向けられ触れてこそ愛情は理解出来る

「実際俺も話を聞いたのもあるがお前と新一の接し方の様子だったりを思い返してみると、悟の言う感じが合ってるって感じていったんだよ。そう言った所でうまくいってるからだとかこれが自分達なんだからみたいな事を言って終わりだろうから、何もないならいいけど何か起こったらその時に対応しようともな」
「・・・いや、百歩譲って俺達が言って聞かないだろうっていうのはともかくにしても、何でそんな関係が駄目みたいに悟は感じたんだよ・・・?」
それで小五郎も小五郎でどう感じたのかを話していくが、コナンは悟に視線を向けて何故そう思ったのかというように問い掛けると、悟は気まずげな表情を浮かべる。
「・・・こういう事を言っていいのかって思うけど、お父さんには兄ちゃんや僕に対して親としての気持ちが無いわけじゃないとは思う。けどそれで僕に対してはともかくお父さんが兄ちゃんに対して接する様子は普通の親に対しての物じゃないんじゃないかって思うようになったんだ。お兄ちゃんがお父さんの影響もあって探偵だとか推理小説についてを好きになっていったのもあって、お父さんからしたらお兄ちゃんの事はおじいちゃんが今言ったような風に見ていくようになっていったんじゃないかってね。そしてお兄ちゃんも似たような感じになっていったんじゃないかって思うんだけど・・・」
「・・・それに関しちゃ今となってみれば大げさとかじゃないっつーか、むしろそう聞いてしっくり来た・・・確かに俺も父さんの事を別に父さんじゃないとかって風に思っちゃいないけど、どっちかっつったら今の話のような風に俺も父さんもどっかで感じてたんだろうってことは・・・」
それで気まずそうながらも自身の考えを口にしていく悟の言葉に、コナンは納得出来るというように複雑そうに漏らしていく。自分達の関係については友人やライバルの方が親子という関係より近いと思えると。
「うん・・・始めはそういった関係じゃないかって見えた時はこれは親子としての関係の形の一つって思えばいいんじゃないかなって思ったんだけど、次第にやっぱりまずいんじゃないかって思うようになっていったんだ・・・お兄ちゃんが事件が起きてお父さんに先に事件を解決されたって家に帰ってきては、不満を言っていく姿が増えていったことに」
「っ・・・!」
そんな姿を見た上で悟は何を思い見たのか・・・そう語る中での言葉にコナンはハッとした様子を浮かばせた。否定しようも出来ない事実からの行動を他ならない悟の口から聞いて。






・・・事件を先に解決された。これは当然と言えば当然と言える結果だった。確かにコナンは新一の息子だと言われるよう並大抵の大人には負けないくらいの頭脳を持っていて、今の時点ですらも警察が解けなかった謎を解決するという離れ業を見せるくらいの事をしていた。故にカエルの子はカエルというようにコナンの事は見られていた。

だがいくらコナンの能力が高かろうが年月を経た様々な経験の差から新一の能力は明らかにコナンより高く、事件を解決するのが早いのも当然と言えば当然の事ではあるのだが・・・そういったことが続くにつれて、コナンは話に出たよう悟に不満やらを口にしていく事になるのである。自分も頑張っただとかもそうだが、新一達の態度もどうかというように思うと。

そんなコナンに悟はなだめるような態度を取って度々落ち着くようにとしていったのだが、そういったことからやはりと悟は考えるようになっていった上で今回の件が起きて、改めて確信することになったのである。新一とコナンの問題に関して普通の親子としては歪だったのだと。









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