過去を過去とすべきか否か 後編
・・・シャアとのまさかの再会をしてしまい助けを求めてきたハマーン。そんな状況にカミーユはすぐにハマーンに指定されたカフェへと向かうことにしたのだが、そうして自分が呼び出されることになったことに不自然さを感じていた。今のハマーンがシャアと一緒にいることを望む筈がないのに、助けてくれというシャアに捕まった状態になるのかと・・・
「・・・カミーユ・・・本当にカミーユなのだな・・・」
「・・・えぇ、お久しぶりです。まさかこんな形で出会うとは思っていませんでしたが・・・」
・・・そうしてカフェに到着した時にカミーユが見たのは、スーツ姿で髪をオールバックにして腕時計をしきりに気にしているシャアと、視線を合わせたくないと目を反らしていたハマーンが対面上に座る姿であった。
そこにカミーユは覚悟を決めて二人の横に現れてシャアは信じられないといったように漏らし、カミーユは何とも言えないといったように一応返しつつ近くの店員に「アイスコーヒー一つ」と頼んで席に座る。
「さて・・・色々と話したいことはありますけど、飲み物が来てから話しましょう。僕達の会話は端から聞けば頭のおかしな物に聞こえると思いますから、それを店員さんに聞かせない為にも」
「分かった・・・だがこれだけは言わせてくれ。落ち着いたものだな、カミーユ」
「・・・昔の僕なら子ども扱いするなと怒っていたかもしれませんが、今の僕には色々と言いたい事に聞きたいことがあるんですよ」
「そうか・・・」
それで一先ず飲み物が来るまではと提案するカミーユにシャアは成長が見れて嬉しいという言葉を向けるが、ただ淡々と返してから目を閉じて会話を打ち切る・・・ハマーンの内心がグチャグチャなのが見て分かると同時に、自分も少なからず似たような物であるからこそ少しは考えをまとめる為に・・・
・・・それで数分して店員が来てアイスコーヒーを置いて場を離れた所でカミーユは目を開き、改めてシャアへと視線を向ける。
「さて・・・色々と聞きたい事はあるんですが、まずはどうして貴方とハマーンさんは出会うことになったんですか?」
「それか・・・簡単に答えるなら会社での出張でここに来たのだが、そこでハマーンの姿を私は見付けたのだよ。とは言え彼女の姿を見付けはしたが記憶を持っているかどうかは分からなかった為、そうなのかどうかを確かめる為に慎重に彼女の前に出たらすぐに動揺をしたことから、彼女も記憶を持っていると判断したのだ」
「・・・もし私が先に見付けていたなら素知らぬ顔をしてさっさと場を離れていたのだがな・・・」
「そうだったんですか・・・」
そこからまずはと何故二人が一緒にと聞くとシャアが少し嬉しそうに答えるのと対照的に、ハマーンが嫌そうなのを隠しもせずに漏らす言葉にハマーンの運が悪かったのだとカミーユは認識する。
「・・・じゃあ次の質問ですが何で貴方はかつてあれだけ拒否したハマーンさんの前に顔を出したばかりか、逃げないようにとしたんですか?」
「・・・随分ハッキリと言うな、カミーユ。かつてのハマーンを知っているなら私よりハマーンの方が色々とこだわっていると知っている筈だが・・・」
「前ならともかくこちらでは少なからずハマーンさんとは交流してきて、もう貴方に対する気持ちは吹っ切っているのは僕も知っているんですよ。それに僕に来たメッセージには貴方から助けてくれと書かれていました・・・少なくとも今回の事に関しては、貴方がハマーンさんを無理に引き止めたのは否定出来ないんじゃないんですか?」
「・・・まいったな・・・」
それで次に何故ハマーンを捕まえたのかと聞くとシャアはとぼけようとしたが、カミーユが理屈的でありながら今の関係を含めつつ話すと余裕そうな表情が微妙そうに歪んだ。
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「・・・カミーユ・・・本当にカミーユなのだな・・・」
「・・・えぇ、お久しぶりです。まさかこんな形で出会うとは思っていませんでしたが・・・」
・・・そうしてカフェに到着した時にカミーユが見たのは、スーツ姿で髪をオールバックにして腕時計をしきりに気にしているシャアと、視線を合わせたくないと目を反らしていたハマーンが対面上に座る姿であった。
そこにカミーユは覚悟を決めて二人の横に現れてシャアは信じられないといったように漏らし、カミーユは何とも言えないといったように一応返しつつ近くの店員に「アイスコーヒー一つ」と頼んで席に座る。
「さて・・・色々と話したいことはありますけど、飲み物が来てから話しましょう。僕達の会話は端から聞けば頭のおかしな物に聞こえると思いますから、それを店員さんに聞かせない為にも」
「分かった・・・だがこれだけは言わせてくれ。落ち着いたものだな、カミーユ」
「・・・昔の僕なら子ども扱いするなと怒っていたかもしれませんが、今の僕には色々と言いたい事に聞きたいことがあるんですよ」
「そうか・・・」
それで一先ず飲み物が来るまではと提案するカミーユにシャアは成長が見れて嬉しいという言葉を向けるが、ただ淡々と返してから目を閉じて会話を打ち切る・・・ハマーンの内心がグチャグチャなのが見て分かると同時に、自分も少なからず似たような物であるからこそ少しは考えをまとめる為に・・・
・・・それで数分して店員が来てアイスコーヒーを置いて場を離れた所でカミーユは目を開き、改めてシャアへと視線を向ける。
「さて・・・色々と聞きたい事はあるんですが、まずはどうして貴方とハマーンさんは出会うことになったんですか?」
「それか・・・簡単に答えるなら会社での出張でここに来たのだが、そこでハマーンの姿を私は見付けたのだよ。とは言え彼女の姿を見付けはしたが記憶を持っているかどうかは分からなかった為、そうなのかどうかを確かめる為に慎重に彼女の前に出たらすぐに動揺をしたことから、彼女も記憶を持っていると判断したのだ」
「・・・もし私が先に見付けていたなら素知らぬ顔をしてさっさと場を離れていたのだがな・・・」
「そうだったんですか・・・」
そこからまずはと何故二人が一緒にと聞くとシャアが少し嬉しそうに答えるのと対照的に、ハマーンが嫌そうなのを隠しもせずに漏らす言葉にハマーンの運が悪かったのだとカミーユは認識する。
「・・・じゃあ次の質問ですが何で貴方はかつてあれだけ拒否したハマーンさんの前に顔を出したばかりか、逃げないようにとしたんですか?」
「・・・随分ハッキリと言うな、カミーユ。かつてのハマーンを知っているなら私よりハマーンの方が色々とこだわっていると知っている筈だが・・・」
「前ならともかくこちらでは少なからずハマーンさんとは交流してきて、もう貴方に対する気持ちは吹っ切っているのは僕も知っているんですよ。それに僕に来たメッセージには貴方から助けてくれと書かれていました・・・少なくとも今回の事に関しては、貴方がハマーンさんを無理に引き止めたのは否定出来ないんじゃないんですか?」
「・・・まいったな・・・」
それで次に何故ハマーンを捕まえたのかと聞くとシャアはとぼけようとしたが、カミーユが理屈的でありながら今の関係を含めつつ話すと余裕そうな表情が微妙そうに歪んだ。
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