教師は聖人ではなく教師というだけである

「・・・というわけで来年度は帝丹高校に赴任してもらいたいの、鬼塚先生」
「いいっすよ。理事長には世話になりましたし、そんな事で俺が必要だってんなら帝丹高校ってとこに行きます」
「ありがとう、鬼塚先生」
・・・理事長室にて真剣な理事長からの話を受け、快く帝丹高校に行くことを笑みを浮かべて了承する鬼塚に理事長も微笑み返す。厄介な話を持ち掛けたのにそれを全く気にしないとばかりのらしい姿を目にして・・・


















・・・そうして鬼塚は吉祥学園から帝丹高校に赴任することになって、吉祥学園の生徒達から惜しまれる事になりながらも見送られていった。一応一年の短期期間の赴任という話だが、問題ばかりであった吉祥学園の問題を四角四面な教師では絶対に出来ない型破りな行動で解決していった事で、吉祥学園の教師の中でもダントツ一番のレベルで好意的な感情を向けられていたのに、そんな形で異動となったことを悲しまれる形でだ。

だからその生徒達の見送りを受けてから鬼塚は満足そうにしながらも、次の赴任先である帝丹高校に赴任することになるのであるが、そこで鬼塚は先生としての生活をする中で帝丹高校に赴任することになった理由を感じることになった。その理由である工藤新一の存在がいかに帝丹高校というか、帝丹小学校に帝丹中学校といった出身校で影響を及ぼしていったのかについてを・・・



















・・・ただそういったように感じはしたものの、とある時に新一がしばらく学校を休学するという連絡を受けてその言葉通り時折学校に来てはまた新一が休学するといったことを繰り返し、そして数ヶ月後に晴れて完全復学をするということになり新一がいる状態での帝丹高校での教師生活を鬼塚は送るのだが・・・その時間は冬休みなどを除いて半年どころか三ヶ月あるかないかの時間であり、三月になった頃には一年のみの赴任の約束であったこととまた吉祥学園の理事長からウチで教師をしてほしいという願いから、鬼塚は帝丹高校を離れる事になった。

ただその事を帝丹高校の人事として発表してから少しした後に、鬼塚は少し関係していた生徒の親であり新一がいなくなってから名探偵と呼ばれることになった毛利小五郎から、少し送別会を兼ねて奢るから飲みに行けないかという連絡が入り鬼塚はその誘いを即座に受けることにした。

・・・本来生徒の親と個人的な付き合いをすることは言語道断というか、今のご時世では良くないといったように見られかねないから普通は避ける物だという暗黙の了解がある。しかし教師としてこうあるべきだなんて固い考えを持っていない上に万年金欠気味な鬼塚が奢るという言葉を使われ、断るなんて選択が有り得るはずも無く意気揚々と小五郎と二人で飲み屋へと向かっていった。



















「・・・どうも」
「あぁ毛利さん・・・すみません、わざわざ足を運んでもらって・・・」
「いえ、頼まれたことでもありますけど今回の件に関しては是非とも優作さん達にも聞いてもらわないといけないと思ったから、こうしてここに来たんです・・・実際に鬼塚先生から話を聞いてみて、こんなことを黙ってる方が良くねぇって中身でしたからね」
「「「「っ・・・」」」」
・・・そうして鬼塚が小五郎と飲みに行った翌日にて。
小五郎と蘭が工藤家のリビングに入ってきたことに優作が軽い謝罪をするのだが、いいというように返しつつも重く口にした言葉に工藤家の三人もそうだが蘭も共に息を呑んだ。
「・・・あの、蘭ちゃんは小五郎ちゃんからどうだったのかって話を聞いてないの?」
「・・・私も先にお父さんに話を聞きたいって言ったんですけど、先に話を聞いたら酷いとかって言い出して時間を食うからここでまとめて話をするってお父さんは言って聞かなくて・・・」
「つまり毛利さんはそれだけの事があると思ったから蘭ちゃんに話は事前にはせず、ここで私達と一緒に話を聞かせようと思ったということか・・・」
だがそんな蘭の反応に有希子が訝しげにどうしたのかと聞くと、自分も話を聞いてないといった中身に優作も自然とそれだけの物なのかと再度重く受け止める。









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