領域を踏み荒らす者に渡す報い

「・・・・・・そうだよ。俺は工藤新一だ・・・」
「・・・ようやく認めたか」
そしてようやく諦めざるを得ない状況になったと理解したと言ったよう自分は新一と口調を戻すその様子に、呆れたような表情を浮かべる。
「さて、そう認めたからにはお前がそうなった事情と経緯についてを話していってもらおう。一応阿笠さんから話は聞いているが、カミーユは詳しくは聞いていないし話をしている間に気持ちを落ち着ける為にもな」
「・・・分かった、話をする・・・」
ただまだ話はしろと言うルルーシュに、新一は歯向かう気力も誤魔化す気力もないとばかりに力ない声で了承した。






・・・それで新一から話される自分が小さくなった時の経緯についてを二人は黙って聞いた。蘭とのデートでトロピカルランドに行って事件に巻き込まれその事件解決後、容疑者の中にいた黒ずくめの男の行動を怪しんで蘭と離れて後をつけたら怪しい取引を目撃し、連れの男に背後から頭を殴られ新しい毒薬を飲まされ気が付いたら・・・自分が子どもの体になったという経緯を。






「・・・それで家に戻った時に博士に会って、事情を説明して話をしている最中に蘭が来て、博士がおっちゃんの所に行くようにって誘導したんだ。探偵のおっちゃんの元にいれば奴らに繋がる情報も手に入る可能性がある・・・そう言った博士の考えに乗っかる形でな」
「「っ・・・!」」
・・・頭を下げつつも経緯を話終えたといったような新一の言葉に、顔を上げてないからかそんなの関係無いのか・・・二人の顔の眉間には盛大に眉間にシワが寄っていた。
「・・・おい、ルルーシュ・・・これってどう言えばいいっていうか、突っ込めばいいんだ・・・?」
「言いたいことは分かる、カミーユ・・・正直、俺もどこからどう話していいのかと思っている所だ・・・」
そのままの表情で顔を見合せ話し合う二人だが、その中身は困惑と言った物であった。実際に本人から話を聞いてみた者として、何とも言いがたいといったように。
「・・・なぁ、二人とも・・・俺がこうして小さくなった事について悩んでるのか・・・?」
「・・・それも無くはない。が、俺達が言いたいのはそこではない・・・何故そんな危険極まりない組織について近付くために、わざわざ毛利さんが巻き込まれねばならんのかということだ・・・!」
「っ・・・!」
そこでようやく顔を上げて新一はそうなる理由を聞くが、理解してないといったその姿にルルーシュが怒りを滲ませながら新一を怯ませる。
「お前の立場から言えば、自分をこんな目に合わせたその男達を捕まえたいと思うのは当然だしどうにか元の体に戻りたいという気持ちになるのは当然だといった所なのだろう。だがそれを阿笠さんには明かしたと言うのに、何故蘭もそうだが毛利さんにも明かそうとしなかった?いや、そもそも後になれば明かそうという気持ちはあったのか?」
「・・・それは、後になっても蘭やおっちゃんには言うつもりはなかった・・・蘭に知られたら騒ぎにされて俺の事が公になる可能性が高いっていうのがあったし、おっちゃんに言っても信用されるかどうかもだし警察に任せればいいことだとか父さん達に言えばいいって協力してくれなくて取り合ってもくれねぇって思って・・・」
「だから毛利さんの事務所に入り込み、その黒ずくめの男達の行方に情報を探るかもしくは待とうとしていたと言うのか・・・!」
そのまま何故毛利親子に言わなかったのかの問うと、視線を背けながらその訳を話す新一にルルーシュは更に苛立ち歯を噛み締める。









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