領域を踏み荒らす者に渡す報い

「・・・生憎だがそれは無理だ・・・いや、無理だろうな」
「え・・・何で言い直っ・・・っ!?」
だが返ってきた返答がだろうとの推測に言い直された事に新一はたまらず頭を上げるが、先程以上に表情が冷めて絶対零度の眼差しを向けるルルーシュの様子にたまらず身を引いてしまった。



「お前ともあろうものがもう忘れたのか?・・・『江戸川コナン』の戸籍について調べてきたのは毛利さんだが、俺達が何の為にその戸籍について調べてほしいというのか・・・その理由を言わず、毛利さんはその依頼を引き受けたとでも思っているのか?」



「なっ!?・・・じ、じゃあまさか・・・おっちゃんはもう、俺の事を知ってるってのか・・・!?」
「最初こそは懐疑的でいて信じられない事を言われたといった様子ではあったが、戸籍がないと知ったなら当然俺達の話は大袈裟な作り話でも嘘でもないと感じているだろう。ただ今この場から毛利さんに出てもらっているのは俺達たっての願いだが、今頃どのような気持ちになっているか・・・少なくとも毛利さんの立場を考えてみれば、複雑であることは間違いないだろうな」
「・・・っ!」
・・・そんなルルーシュが告げたもう小五郎は知っているとの示唆して確信に繋がってるだろうとの流れの言葉に、新一は一気に顔から血の気を引かせたように青ざめてしまった。知られてはならない相手に知られてしまったと言うこともあるだろうが、それ以上に・・・
「あぁ、蘭については心配はするな。戸籍の事が嘘ではないと分かったとしても、この事は伝えないようにとは言っておいた」
「っ・・・」
すかさずルルーシュの入れた補足に少しだけ新一の顔に色が戻る・・・そう、何より新一にとって避けたかったのは蘭にこの事実を知られることであった。様々理由はあれど、蘭に自分の事を知られてはならないと新一の中にはあったために。
「・・・それで安心していていいのか?今言ったろう、毛利さんは事実を知ったと・・・蘭に言わなかったのはまぁまだいいだろう。蘭の性格ならお前がそうなったことを責めつつも、その黒ずくめの男達に対しての対抗心を燃やして例え自粛するように言ったとしても良かれと思って様々な行動を起こしかねず、結果的にボロボロと今のお前の事が世間に知られる可能性が高かっただろうからな。俺達としてもそんな事になるのはハッキリ言ってゴメンだったから、蘭には知られないようにと毛利さんには言わせてはもらったが・・・どちらにしろ、毛利さんが事実を知ったという事実に変わりはないが今の毛利さんの心情がどういうものか想像はつくか?一方的でいてかつ自分を利用しようとし、何も言わずに済ませようとした毛利さんの心情が・・・!」
「っ・・・!」
そんな蘭の事についてを多少触れた後に話を小五郎の心情の方に行かせるのだが、静かな怒りを見下すような視線と共に向けるルルーシュに新一は冷や汗を浮かべ視線を反らしてしまった・・・新一自身決して小五郎からしてよく思われていないだろうことはまず間違いないと、常人より働く頭が導き出しただろう様子で。



(・・・やっぱりここまで来てもまだ諦めるような気持ちにはならない、か・・・だがその諦めの悪さも次で終わりだ・・・!)
・・・そんな光景を見ながらカミーユは新一の姿とは裏腹にまだ諦めの気持ちが一切感じられない強い物があると感じていたが、自身も確信を強い気持ちで抱いていた。次で新一は終わると。









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