曇りを晴らした先に道化の探偵は覚醒する
・・・そうして小五郎の発案から阿笠は内密にアパートで作業する事が増えたのだが、それが正解というように考えられるようになっていったのが新一が次第に知り合いを増やしていく様子からであって、むしろそうしていなかったら手詰まりになっていた危険性を感じさせる事態になったのが灰原の事を守るという名目で、阿笠邸を盗聴する事にしたFBIの人間が変装して工藤邸を住処とするように新一がしたことにあった。
この辺りで新一の知り合いというか事情を知る者だったり協力しあえる人物達が増えてきていることに関しては、事態を進ませるならそうならない方がおかしいんだと小五郎は言った。新一としては立派に自分のみの力でやってると疑っていないのだろうが、どうやっても組織という複数の人間が相手になる以上誰かを頼る以外にないのに、それで誰かの協力を得られても自分だけでやっているなんて事にはならない・・・仮に自分の力でどうにかした結果だからと言い訳にしようが、博士以外の誰にも何も言わず協力も突っぱねるのが当然だろうと。
その新一に対する言葉に阿笠はどうにか擁護したいといった様子になったのだが、組織を追うために新一がヘマをしてあと一歩で小五郎が死んでいたかもしれないという状況だった事を切り出されたことにより、すぐさま言葉を引っ込める事になった・・・阿笠からレコーダーを渡された新一は意図を説明されて確かにと思ったことから、何があったからそれを作ったのかを考えることなく事件が起きたら持っていける場面では必ずレコーダーを使うようになったのだが、その時の音声を聞いた上で阿笠が新一と話し合って何とか上手くいったと笑顔を浮かべていた事も含めて小五郎に話すと・・・かつてのように無表情で熱のない声を漏らした様に、流石に自分の命を天秤にかけられては即決で許せる筈ないと阿笠も理解出来たのであり、同時にそれと同等レベルで小五郎が新一の一人でやる事の姿勢をいただけないと感じていると見たのだ。
だからそこに関しては阿笠は小五郎との会話の中では触れないようにしていったのだが・・・話を戻すと、そういったFBIの人間の行動により阿笠も小五郎関連の事は盗聴されないようにと下手な事を家で口走ることすら警戒するようになり、小五郎もそういうことなら仕方無いとなったのである。ここで下手に新一達にバレないようにするためにも警戒を強めるのは当然だと。
「ま、そこについちゃ今更だから仕方ねぇが・・・そろそろ新一達が最終決戦に取り掛かろうとしてるってのは確かなのか?」
「うむ・・・ワシも関わっているということから話をされたが、時は近いと言われたんじゃ。奴らを一斉に検挙する日は近いと。まぁワシは直接その現場に向かうわけではないが、その場には事実を知った蘭君も共に向かうと張り切っておる・・・だからその時が毛利君にとっての転機となるが、本当に気持ちを変えるつもりはないのかのぅ・・・?」
「ねーよ、あるわけねー。むしろここ以外に俺が探偵を辞めるのもそうだが米花町を離れなきゃ、そうするのなんて認めねぇって蘭や新一達から言われるのは目に見えてる。そうなりゃ俺が『江戸川コナン』がいなくなった後名探偵じゃなくなるっつーのに、そうなってもあいつらは自分のせいじゃなく元の駄目な俺に戻っただけだって見るしかねーだろ。だがそれを我慢したいなんざ俺は全く思わねーし、何も言わねーで俺を利用したりしてきたんだ。だからアイツらが表向きに納得出来る理由を残して米花町を離れた上で、もう俺は自分からはアイツらとは会わねぇ・・・それがアイツらに対しての俺が本音も何も言わねーで済ませてきた事に対する事の答えだ」
「・・・もう変わらんのじゃな、そう決めたことは・・・」
そんな会話から小五郎が最終決戦についての話題になると阿笠は考え直して欲しいというよう伺うような声を向けるが、全く迷う様子を見せずにキッパリと言い切る姿に力無く頭を横に振った。小五郎はもう考えを固めてどう言われても揺るがないという様子を確認して。
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この辺りで新一の知り合いというか事情を知る者だったり協力しあえる人物達が増えてきていることに関しては、事態を進ませるならそうならない方がおかしいんだと小五郎は言った。新一としては立派に自分のみの力でやってると疑っていないのだろうが、どうやっても組織という複数の人間が相手になる以上誰かを頼る以外にないのに、それで誰かの協力を得られても自分だけでやっているなんて事にはならない・・・仮に自分の力でどうにかした結果だからと言い訳にしようが、博士以外の誰にも何も言わず協力も突っぱねるのが当然だろうと。
その新一に対する言葉に阿笠はどうにか擁護したいといった様子になったのだが、組織を追うために新一がヘマをしてあと一歩で小五郎が死んでいたかもしれないという状況だった事を切り出されたことにより、すぐさま言葉を引っ込める事になった・・・阿笠からレコーダーを渡された新一は意図を説明されて確かにと思ったことから、何があったからそれを作ったのかを考えることなく事件が起きたら持っていける場面では必ずレコーダーを使うようになったのだが、その時の音声を聞いた上で阿笠が新一と話し合って何とか上手くいったと笑顔を浮かべていた事も含めて小五郎に話すと・・・かつてのように無表情で熱のない声を漏らした様に、流石に自分の命を天秤にかけられては即決で許せる筈ないと阿笠も理解出来たのであり、同時にそれと同等レベルで小五郎が新一の一人でやる事の姿勢をいただけないと感じていると見たのだ。
だからそこに関しては阿笠は小五郎との会話の中では触れないようにしていったのだが・・・話を戻すと、そういったFBIの人間の行動により阿笠も小五郎関連の事は盗聴されないようにと下手な事を家で口走ることすら警戒するようになり、小五郎もそういうことなら仕方無いとなったのである。ここで下手に新一達にバレないようにするためにも警戒を強めるのは当然だと。
「ま、そこについちゃ今更だから仕方ねぇが・・・そろそろ新一達が最終決戦に取り掛かろうとしてるってのは確かなのか?」
「うむ・・・ワシも関わっているということから話をされたが、時は近いと言われたんじゃ。奴らを一斉に検挙する日は近いと。まぁワシは直接その現場に向かうわけではないが、その場には事実を知った蘭君も共に向かうと張り切っておる・・・だからその時が毛利君にとっての転機となるが、本当に気持ちを変えるつもりはないのかのぅ・・・?」
「ねーよ、あるわけねー。むしろここ以外に俺が探偵を辞めるのもそうだが米花町を離れなきゃ、そうするのなんて認めねぇって蘭や新一達から言われるのは目に見えてる。そうなりゃ俺が『江戸川コナン』がいなくなった後名探偵じゃなくなるっつーのに、そうなってもあいつらは自分のせいじゃなく元の駄目な俺に戻っただけだって見るしかねーだろ。だがそれを我慢したいなんざ俺は全く思わねーし、何も言わねーで俺を利用したりしてきたんだ。だからアイツらが表向きに納得出来る理由を残して米花町を離れた上で、もう俺は自分からはアイツらとは会わねぇ・・・それがアイツらに対しての俺が本音も何も言わねーで済ませてきた事に対する事の答えだ」
「・・・もう変わらんのじゃな、そう決めたことは・・・」
そんな会話から小五郎が最終決戦についての話題になると阿笠は考え直して欲しいというよう伺うような声を向けるが、全く迷う様子を見せずにキッパリと言い切る姿に力無く頭を横に振った。小五郎はもう考えを固めてどう言われても揺るがないという様子を確認して。
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