教師は聖人ではなく教師というだけである

「これは今例えに出したこととして、芸能関係のヤツは別にしてもスポーツだとか進学校に関しては特に注目が集まるのはその競技の大会だとか、受験シーズンみたいなもんが代表的になる。まぁスポーツとかは普通の時でもスカウトだとか取材が来るなんてのはよくある事らしいが、そういったのは小規模な人数だったりとか顔馴染みたいな仲になって、行儀よくしてれば顔も知ってるから顔パスで大丈夫みたいな事にもなるんだそうだが・・・新一が事件を解決する事に関してはそんな顔パスだとか学校にまで来て直撃みたいな感じで取材させるだとかさせないようにもだが、だからといってマスコミを突っぱねる訳にもいかないっていうように先生達は細心の注意をしなきゃならないことに心を砕いてたらしいんだよ」
「な、何でそんなことになるんだよ・・・?」
「マスコミを突っぱねないようにってのは今言ったように帝丹の学校の評価を下げない為にってのもそうだが、お前が解決した事件の事を現場にいない先生達が迂闊に喋ってろくなことにならないようにって事らしいんだよ。この辺りに関しちゃお前以外の事件の関係者に関して変な思い込みで物を言ってそれが間違ってたりだとか、癇に障るような事を言ってしまったら学校として大問題になりかねない・・・かといって変にマスコミを受け付けないって形でシャットアウトするのは上は望んじゃいない事もだが、それでマスコミから妙な事を記事にされてもたまったもんじゃない。だからマスコミを下手に刺激せず、そして事件に関しては当たり障りないように対応することを先生達は強いられる事になったらしいんだが・・・そういった中で更に苦心することになるのが、学校への直の取材をさせないようにってことだそうだ」
小五郎はまたそこで先の例を挙げつついかに先生達が苦心してきたのかについてを話していき、新一がまだ理解しきれてないといったような声を漏らす様子に真剣でいてまだ残っている物があると返していく。
「これに関しちゃお前が事件を解決する度に校門だとか学校の近くでマスコミが取材するようなことになって、それを止めさせてほしいって不愉快に思う生徒も少なからず出て来るだろうってこともそうだが、どっちかっつったら問題なのは・・・」



「マスコミの取材で調子に乗った生徒がとんでもない発言をしかねない可能性が否定出来ねぇって見たことなんだよ。一例を挙げると事件なんていつ起きても新一が解決出来るんだから大丈夫だみたいな感じに言ったことが、本人にそんな認識が無くても被害が出たような事件が起きてもいいみたいな捉え方をされて非難轟々って事になりかねない可能性ってヤツをだ」



「「「「っ!?」」」」
・・・それで次に小五郎が言葉にしたまさかの可能性についてに、新一だけでなく蘭達も一気に絶句してしまった。マスコミを不快に思う生徒も確かに問題ではあるが事件が起きてもいいなんて風に生徒の発言から捉えられた場合、あまりにも酷い未来が有り得るということに。
「これに関しちゃお前らは否定してぇかもしれねぇが、むしろ先生達は学園祭の時の事件で新一がいきなり現れて推理をしだした姿を見た周りの生徒の反応で、改めてそんなことになる可能性についてを危惧したらしいんだとよ。鬼塚先生は新一の推理の゙場面をその時に初めて見てすごいと思ったからそういった事を考えてなかったみたいだが、事件もそうだし新一らしい推理をしてる姿に慣れててこれで大丈夫だみたいな姿もそうだが、女生徒に至っちゃ黄色い声を上げてた様子にそうなりかねない可能性はやっぱりたけぇって風に先生達が思ったとな」
「そ、そんな・・・」
「そんなっつーがその学園祭の時に目暮警部殿に口止めを願ったとは聞いたが、その時に頑張ったのはどっちかっつったら先生達だって話らしいぞ。警部殿は表に話が出ないようにってその場にいた人達に話をしたが結局っつーか、最終的に新一の事を口外しないでくれって是が非でも頼みこんだのは先生達なんだよ。先生達からすりゃ久しぶりにお前が学校に来たこともそうだがそれで服部とかもいて事件の解決に難航してたってのに、そこでお前が事件をあっさり解決したって姿に今言ったような生徒達がはしゃぐ様子が想像出来たらしくて、警部殿から頼まれたのもあって警部殿より厳重に先生達が注意したらしいぞ」
「あ・・・確かにそう言われると本当に先生達からそれくらい注意された・・・絶対に今回の工藤の事は周りに言わないようにしないといけないって警察から言われたから、それを守れなかったら警察にどう言われるか分からなくなるから今回の事は黙っておくようにって新一が倒れた後に・・・」
「っ・・・」
そんな反応に小五郎が学園祭の時の事を切り出した上でいかに先生達が頑張っていたかについてを話すと、蘭もハッと思い出したというように当時の事を口にしていく様子に新一は大袈裟や嘘ではなく本当の事なんだと認識し、たまらず苦い表情を浮かべた。それだけ先生達が生徒達の事を危険視していたことが明らかになったことに。









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