教師は聖人ではなく教師というだけである

「俺達のっつーか新一・・・お前の立場からしたら元の位置に戻るにはあぁいった処置を取らなきゃっていうか、取る以外にねーってなったんだろうよ。もう出席日数をどうにかするには裏でどうにかするしかねーからってな。だが鬼塚先生はともかく他の先生からしてみたらもう新一は留年確定って日数を超えて、これで後は新一が本格的に戻って来るってなった時にその事を切り出して、留年か退学かについてを話す時間を取るための機会についての話がされてたらしいんだが・・・お前が戻る前に学校の上層部から先生達が一斉に集められて、新一の出席日数やら何やらの問題について一切触れずに済ませろって言われた上で、お前が消えていた休学期間について全部出席扱いになったことに先生達の不満が一気に広まったんだとよ。お前がその後の生活で全くそういった事に対して後ろめたさとか何もなく、それまでと変わった様子もない姿を見せた事もあってな」
「っ!そ、それは・・・」
「ここで言い訳をする意味なんてねーよ。俺はただ何も言われずお前を受け入れろって言われてきた先生達がどんな気持ちだったのかってのを、鬼塚先生から聞いただけだ・・・明らかに何かおかしな権力を使われたことと、それを平然としていて当然としたお前の態度と、その事についちゃ絶対お前や周りに聞こえるように言っちゃなんねーって事から、先生達はお前に対してふざけんなって気持ちを抱いてたってことをな」
「「「「っ・・・!」」」」
小五郎はそんな四人に対して頭をかきながらいかに新一の立場からと先生の立場からの状況が違うのかについてもだが、だからこそ新一の事を気に入らないってなったのだというように語ると、四人は揃って何か言いたそうになりながらも歯を噛み締めるばかりであった。今この場で何を言ってもどうしようもないのも確かではあるのだが、それ以上に・・・先生達の気持ちをどうにかしたいと新一の事を説明したいと思っても、それが出来ないような状態にあることもあってだ。






・・・今はこうして普通にいられている新一だが、とある事件に関わったことで長い期間を休学することにした。それはその事件で出会った者達に襲撃されて飲まされた薬で体を小さくされたことで、その人物達を捕まえた上で元の体に戻る為に時間を使おうということでだ。

ただ最初は工藤家の隣に住んでいる阿笠以外にはその事実を言う事はせずにいて、比較的早めに優作と有希子は新一の事実を知った上で小五郎と蘭はその人物達と対峙する直前になる頃に事実を知る事になった。まぁその事に関しては新一が他の人物達を巻き込みたくないということからで判断したことではあるし、結果的にはそうした事でその人物達という組織を潰せたことに元の体に戻る事は出来た。

だがそういったように新一がその人物達を捕まえる為に使った時間であるが、簡単に言っても半年以上というものであって普通の高校の出席日数である三分の一を余裕で超えてしまっていたのであり、いざ元の立場に戻った時にどうするかとなったのであるが・・・そこで優作もそうだがその人物達を捕まえる際に協力した機関の者達と話し合って、かかった時間分の出席日数をどうにかするという話になったのだ。

ただ勿論という話になるがそれはイリーガルなやり方になるということもだが、その人物達の事については絶対に表沙汰にしてはならないということを守るのを前提にしなければ元の生活にも戻せないどころか、以降でも表沙汰にしたならその時点で新一達の事についてを引っ張らなきゃいけなくなるというように言われ、それなら黙るから新一を元のようにして欲しいと願ったことで出席日数の事は一応は問題無いとなったのであるが・・・それが周りから見たらどう見えるかと共に、その事を明かしてはならない事が非常に重くのしかかって来たのである。イメージ回復の為の釈明が出来ないということに。









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