過去を過去とすべきか否か 前編
「・・・私達の戦いの結末についてを知っているならある程度話の中身を省きながら話すが、お前達とコロニーレーザーを巡る戦いを終えた後の私はネオジオンの摂政として精力的に動いていた。一時は連邦や地球政府にも表向きはその活動を認められるくらいにだ。そしてそんな中でエゥーゴの活動に身を投じていたジュドーと何度も接触していく事になるのだが、そういった時に起こったのがネオジオンの内部分裂でグレミーの反乱により私とグレミーの軍でぶつかり合うことになった・・・ここまではいいか?」
「はい、ジュドーとの事は分かりませんが僕もそのくらいは聞いています」
「それならいいが・・・今だからこそ言えることだが、私はその時は表向きには態度を崩してはいなかったがもう内心ではこのような事を終わらせたいという気持ちについて、自分自身で誤魔化すように目を反らしながら軍を率いていたんだ」
「えっ・・・?」
そうしながらかつての事についてをハマーンは語っていくのだが、その中で出て来たかつての姿を知るカミーユからしたららしくないのではという言葉に困惑の声を漏らした。鉄の女と揶揄される事もあるくらいでありカミーユに対しての態度も一切変えなかったハマーンが、そんな状態になっていたなど本当の事なのかと。
「言っただろう、今だからこそ言えると・・・その当時の私の様子からお前もそうだが周りも私がジオンやザビ家の再興の為に迷うであるといった考えや感情など、一切無いというように思っていたことだろう。だがそもそもを言うなら私があのように動いていたのは私自らが望んだというより、父であるマハラジャの立場とシャアが私をミネバ様の摂政へと推薦したことから始まったこと・・・つまりは私自身から望んであの立場に立った訳ではなく、その当時の私からしたらほとんど事後承諾に近い形でのことだったのだ」
「そ、そうなんですか・・・?」
だがそこでハマーンが口にした摂政の立場に立ったそもそもの理由についてに、カミーユは初めて聞いた事に驚きを浮かべた。
・・・カミーユがそれらのやり取りを知らないのも無理はなく、あくまでそれらについてはマハラジャが存命時及びシャアがアクシズに滞在している時、ハマーンの気持ちよりジオン残党の気持ちを汲んで身内内だけで決めたことだからと、公に発表してないからだった。そして時が経ってハマーンがそのジオン残党の実質的な代表という形で堂々と姿を現した物だから、カミーユは自らの意志で固く動いていると思っていたのだが・・・それは今となっては違うと本人から否定されたのである。
「まぁその辺りに関しては父の姿勢もだが、その父が急逝したのもあって私があぁなったというのもあるのだ・・・ジオンの行く末を常に考えていた父は私にも是非に自分と同じようにするようにと願っていた。その事に私は窮屈な想いを抱いていたが、それでも私は父に協力してくれていたシャアがいた事により救われていた部分があった。だが時が経ってシャアは連邦軍に潜り込むことになって私から離れると共に、父が急逝したことでミネバ様の摂政という立場にいて実質的に父の後を継がないとならなくなった私はその立場を固辞することは出来なくなった・・・いや、考えることすらなかったのだ。自分が後を継がないといけないというように自然と考える形になってだ」
「・・・けれどそれは自分で考えて出した結論じゃないと、今のハマーンさんは感じたんですね?」
「あぁ・・・今となっては状況に流されただけだとな。ただそう考える事が無かった私は頼りたいと思えた唯一の存在であったシャアも遠い場にいることから、助けを求める事は出来ないと私一人でどうにかせねばならないと動いていったが・・・そんな私が動いていった結果がお前も覚えているような物であり、お前達やシャアやグレミーといった人物達の゙反感を買う結果となったのだと今なら思うんだ」
そんな自身の立場と周りの状況がいかに動いた上で、その結果が前の有様だったのだとハマーンは自嘲めいた乾いた笑いを浮かべた。
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「はい、ジュドーとの事は分かりませんが僕もそのくらいは聞いています」
「それならいいが・・・今だからこそ言えることだが、私はその時は表向きには態度を崩してはいなかったがもう内心ではこのような事を終わらせたいという気持ちについて、自分自身で誤魔化すように目を反らしながら軍を率いていたんだ」
「えっ・・・?」
そうしながらかつての事についてをハマーンは語っていくのだが、その中で出て来たかつての姿を知るカミーユからしたららしくないのではという言葉に困惑の声を漏らした。鉄の女と揶揄される事もあるくらいでありカミーユに対しての態度も一切変えなかったハマーンが、そんな状態になっていたなど本当の事なのかと。
「言っただろう、今だからこそ言えると・・・その当時の私の様子からお前もそうだが周りも私がジオンやザビ家の再興の為に迷うであるといった考えや感情など、一切無いというように思っていたことだろう。だがそもそもを言うなら私があのように動いていたのは私自らが望んだというより、父であるマハラジャの立場とシャアが私をミネバ様の摂政へと推薦したことから始まったこと・・・つまりは私自身から望んであの立場に立った訳ではなく、その当時の私からしたらほとんど事後承諾に近い形でのことだったのだ」
「そ、そうなんですか・・・?」
だがそこでハマーンが口にした摂政の立場に立ったそもそもの理由についてに、カミーユは初めて聞いた事に驚きを浮かべた。
・・・カミーユがそれらのやり取りを知らないのも無理はなく、あくまでそれらについてはマハラジャが存命時及びシャアがアクシズに滞在している時、ハマーンの気持ちよりジオン残党の気持ちを汲んで身内内だけで決めたことだからと、公に発表してないからだった。そして時が経ってハマーンがそのジオン残党の実質的な代表という形で堂々と姿を現した物だから、カミーユは自らの意志で固く動いていると思っていたのだが・・・それは今となっては違うと本人から否定されたのである。
「まぁその辺りに関しては父の姿勢もだが、その父が急逝したのもあって私があぁなったというのもあるのだ・・・ジオンの行く末を常に考えていた父は私にも是非に自分と同じようにするようにと願っていた。その事に私は窮屈な想いを抱いていたが、それでも私は父に協力してくれていたシャアがいた事により救われていた部分があった。だが時が経ってシャアは連邦軍に潜り込むことになって私から離れると共に、父が急逝したことでミネバ様の摂政という立場にいて実質的に父の後を継がないとならなくなった私はその立場を固辞することは出来なくなった・・・いや、考えることすらなかったのだ。自分が後を継がないといけないというように自然と考える形になってだ」
「・・・けれどそれは自分で考えて出した結論じゃないと、今のハマーンさんは感じたんですね?」
「あぁ・・・今となっては状況に流されただけだとな。ただそう考える事が無かった私は頼りたいと思えた唯一の存在であったシャアも遠い場にいることから、助けを求める事は出来ないと私一人でどうにかせねばならないと動いていったが・・・そんな私が動いていった結果がお前も覚えているような物であり、お前達やシャアやグレミーといった人物達の゙反感を買う結果となったのだと今なら思うんだ」
そんな自身の立場と周りの状況がいかに動いた上で、その結果が前の有様だったのだとハマーンは自嘲めいた乾いた笑いを浮かべた。
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