過去を過去とすべきか否か 前編
「お前がエゥーゴにいた頃はその自覚は無かったが、ジュドーと接触する中で私はジオンの血を利用しているだけというように言ったことがあった・・・これはジュドーと会う内に私自身の本音が出るようになったからだと思うが、だから表向きはジオンやザビ家の為というようには動きつつも、そういった気持ちが滲んでいたのをお前達は感じていたのだろうと思うのだ。特にシャアがミネバ様についての怒りを見せたのが分かりやすい例だろうな」
「あの場面ですか・・・あの時の大尉は滅多にない怒りを見せていたから印象的でしたよ・・・」
「あぁ・・・私からすればミネバ様への忠義はあったが、どこかしらで私はミネバ様を都合のいい存在というようにも思っていた上でそう扱っていたのだろう。事実ミネバ様は私の前で笑顔など見せたことはなく、子ども達と触れ合う中で笑顔を見た時は驚いた物だったが・・・そんな風にミネバ様すら自分のせいで笑顔すら浮かべられないようにしてしまったことを思い出した事もあり、他の者からすれば私はジオンやザビ家の為ではなく自分の為に動いているというように見えてもおかしくないと思えた上で、事実私もアクシズを率いる内に自分のやり方が一番正しいのだと思うようになっていったと今なら感じるのだ・・・だからこそ私のそんな姿勢からの気持ちを感じ取ったお前達の反感を受けたのだろうと」
「・・・本当なら否定した方がいいと思いますが、当時の貴女に感じた印象を思い返すと否定出来ないですね。それは・・・」
そうしてハマーンが当時のエピソードも交えていかに自分が周りから見たら、独りよがりな物と思えたか・・・それらを語る様子に前なら罵倒していただろうカミーユも以前の経験分落ち着いたのもあるが、自分で理解しているといった様子に気まずそうながら正直に返すしかなかった。
「・・・まぁグレミーはそんな私の政治に不満を持ったからというだけではなく何らかの思惑はあったのだろうが、それでもグレミーが決起した時には対立の形が出来るくらいには兵は離反してグレミーの軍とジュドー達と戦うことになるが・・・グレミーが討たれて私自身が出てジュドーを倒さねば収まらないというようになった頃には、本気で戦うことを考えると共にもうこんなことは終わらせたいというようにどこかで感じていた部分もあったのだ。ここでジュドー達に勝ってネオジオンを立て直す事が出来ても、またこんなことがいつか起きるのではないかとか忠義など持てぬネオジオンやザビ家の為にこれ以上動く必要はあるのかとな」
「・・・そんな風に思いながらジュドーと戦い、そして貴女は負けたと・・・」
「あぁ・・・ジュドーには何故もっとファンネルを使わなかったのかと言われ一対一の勝負だからというように返したが、それでも私は勝負自体は真剣に行っていた。その時は今のように考えられていなかったのもある上で、私に付いてきていた者達を切り捨てる事は出来ないと思ったのもありだ。だが・・・ジュドーとの戦いの中で本気の言葉と心をぶつけ合うことが出来たことで、スッキリとする形で終われたんだ。私を乗り越えた強い子に会えたという嬉しさもそうだが、これで強がり周りからの理解を得ようと考えることすら無かった自分は終われるのだというようにな」
「・・・そういうことだったんですね・・・」
それでいかな流れで自分がジュドーと戦い、負けて悔いなど一切無く死ねたのか・・・そう視線をカミーユに向けて話したハマーンの落ち着いた微笑に、重く納得といった声を漏らした。今だからこそ考えられるし言葉に出来る物があるからこそ、様々な重荷と共にジュドーが解放してくれたと本心からハマーンは思ったのだと理解して。
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「あの場面ですか・・・あの時の大尉は滅多にない怒りを見せていたから印象的でしたよ・・・」
「あぁ・・・私からすればミネバ様への忠義はあったが、どこかしらで私はミネバ様を都合のいい存在というようにも思っていた上でそう扱っていたのだろう。事実ミネバ様は私の前で笑顔など見せたことはなく、子ども達と触れ合う中で笑顔を見た時は驚いた物だったが・・・そんな風にミネバ様すら自分のせいで笑顔すら浮かべられないようにしてしまったことを思い出した事もあり、他の者からすれば私はジオンやザビ家の為ではなく自分の為に動いているというように見えてもおかしくないと思えた上で、事実私もアクシズを率いる内に自分のやり方が一番正しいのだと思うようになっていったと今なら感じるのだ・・・だからこそ私のそんな姿勢からの気持ちを感じ取ったお前達の反感を受けたのだろうと」
「・・・本当なら否定した方がいいと思いますが、当時の貴女に感じた印象を思い返すと否定出来ないですね。それは・・・」
そうしてハマーンが当時のエピソードも交えていかに自分が周りから見たら、独りよがりな物と思えたか・・・それらを語る様子に前なら罵倒していただろうカミーユも以前の経験分落ち着いたのもあるが、自分で理解しているといった様子に気まずそうながら正直に返すしかなかった。
「・・・まぁグレミーはそんな私の政治に不満を持ったからというだけではなく何らかの思惑はあったのだろうが、それでもグレミーが決起した時には対立の形が出来るくらいには兵は離反してグレミーの軍とジュドー達と戦うことになるが・・・グレミーが討たれて私自身が出てジュドーを倒さねば収まらないというようになった頃には、本気で戦うことを考えると共にもうこんなことは終わらせたいというようにどこかで感じていた部分もあったのだ。ここでジュドー達に勝ってネオジオンを立て直す事が出来ても、またこんなことがいつか起きるのではないかとか忠義など持てぬネオジオンやザビ家の為にこれ以上動く必要はあるのかとな」
「・・・そんな風に思いながらジュドーと戦い、そして貴女は負けたと・・・」
「あぁ・・・ジュドーには何故もっとファンネルを使わなかったのかと言われ一対一の勝負だからというように返したが、それでも私は勝負自体は真剣に行っていた。その時は今のように考えられていなかったのもある上で、私に付いてきていた者達を切り捨てる事は出来ないと思ったのもありだ。だが・・・ジュドーとの戦いの中で本気の言葉と心をぶつけ合うことが出来たことで、スッキリとする形で終われたんだ。私を乗り越えた強い子に会えたという嬉しさもそうだが、これで強がり周りからの理解を得ようと考えることすら無かった自分は終われるのだというようにな」
「・・・そういうことだったんですね・・・」
それでいかな流れで自分がジュドーと戦い、負けて悔いなど一切無く死ねたのか・・・そう視線をカミーユに向けて話したハマーンの落ち着いた微笑に、重く納得といった声を漏らした。今だからこそ考えられるし言葉に出来る物があるからこそ、様々な重荷と共にジュドーが解放してくれたと本心からハマーンは思ったのだと理解して。
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