過去を過去とすべきか否か 前編
・・・カミーユとルルーシュの仲は良好である。それは内外共に認めるくらいの物である。ただそんな良好な仲ではあるが、四六時中常に一緒にいるわけではなく分かれて行動することは別に珍しくない物だった。だからこそカミーユは一人で出掛けることはよくある事だったのだが・・・
「っ!?ハ、ハマーン=カーン・・・!?」
「カ、カミーユ=ビダン・・・なのか・・・!?」
・・・とある通りを歩いていた際に前から歩いてきた女性の姿にカミーユがたまらず驚き名前を口にして立ち止まる中、その女性も同じようなリアクションで立ち止まり向かい合う形になった・・・前世で知り合い決して良好と言えるような間柄ではなかったどころか、殺し合いすらした相手が共にその時の記憶を持っていると理解出来る形で・・・
・・・ただそんな風に驚きに止まる形になるが、すぐに気を取り直したカミーユは丁寧に下手に出るように場所を変えてゆっくり話は出来ませんかと切り出した。かつてのハマーンという人物のイメージから考えると強気に行けば反発してくる可能性が高いと見て。
対するハマーンだがそんなカミーユの言葉にすんなりとそうすると頷き、カミーユが先導の形で歩いていき・・・とあるオープンカフェに着いて飲み物を頼んで向かい合う形で対面した。
「・・・さぁ、飲み物も来たことだ。まずは何を話すかだが、お前も記憶を持ってこの世界に転生したのだな。カミーユ=ビダン」
「えぇ・・・と言っても僕以外に同じような人がいるかどうかなんて探そうとも思ってませんでしたから、こうして貴女と出会うこと自体もそうですが更に記憶を持っているとは思いませんでしたよ」
「それは私も同じだ・・・まさか日本人でもない私達がこの日本という国で出会うなどと思っていなかったからな。正直驚いたよ。まさかこんなことになるとはとな」
・・・そうして飲み物が来て二人の空気になったと話を始めるのだが、穏やかなハマーンの微笑からの言葉にカミーユは眉を寄せる。
「・・・変わった、と言ってもいいんですか?失礼だと思いますけど、前に会った貴女と雰囲気が違うと思うんですが・・・」
「変わった、か・・・自分で言うのもなんだが、どちらかと言えば憑き物が落ちたと言った方がいいだろうな」
「・・・憑き物が落ちた?」
そして恐る恐るとカミーユはその雰囲気の違いについてを投げ掛けると、ハマーンが自重気味な笑みを浮かべて返した声にオウム返しをする。
「・・・お前がエゥーゴから離脱した後にどうなったか聞いてないから簡単に言うが、私はネオジオンの摂政として精力的に動いていた。だがその中で反乱を起こされてな・・・そうしてその反乱に対抗していたのだが、そこで新たにエゥーゴに入ったジュドー=アーシタに倒される事になったのだ」
「ジュドーに、ですか・・・」
「知っているのか?」
「はい。後で僕の看病をしていたファから聞いたんですが、シロッコとの戦いで精神が崩壊した僕は地球に連れて行かれる形で静養していたそうです。そんな生活の中でジュドー達が僕の所に来たことで僕はジュドー達と精神的に話したことにより、意識を取り戻すきっかけを得られました・・・そのおかげで僕はネオジオンの内乱を連邦軍が収めたというように発表されたくらいの頃に意識を取り戻す事が出来たんですが、ジュドーとの出会いが無ければ多分僕の意識はずっと体に戻らずさまよい続けていたんじゃないかと思うんです」
「そうか・・・ジュドーのおかげでお前も救われたというわけか」
「・・・お前、も?」
そこからハマーンの独白めいた語りが始まるのだがジュドーの名が出てきたことに、カミーユが自分がいかにジュドーとの関わりがあったのかを話していくとお前も救われたとの言葉にまた眉を寄せるが・・・ハマーンはカミーユの頭の上辺りを遠くを眺めるような視線を椅子に背を傾ける形になりながら向け、柔らかく口元を笑ませた。
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「っ!?ハ、ハマーン=カーン・・・!?」
「カ、カミーユ=ビダン・・・なのか・・・!?」
・・・とある通りを歩いていた際に前から歩いてきた女性の姿にカミーユがたまらず驚き名前を口にして立ち止まる中、その女性も同じようなリアクションで立ち止まり向かい合う形になった・・・前世で知り合い決して良好と言えるような間柄ではなかったどころか、殺し合いすらした相手が共にその時の記憶を持っていると理解出来る形で・・・
・・・ただそんな風に驚きに止まる形になるが、すぐに気を取り直したカミーユは丁寧に下手に出るように場所を変えてゆっくり話は出来ませんかと切り出した。かつてのハマーンという人物のイメージから考えると強気に行けば反発してくる可能性が高いと見て。
対するハマーンだがそんなカミーユの言葉にすんなりとそうすると頷き、カミーユが先導の形で歩いていき・・・とあるオープンカフェに着いて飲み物を頼んで向かい合う形で対面した。
「・・・さぁ、飲み物も来たことだ。まずは何を話すかだが、お前も記憶を持ってこの世界に転生したのだな。カミーユ=ビダン」
「えぇ・・・と言っても僕以外に同じような人がいるかどうかなんて探そうとも思ってませんでしたから、こうして貴女と出会うこと自体もそうですが更に記憶を持っているとは思いませんでしたよ」
「それは私も同じだ・・・まさか日本人でもない私達がこの日本という国で出会うなどと思っていなかったからな。正直驚いたよ。まさかこんなことになるとはとな」
・・・そうして飲み物が来て二人の空気になったと話を始めるのだが、穏やかなハマーンの微笑からの言葉にカミーユは眉を寄せる。
「・・・変わった、と言ってもいいんですか?失礼だと思いますけど、前に会った貴女と雰囲気が違うと思うんですが・・・」
「変わった、か・・・自分で言うのもなんだが、どちらかと言えば憑き物が落ちたと言った方がいいだろうな」
「・・・憑き物が落ちた?」
そして恐る恐るとカミーユはその雰囲気の違いについてを投げ掛けると、ハマーンが自重気味な笑みを浮かべて返した声にオウム返しをする。
「・・・お前がエゥーゴから離脱した後にどうなったか聞いてないから簡単に言うが、私はネオジオンの摂政として精力的に動いていた。だがその中で反乱を起こされてな・・・そうしてその反乱に対抗していたのだが、そこで新たにエゥーゴに入ったジュドー=アーシタに倒される事になったのだ」
「ジュドーに、ですか・・・」
「知っているのか?」
「はい。後で僕の看病をしていたファから聞いたんですが、シロッコとの戦いで精神が崩壊した僕は地球に連れて行かれる形で静養していたそうです。そんな生活の中でジュドー達が僕の所に来たことで僕はジュドー達と精神的に話したことにより、意識を取り戻すきっかけを得られました・・・そのおかげで僕はネオジオンの内乱を連邦軍が収めたというように発表されたくらいの頃に意識を取り戻す事が出来たんですが、ジュドーとの出会いが無ければ多分僕の意識はずっと体に戻らずさまよい続けていたんじゃないかと思うんです」
「そうか・・・ジュドーのおかげでお前も救われたというわけか」
「・・・お前、も?」
そこからハマーンの独白めいた語りが始まるのだがジュドーの名が出てきたことに、カミーユが自分がいかにジュドーとの関わりがあったのかを話していくとお前も救われたとの言葉にまた眉を寄せるが・・・ハマーンはカミーユの頭の上辺りを遠くを眺めるような視線を椅子に背を傾ける形になりながら向け、柔らかく口元を笑ませた。
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