向けられ触れてこそ愛情は理解出来る

「その事に関してはコナン自身新一達に付いていかない生活をして依頼や事件で頭を働かせる事がなくて、普通に学校に行ってここに帰って来るって生活をしてる内に、色々と考えるようになっていったらしいんです。まだ自分は完全に落ち着いてないっていうのは分かってるけど、こんな風に探偵としての経験を積まずに安穏としていていいのかって・・・でもそんな言葉に対して悟が言ったんです。探偵になりたいって思う気持ちはいいけれど、その言い方だと探偵になって自分が解決出来る謎や事件が起きてほしいって思ってるように感じるって」
「・・・それは、そう聞いてコナンはどう反応したんですか?」
「最初はどういうことだって悟に静かでいてどこか話の中身次第じゃ許せないといったように問い掛けてたんですが、そこで事件が起きることでの経験を得たいって言っている事はそこで犠牲になってる人だとかそうするに至った動機次第じゃ、その動機で犠牲になった人達の事とかを考えてないこともだけどそれを経験の一つみたいに言うのはむしろそうなってほしいから犠牲が出て欲しいって言ってるように思えた・・・って言われて、コナンも顔を青くしてハッとした様子を浮かべたんです。端から聞くと確かにそういったように自分の発言は感じてしまうということに気付いて」
「・・・確かにコナンの発言は良くない物であるし、それを咎めた悟の言う事は間違ってはいないな・・・」
「本当はコナンちゃんを庇いたいけど、確かにそれは否定出来ないわ・・・」
それで小五郎は主にコナンと悟の間でどのような話があったのかを口にしていき、優作も有希子も悟の言っている事が正しいというのを苦くも感じたと漏らす。
「俺も二人と同じ様な気持ちになった上で悟はそんなコナンにこう続けました・・・繰り返して言うけれど探偵になりたいって気持ちを持つのはいいけれど、僕は正直探偵とかに限らず人と人の間でのいざこざの時に活躍するような仕事の人達には、そういったことで出勤することがなくて平和でいてほしいって思ってる。けど勿論そういった人達がいなきゃ問題になることが多いから探偵や警察みたいな人達がいるのは分かるんだけれど、それはいざという時に動くくらいで目の前で困ってたり助けを求められたらそうするでいいって思うんだ・・・と。そう聞いた俺は悟は本当に優しい子なんだって思った上で、コナンもその言葉にまた衝撃を受けたようにハッとしてから漏らしたんです。そう言われるとさっきの発言の事も併せて考えると、自分の事を探偵としてとかじゃなく人としてどうなのかって思ってしまったって」
「・・・探偵としてじゃなく人として・・・これは悟が探偵を目指そうとしている訳じゃないからこその考えであり、コナンはそう感じたのだろうな・・・悟と自分の感じ方の違いもだが、普通に考えれば探偵が必要とされないように平和であってほしいというのが普通の人の考え方だと・・・」
「・・・そう言われるとそんなことないなんて言えないわね・・・この人や新ちゃんにコナンちゃんがいるから事件は解決出来るんだからいつ起きても大丈夫なんて考えるより、そもそも事件や探偵に依頼するような何かが起きない方がいいって思うのは当然だって言えるし・・・」
また、更に続けられた悟の話とコナンのリアクションについてに、優作達は苦そうな顔を更に歪めつつ納得するしか出来なかった。言ってることの中身自体は理解出来るのだが・・・それが全部正しいと認めてしまうことは新一が事件や依頼の解決に役立っていることを否定する事になるのではないのかと、そう感じてしまう部分もあった為に。










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