この要求にどういうことかと阿笠は聞いたのだが、これから新一が元に戻るまでにどれだけ事件に出会って麻酔銃を撃ってくるかは分からないが、もう事実を知っている自分が今後も何度も眠らされて起きたら事件の事を何も知らない状態でいるのはもしかしての事態になりかねないこともあるが、何より麻酔銃を撃たれ続けたら麻酔が体に残る可能性を考えてとの事だった。博士は大丈夫と思うかもしれないが、事件に会う頻度次第じゃ有り得ない事はないんじゃないかと危惧してと。

それらの言葉に阿笠も納得するしかなかったし、麻酔の事に関しては確かに事件に出会う頻度次第ではまずくなる可能性も有り得ると思ったことから、新一には毛利君用の針と他の人に撃つ用の針を分けるように用意するからちゃんと守って使うよう、厳命するよう言うと告げた。勿論何故わざわざ分けるのかと新一は言うだろうが、そこは毛利君の年齢やこれからも探偵役になる事が多いだろうから麻酔による体の負担の軽減を考えて麻酔の成分を薄めた針を作ったが、園子君のように若かったりだとかで他の人に効くか怪しいから毛利君以外に使う時はそっちの麻酔針で撃ってくれと言うと。

それで麻酔針の事に関しては良しとなった上で、次に小五郎はパッと見でレコーダーとは分からないようなレコーダーを作ってそれを新一に渡して、事件が起きたと確信出来ただとか目当ての奴らに近付いた時にそれを毎回起動させ、音声を録音させてそれを事件が終わる度に度々提出させるようにしろと阿笠に言った。

これに関してはこれからは表面上は何も自分は知らないという体を取る上で阿笠とは秘密裏に新一関係で連絡を取り合うことにしたいと思っているが、新一の性格的に自分だけでやることをやれば博士に何も報告しなくていいといったことを考えられ、阿笠に伝えられていないことにより何か俺達にとって致命的な事が起きかねない事を懸念して、阿笠がそのレコーダーに録音された中身を度々回収して中身を改めていく事で新一に何が起こったのかを正確に把握してもらい、俺に報告してもらうためだと小五郎は説明した。

その中身に阿笠は表情を難しそうに歪めたが、そこに関しては小五郎の言うことが念には念を入れてといった物であることや、新一なら確かに自分だけが把握していればいいといったように自分にすら何も言わないまま勝手に行動しかねないのは有り得ると見て、そうするようにすると最終的には答えた。その男達関連でも勿論そうだがそうでない事件でもそれらの音声があれば何かの役に立つかもしれないだったり、記憶の中でこう言ったか言われたかだとかどうかを改めて確かめる為の材料になる可能性もあるからと。

それでそうして二つの事柄について理由を聞いてすんなりとはいかないものの納得はして頷いた訳であるが、俺がヘマをしたら俺は俺のせいだからそれは仕方無いが博士から俺の事がバレるような事になったら、どんな手段を使ってでも俺は新一達から離れるようにする・・・と言われたことには相当に阿笠は焦りを浮かべたのだが、要は失敗したらそれだけの事になると覚悟を持ってほしいと言われて納得するしかなかった。博士の性格的に気を抜いてポロッとボロを出しかねないということもそうだが、何だかんだで後で新一達の為だとか俺の為になるからみたいな考えから後で勝手な事をされるのを避ける為に、気を引き締める為だと言われたのもあってだ。

それで他に何かあればその都度都度に連絡して話すということになり、一先ずは元の生活に戻るという事になったのだが・・・次々と事態が移り変わって進んでいくことになったことに阿笠は複雑な気持ちになり、小五郎はそれらを受けて打開策を取った。









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