過去を過去とすべきか否か 後編

「・・・どうしたというのだ、二人共?」
「っ・・・もう一度聞きますがアクシズを地球に落としたんですよね、貴方は?」
「・・・あぁ、アムロを倒して機体ごとアクシズに埋め込んで地球に落ちていくのを眺めていく形でな・・・」
流石にシャアもそんな二人に何があったのかと聞くとカミーユの動揺混じりの確認に、当時の事を思い出しつつ何とも言い難いといった雰囲気を滲ませながらこうだったと肯定する。
「・・・僕の知るアクシズ落としの結末は大気圏に引き込まれたアクシズはサイコミュの物と思われる緑の光に包まれ、大気圏からどころか地球圏からすら離れていくと共に・・・時間が経ってシャア=アズナブルとアムロ=レイのMIAの発表で終わることになったんです」
「なっ・・・!?」
「信じたくないと思うかもしれませんが、僕が知る結末はそうであって今の話の様子からして貴方はアクシズ落としの後も生きていたんでしょう・・・そのままネオジオンを率いる形で」
「・・・その通りだが、どういうことだこれは・・・!?」
「・・・私がどちらの方の者かどうかはともかく、少なくともカミーユとシャアは互いからして似ているようで違う平行世界の人物なのだろう。そしてその平行世界の違いがアクシズ落としが成功したか否かで、シャアが生きているか否かの物ということなのだろうな」
「っ・・・」
カミーユはそんな反応に自分の知るアクシズ落としの結末についてを話してシャアはどういうことかと動揺する中、ハマーンが察しが付いたというように口にした平行世界との言葉に信じられないといったような目を向けた。
「ハマーン・・・お前からそんな言葉が出てくるとは・・・」
「この世界に生まれ変わってからこの有り得ない状況についてを調べたからというのもあるが・・・最近とある少年と知り合ってな。その少年から色々話を聞いたのだが、その少年と少年が所属していた組織が丸ごと別世界に転移するという経験をしたそうだが、そこでその少年は別世界の我々を含めたモビルスーツ以外の様々な機動兵器のある世界であって・・・そこのお前が引き起こしたアクシズ落としを、アムロ=レイやカミーユを含めた面々と共に止めたと言うのだ。アムロ=レイやカミーユもそうだが、真の目的を持って動いていたお前と共にと」
「なっ・・・どういうことだ、それは・・・!?」
そのままシャアはそんな言葉が出るようなイメージがないと漏らすのだが、ハマーンが返したまさかの言葉に更に動揺を浮かべる。





・・・カミーユからルルーシュが知り合った少年に自分と共に会ってほしいと言われた時は、最初はハマーンはどういうことかと疑問に思いながらも四人で会うことになった。だがそうして話をしてみた結果として会うことにしたのは間違いではなかったとハマーンは考えたのだ・・・とある平行世界での自分達がどんな事になったのかもだが、ミネバに関連する事を聞けたのもありだ。

しかしそれを知ったからというのもあるが、ハマーンは目の前のシャアのリアクションも含めて久しく抱いていない気持ちを抱くことになった・・・






「・・・詳しく話をすると長くなるから話す気はないが、もう私にこだわった理由などそんなことはどうでもいい・・・今更ながらに私だけならまだしも、よくもそのようなことをしておいてカミーユに会えたというように嬉しそうな顔を出来たものだな・・・!」
「っ・・・!」
・・・それは強烈な怒りだった。
周りの事を気にして抑えてこそいるが鋭く細まった目と苛立ちの声を向けるハマーンに、シャアはたまらず息を詰まらせた・・・認識違いがあったことを含めたとしても、どちらの結果でもアクシズ落としなんて事をやっておいて今となってはカミーユと仲良くしているハマーンからして、カミーユが気に入らない事をした事が気に入らないのだと突き付けてきたことに。









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