教師は聖人ではなく教師というだけである

「まぁ新一の邪魔をしないようにってのが何なのかって言えば、最も大きな理由は『工藤新一』って存在は帝丹大学の附属の小中高に通っているっていう、いわば広告塔みたいな役割を自然と負ってもらおうっていう理由からだってことらしいんだよ。これは公立の学校と違って私立の学校は入学してくる生徒が少なくなる程に経営が成り立たないどころか、下手すりゃ赤字を出しての廃校って事にもなるところだって今の少子化社会の情勢も考えりゃ有り得ないとは言い切れねぇ」
「成程・・・新一が事件を解決することと帝丹の制服を着ているなら、そこから『工藤新一』が通っている学校はどこかと調べていった上で・・・それも今の年齢としてまだ小学校や中学校に入る年齢でも、入れば基本はエスカレーター式で上がれる学校というのもあっていつか新一に会うのも有り得るかもしれないから、帝丹大学の附属の学校に通いたいというような宣伝効果が期待出来る為に、上の立場にいる人達からすれば新一の活動を邪魔したくないということですか」
「はい。実際に新一が新聞やテレビに出る程に探偵として名が売れてからは附属の学校に入学や転校したいといった数が多くなったらしく、その事自体は昔からいた先生も必要な事だとは認識してはいたとのことです」
そこで小五郎が口にしていった広告塔としての狙いについてに優作も言いたいことは分かったと補足しながら口を開き、正解だというように言いつつも小五郎は意味深な言い方で返す。
「ただそういったことをしたことで出て来た問題が、そういったテレビだとかマスコミみたいな所が主になる形での対応ってもんらしいんだ」
「・・・対応?」
「これは俺も帝丹の小中高と通ってたから分かる事だが、一貫して取り立てて帝丹ならこれみたいなイメージとか特にないだろ?スポーツの強豪校だとか国内有数の進学校とか芸能関係の子どもが集まる学校みたいな、この学校ならこういった分かりやすいイメージがあるって風なヤツがよ。実際スポーツも勉学も芸能も特に取り立ててすげぇって言われるようなもんなんてねーのは確かだが、そういった全国でも有名な所ってのはメディア慣れしてるらしいんだ。テレビや取材が来てるならこういう対応をすればいいみたいな感じのマニュアルがあったりとかもそうだし、そんな事に対してよく慣れた先生達がいるから新任の先生も安心って風にな・・・でも新一が探偵って風に取り上げられるようになった帝丹はいきなりそういった事に対して対応することになっていったんだよ。別に慣れてもいないししたくもない取材だったりの対応だとかをな」
「そ、それは・・・でもそういった事って今出た学校のような感じになって、慣れていく物じゃないの・・・?」
「普通はそうかもしれねーが、そこで今の例えに出したようなとこと違う要素があるんだよ・・・それは不定期じゃあるが結構な頻度で新一が事件を解決するっていうもんだ」
それでそのまま話を進めていく小五郎が帝丹の印象だとか他の有名な学校についての例えを出しながら話していく中で、蘭はそれでも取材だとかには慣れる物じゃないのかと聞いてきた事に新一の事は違う物だというように返す。









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