「・・・その気持ちが少しでも想像がつくというのであれば、阿笠さんの元に戻れ。どうせお前の事だからその黒ずくめの男達を追うことは諦めはしないだろうが、それを毛利さんを利用して行われることもそうだがそれ以上にお前が近くにいるというだけで、蘭が何故コナン君を受け入れないんだと言い続けて、受け入れる入れないの押し問答になるのは目に見えている。そしてそんな時間が続く中で平行してその黒ずくめの男達を追って、そいつらと近くなればなるほどお前もそうだがその周りの危険性もまた高まってくるだろう。そういった事態になど俺達はさせたくはない・・・だからさっさと阿笠さんの元に行き、俺達や毛利さんの視界に入らず関わることもない所でそいつらを追い掛けていろ。それなら別に俺達も何も言わないし、毛利さんも複雑な気持ちになりはするだろうが個人の自由だからと説得して見逃してもらう形で済ませてやる」
「っ！・・・頼むルルーシュ、カミーユ・・・おっちゃんを説得して俺をここに置くようにしてくれ・・・こんな体になって他に頼れる人なんかいねーし、あいつらの事を探す為にも東都にいてーんだ・・・絶対におっちゃんやお前らを巻き込まねぇようにするし、迷惑もかけねぇから・・・」
「・・・やっぱりここまで言っても諦めきれんか。まぁいい、予想していたことだ・・・だからこそお前にとって最悪の事実を明かしてやる」
「なっ・・・ま、まだ何かあるってのか・・・！？」
ルルーシュはもうさっさと諦めて退散するようにと言うが、やはり往生際が悪く尚も自分の希望を聞いてほしいと頭を下げる新一にまだ何かあるというように告げると更に焦りに表情を歪める。
「不思議であったり疑問に思わなかったのか？毛利さんはお前の両親に連絡を取ったわけだが、その際に両親は『江戸川コナン』の事を聞かれてそれだけで済ませると思ったか？」
「なっ・・・ま、まさか・・・！」
「それだけじゃない・・・俺達の話に加えて、戸籍の件から毛利さんもお前の事に関してを知っている身だ。なのに何故今ここに毛利さんが同席せずに事務所にこもるなんてことを選んだのか・・・その心中に理由は何だと思う？」
「えっ・・・そ、そう言えば何でおっちゃんはここにいないっていうか、いようとしなかったんだ・・・！？」
まずは新一の両親で、次に小五郎の不可解な行動について
・・・前者に関しては瞬時に理解した新一だったが、後者についてはどうしてかと動揺を露にする。話を聞いたのならここにいない方がおかしいとばかりに。



「・・・分からないなら教えてやる。それはこの部屋に盗聴器を仕掛けてあって、事務所の中にはその盗聴器の受信機があり・・・俺達の会話をその受信機からスピーカーに繋げ、毛利さんにもそうだがリアルタイムでお前の両親に電話で聞かれているんだ。お前の身に起こった境遇や俺達とのさっきの話も当然な」



「っ！？」
・・・そんな新一にルルーシュは何があるのか、ハッキリと告げて最大級の衝撃を与えた。ここでの会話は全部自分達が仕掛けていた盗聴器により、小五郎もだが新一の両親達にも今現在筒抜けになっているのだと言い。
「・・・どうせお前の事だ。諦め悪く自分のやりたいことを止めるなんてそうそう易々とはしないだろうとはすぐに予想はついたが、だからと言ってお前を止めるのには言葉だけでは容易ではないこともまた予想がついた。だから毛利さんには戸籍の件が明らかになっていた時はお前の両親に電話をする算段になっていた・・・さっき毛利さんが来たのはその手筈が整ったとの合図だったんだよ。お前から全てを聞き出していいとのな」
「っ・・・！」
そんな新一の思考を読んだ上でいかにして罠にはめたかを話すルルーシュに、たまらず新一は唖然とした。そこまで手の込んだ事をされた上で、自分がまんまとそれに引っ掛かってしまったと気付いて。









.