曇りを晴らした先に道化の探偵は覚醒する

「ま、そこに関しちゃもう英理にも話してる事だしあいつも蘭を引き受けるっつってくれてる。まぁあいつも最初話を聞いて何で自分に話さなかったんだって言いはしたが、新一の周りを取り巻く環境についてを話しゃ納得してくれたからな。それに俺を受け入れてくれるようにするって言った叔父さんも同じようにな・・・だから今更止めるなんて言ったら叔父さんには特にって形でふざけるなと言われるのは目に見えてるから、止めるなんて気は一切ねーんだよ」
「英理君もだし叔父という人も納得するくらい新一達とは距離を取った方がいいというのが、新一達がやったことに対して本当に良くないと思ったのが伝わってくるのぅ・・・」
その上で英理と叔父についてを挙げる小五郎に、改めてと阿笠もそれだけ外から見たら酷いことだったのだと漏らす。新一達に知らせず身を離すと判断するのは当然だというよう。






・・・新一達からは離れる。そう決めた小五郎だがそれならと次に考えたのはどこに行くのかということと、蘭をどうするのかという事だった。ただ蘭に関してであるがこれは英理に頼むことはすぐに考え付いた。今は距離は離れているが英理も蘭の事は好きであることや、任せるなら英理以外にないということでだ。

だがそれで米花町から離れるから蘭を頼む・・・なんて言われてあっさりはいそうしますと言うような性格ではないことを承知していたから、英理に時間を取ってほしいと頼んで周りに聞かれないよう阿笠と三人で会うようにし・・・新一達との事についてを話していった。勿論証拠が無ければ英理も納得しないだろうということから、いくつかレコーダーに録音した音声ファイルを持っていく形でだ。

それらを受けて英理も最初は懐疑的だったが、音声ファイルまでもを聞いたことにより英理も絶句せざるを得なかった。そして理解せざるを得なかった・・・確かに状況が進んで組織を壊滅させることに新一が元に戻れる可能性は高まっているのだろうが、このまま行けばもう後は小五郎に待ち受ける未来はとても明るい物ではないのだろうと。

そしてそこまで聞いた英理は小五郎の言うように蘭を受け入れることにすると頷いた。その上で自分も何も知らないフリをして、追求を避けることにすると・・・ただそこから米花町を離れるのはともかくどこに身を寄せるのかと英理が聞くと、もう数日前には叔父の元に許可を取って行くことにしてあると小五郎は返した。一連の事については説明してあると。

その答えに英理もだが阿笠も言っていいのかと驚いた物だが、事情が事情なだけに下手に誤魔化しを入れて話しても新一達が何か追求してきたら面倒だったから・・・ということでは無く、そもそも叔父には時折新聞に載るような活躍は本当に俺の物なのかと疑われていた上で、身を寄せたいと言ってきたのもそこからではないかと見抜かれてしまい、その理由を話せないなら受け入れないと言われたから話した・・・と小五郎が返すと二人は驚愕してしまうしかなかった。あまり会ってもいないどころか普段連絡すら取ってない叔父が小五郎の活躍を訝しみ、電話だけでそれらを見抜いてしまった慧眼に。

ただそれでも叔父にはちゃんと許可をもらったから身を寄せる事は出来るし、叔父という立場の人物なら全くの他人より断然に信用出来るということ・・・そして叔父さんも叔父さんで話を聞いてわざわざ自分も厄介事に巻き込まれるつもりはないから、何か言われても知らないフリをしてやると言ってくれたことから叔父の元に行っても問題ないと小五郎から言われたことで、二人もそれならと納得することにした。阿笠は勿論だが英理も会ったことがない相手ではあるが、ろくに会ってない小五郎の状態を見抜ける程の慧眼や冷静さを感じさせる話し口に、親戚だからこそ受け入れられたという部分はあれどもそういった人物なら大丈夫だろうというよう。









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