教師は聖人ではなく教師というだけである

「まぁつっても何かそういった不可解なもんを感じて気持ち良くねーってのはありつつも、新一の事だから何らかの事件だったりに関わってたからそういうことになったんじゃみたいに話は時々してたらしいが・・・まぁそれでもやっぱ釈然としねーって気持ちを抱いてる先生達が過半数で、俺くらいしかいいんじゃねーかって思ってる先生はいないと思いますよっつってたよ。俺もちょっと話したことがあるから分かるけど、あいつが悪い事をしてそんなことするとは思えないからってな」
「そ・・・そう言われても、他の先生達は・・・」
「ま、関係ねーわな。それにその鬼塚先生も四月から前いた学校に戻るって事だから、お前を擁護するような先生はいなくなるって言いてーとこだが・・・まぁ鬼塚先生は何か言ってくるだとか近くにいて事情を知ったとかってんならともかく、何も言ってこねーし近くにいねーなら新一の事をどうしようもねーっつった上で、あいつはどうしようもなくならないと人に頼らなさそうだからあんま関係のない俺に何か言ってきそうには思えねーから、何か手助け出来たとも思えねーっつってたよ」
「うっ・・・」
そんね何か言いたげな四人については触れずに先生達の気持ちと鬼塚の違いについてを小五郎が話していくが、結局大して変わらなかっただろうというように言うと新一は言葉を詰まらせるしかなかった。事実鬼塚だろうが誰だろうが新一が誰かを頼るなどしなかっただろうことは間違ってないと新一自身感じた上で、それを見抜かれていたということに。
「じゃ、じゃあ新一はどうすればいいのよお父さん・・・事実を言ってどうにかなんて安室さん達は許さないだろうし、かといってこのままだったら新一は三年になってもずっとこのまま先生達に嫌われる事になるんだよ・・・?」
ただここで蘭がどうにかしたいというように解決策を求め、すがる視線と声を小五郎に向ける・・・だがそんな様子にそっと小五郎は首を横に振った。
「・・・その事についてなんだがそもそもっつーか、前から帝丹高校の先生達の間じゃ新一の事についちゃどうかっていう風に思われてたらしーんだよ。それも鬼塚先生が帝丹高校に来る前からな」
「・・・え?」
そしてそんな小五郎から漏らされたまさかの言葉に、蘭の戸惑いの声が出てきたが工藤家の三人も揃ったように困惑の表情で止まってしまった。今回の事だけでこうなっている訳では無いとのことに。
「・・・これに関しちゃそこまで新一がその事で先生達に嫌われたのかっていうように俺が言っちまったんだが、そこで鬼塚先生から言われたんだよ。他の先生達に出席日数の事だけでここまで工藤の事を気に入らないってなる程なのかって聞いたら、どっちかっつったら今まで溜まってた物がその事で噴出してきたって言ったらしいんだよ。新一の活動を邪魔するなって上からのお達しで色々苦労してきたのに、そんなことまで起こされちゃたまったもんじゃないみたいな感じにな」
「え・・・新一の活動の゙邪魔をするなって上から言われてたって、どういうこと・・・?」
「その辺りは帝丹高校っつーか小中学校も含めて帝丹大学の附属の学校だってことで、私立の学校だからって事かららしいんだよ。新一の活動を邪魔しないようにした方がいいって上が判断したのはな」
そこから小五郎はどんな話を鬼塚から聞いたかもだが、その中身についてを口にしていく。私立の学校の抱える問題についてを。









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