わず燻る想いばかりを携えながら牙を研ぎ続けたはいいものの、そういった者達は兵士として戦う事ばかりを考えてきた人物ばかりで、勝利を勝ち取った後の平和や政治の事など考えることもなかった・・・そして連邦に何度も何度も勝つことが出来ずにいたことを考えれば尚更にそんなことを考えるような余裕も無かったのだろうが、だからこそ宿願とも呼べる想いが叶ってしまったことにより、もう満足しきったからこそ争うことを求められず、まともな政治の為に動かなければならない状況に生き辛さを感じたのだろうな。今まで地球や連邦軍という敵がいてそれらを打倒するために生きてきたが、もうそうする必要がないとなってどうしていいか分からないからこそ軍にいる意味も見出せないというよう」
「あぁ・・・事実軍を離れる者達は若い者は少なく、軍に長い間滞在しているかゲリラ活動を主にしていた者達ばかりだった。だから後は慰留をして応えた者だけが残ってそういった者達は揃って去っていったが、私や周囲の者達もその光景に気落ちしていくのを感じていったんだ・・・あれだけの熱意を持っていて行動をしていた者達がやることは終わったと消えていくことに、どうとも言えぬ気持ちになったのだ・・・」
シャアはそんなことに気付かないままに話を進めてハマーンが兵の心境や状態を補足するよう推測していくと、そうだろうというように行動されたことに気落ちしたと眉を歪める。
・・・この世界では世界規模で戦争は起こってはいないが、戦争という物を経験した人は全てが全ての人とは言わないにしても、戦争のない平和な生活に馴染めなくなる可能性を送れない事がある。いわゆるPTSDであったりトラウマといったような物を心に負うこともだが、戦争に関わることの方が最早日常となる形となって平和な世界という物の方に慣れないといったことからだ。
その点でジオンというか連邦や地球の政府に長年忍耐を強いられ、敵意を持ってきた者は山程いた上で敵対行動を取ってきたり耐え忍んできた期間の長い者も山程いたのだが・・・シャア率いるネオジオンにより全ての敵が打倒された事で満願こそ果たされこそはしたが、だからこそそういった者達は長年の恨みといった負の念を始めとする物から解放されると共に、恨まなくてもいいだとか戦う必要のない生活というのを望んだ筈なのにそれが違和感となることになったのである。
だがそれでも悲願として長い事望んでいた物であることに加え、敵対する者はもういない・・・だからそんな者達はせめて人前から消えて迷惑をかけないようにしようとしたのであるが、傍目から見たら少しでも自分だけが楽になりたいからこそのドロップアウトであり、シャアやその周りに影響を及ぼすことになったのである。
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