曇りを晴らした先に道化の探偵は覚醒する

「ま、今更あいつらが俺が探偵としてどうしてたかどうかなんて知ったとこでどうすることすら出来ねーどころか、もしかしたら『江戸川コナン』の゙存在ってヤツが何なのかって疑問を世間から持たれる可能性があるんだ。英理にはちょっと面倒をかけるが、もしそうなったら俺はハッキリ工藤家の゙親戚だとか前は別の学校に通ってた程度の話を聞いてたみたいに話してもらう予定だがな」
しかし小五郎はそんな自分より新一が作った『江戸川コナン』の存在が重荷になりかねないだろうと漏らす。






・・・小五郎はある時に阿笠に頼んでから新一が元の体に戻った後『江戸川コナン』についてどうするつもりなのかと聞いてもらったのだが、適当に仕事が片付いたから俺が親に連れて行かれたって言えばおっちゃんならどうにでもなるだろうと言ったとのことだった。その答えに阿笠はどう思うのかと小五郎に聞くのだが、全くいなくなった後の事だとかを考えてねーのはある意味流石だなと返した。

その答えに阿笠は嫌な予感を感じつつもどういうことかと更に先を促すが、今の『江戸川コナン』が仲良くしている子ども達三人に別れを告げずに心に傷を負わせる事も勿論だが、『江戸川コナン』がキッド関連でメディアに出過ぎているとかそんなものではなくキッド現れる所に『江戸川コナン』ありというように活動してきていたのに、もし新一が元に戻ってキッドが活動したら何でコナンはいなくなったのか・・・そういった声が出てくるのはキッドが出て来る回数を重ねれば重ねる程避けられなくなるだろうと小五郎が答えると、阿笠もすぐに顔色を悪くさせた。確かに今までの事を考えれば有り得る事だと。

だが小五郎はそんな阿笠に新一にこの事を話すなと告げた。理由は変にそう考えた経緯を説明する訳にはいかないだろうこともだが、キッドが現れて新一が自重をしてくれるなんて一切思っていないからとのことだった。犯罪者が現れたのにそれを見過ごせなんて出来るわけねーだろうというように言い、結局メディアにまた顔を出して印象を深くしてしまうだろうと。

その言葉に阿笠も本当に新一の言いそうな事だと否定出来なかったのだが、だからこそ俺は『江戸川コナン』の事に関してはただの子どもだと思っていたとするだけの予定でいると話し・・・実際に後で話した英理にはもし『江戸川コナン』の事で何か起こって言われるような事があれば、俺はこういったエピソードから工藤家の親戚と疑ってなかったと話してもらうように段取りを組んでもらっていた。居住区で話していた時に前の学校での事だとか、東都に住んでいた事を聞いていたが前の学校の゙事を聞いたら寂しそうにしていたから、あまり事情を深掘りして聞かないようにしていたと言っていたと。

・・・この辺りに関してだが、そこら辺の齟齬を新一に突かれても面倒だからと、実際にそういった会話を小五郎は世間話のような形で行っていた。ウチに来る前の学校や友達についてのことだとか東都内の学校だったのかといったことについて、もし久し振りに友達に会いたいなら時間がある時にたまには連れて行ってやろうかというようにだ。

ただ新一はそんな小五郎の意図には気付かず適当に誤魔化すように返していった。東都の学校だし友達も確かにいたけど、その友達とまた会うと寂しくなるから大丈夫だというよう。ただ実際はそんな友達なんて存在していないし、何なら変に連れて行こうなんて言われても困るからと、寂しくなるからとの所で悲しげな演技をしたのだが・・・そういった演技が却っていざ『江戸川コナン』の事を聞かれた時に、深入り出来なくても仕方無いといった小五郎の立場についてを演出出来るという結果を作れたのである。もしもが起こったなら自分も迂闊だったが、『江戸川コナン』の小さな姿からのそんな言葉なら、感情的にこれ以上聞けなくても仕方無いといった声を引き出させるには十分だろうといった結果を。









.
17/23ページ
スキ