向けられ触れてこそ愛情は理解出来る

「ただその事についてを悟にも話したんだが、自分の考えと同じ部分はありつつもお前らの問題についてもっと根幹的な事があるって返されて、その中身を聞いて俺も納得したんだよ。確かにお前らっつーかコナンが爆発したのは新一達がこういう事をしなかったからだっていうことをな」
「え・・・父さん達が何をしてないっていうんだ?」
そしてそこで悟の考えについて聞いたと口にする小五郎に、コナンはどんな考えなのかと悟に疑問に視線を向けると、そこには複雑さを滲ませた顔があった。



「・・・単純な話として今回のような事になったのは、父さんがお兄ちゃんの事を褒めなかったことが原因だって思うんだ。探偵としてもそうだけど、親としてもって意味でね」



「え・・・探偵としてもだけど、親としても褒めないことがってどういうことだ・・・?」
・・・そしてこれが核心だというように褒めないことだと意を決して口にした悟だが、コナンは訳が分からないというように首を傾げた。そんなことが理由なのかと。だが悟は分からないといったその様子に、悲しげな様子を浮かばせた。
「・・・お兄ちゃん、思い出してみてよ。お兄ちゃんはお父さんと一緒に探偵として活動してきた時もそうだけど、それ以外の仕事じゃない時でお父さんに褒められたことある?」
「え・・・っ、そ、それは・・・っ!?」
そこから悟が思い出すようにと投げ掛けた言葉に向けた言葉に訳が分からないといった様子から思い出そうとするものの、次第にその顔は残酷な事実に気付いたというようになっていった。
「・・・やっぱりそうだったんだね・・・僕が一緒にいる時以外の事は分からなかったけど、多分お父さんの性格的に普段の時でもそうだけど、探偵のことになったら尚更にお兄ちゃんの事は褒めないだろうなって・・・」
「っ・・・!」
その姿に悟も悲しげに予想していたというように漏らすのだが、いつもなら大したことではないだろうというようなリアクションを取れずただ苦み走ったように歯を噛み締めるしかなく、小五郎もまた複雑そうに眉を寄せながら口を開く。
「・・・俺も最初悟から話を聞いてコナンの事を褒めねーってどういうことなのかって思った。だが詳しく話を聞いていって確かにって思ったんだよ。さっき言ったように歳の離れた友達とかライバルって思うような風に考えるっていうことに併せて、新一の性格を考えりゃあいつはコナンの事を褒めねーだろうなってのを俺も感じたんだよ。あいつからすりゃ親としてってのもあるだろうが、探偵としての先達として上を見てもらいたいだとか調子に乗ってほしくないって気持ちや考えから、コナンの事を安易に褒めちゃいけないとでも思ってな・・・けどそういった風に甘くしないって思った結果が今回の事に繋がったんじゃないかって風に悟から聞いて、俺も納得しちまったんだ・・・コナン自身どこかで新一に褒められたいって気持ちを抱きながら動いていたのに、そういったことがないのが積もりに積もってこの前の件で爆発した結果なんだろうってな」
「っ!!」
それで言いにくそうにはしながらも小五郎が口にしていった言葉を受けていき、コナンは衝撃を受けながらも否定の言葉を口に出来ずにひきつって息を詰まらせるしかなかった・・・コナン自身否定したくともその話を簡単に否定出来ないと感じてしまっているというよう。









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