あるべき形とは何かを見失う者達と見定める者達
「ですからこそ今別室にいる蘭さんにはそういったことの注意を伝えると共に今後工藤君と交流をしている時に、また事件に出会うような事があったら通報は真っ先にしてほしいと話すようにしているんです。毛利さんにも親として話を聞いていただき、その旨を理解してもらった上で蘭さんにそういったようにしてほしいと話してもらいたいと」
「・・・それは蘭ちゃんがそんなことにならないようにというのもあるけれど、そんな時に新一の事はもう信用ならないから・・・ということからですか・・・」
「そういった考えが全く無いとは言いませんが、今回の件についてをマスコミが報道するという情報をキャッチしたというのもあってになります」
「「・・・え?」」
故にこそ二人を分けて真剣に蘭に対しての話をしていると言う杉下に優作は新一の信用がないことを辛そうに口にするが、そこで返されたマスコミの報道との言葉に有希子もキョトンとした様子を浮かべた。
「これに関してはマスコミは何かと話題な工藤君の事をマークしていたから事件の事をキャッチしたのでしょう。マスコミからすれば工藤君は恰好のネタと言えますからね・・・ですがだからこそ今回の件が起きたことをキャッチしたマスコミはどれだけ踏み込んだ内容の記事を書くかは分かりませんが、間違いなく工藤君の負傷は取り上げるでしょうしその深度によっては工藤君が通報を遅らせていた疑惑であったりといった、とても庇いようのない事が表に出てくる可能性は大いに有り得ます。ですがそこで蘭さんが工藤君と親しい関係であるからこそ、下手に彼を庇い立てするような事であったり自分が犯人を制圧したであったりといったような事をしたとしたなら・・・」
「そうなれば新一のみならず、蘭ちゃんにまで批難の声や目が向けられかねない可能性が高い・・・だからその事について毛利さんにも聞いてもらって、蘭ちゃんに自重してもらいたいということですか・・・」
「それも勿論ありますが、下手に蘭さんが持ち上げられるような事になっても良からぬ事態が起きかねない可能性を考えてです。そんな風になったら蘭さんに何らかの言い分から腕試しと称した喧嘩を吹っ掛けられるであったりもですが、事件の際に犯人の撃退であったり犯行の邪魔をさせまいとなりふり構わない手段・・・薬を盛られるであるといったことをして排除しようというような目で見られる事も有り得ます。そう考えれば日常生活の中でも事件の中でも蘭さんはとても気の抜けない態度を常に取らなければならなくなるでしょうから、彼女は多大なストレスと疲労に悩むことになるでしょうが・・・そういったことからの癇癪であったり空手を用いた際の事故が起これば、こぞってマスコミは取り上げていくことになるでしょう。そうなれば蘭さんのその後はとても明るい物とは言えなくなるでしょうね」
「「っ・・・」」
杉下は新一の事からマスコミは嗅ぎ付けたのだろうと言った上でいかな事になる可能性があるかを二つのパターンに分けて話していくのだが、その中身に表情を苦く崩す以外になかった。どちらもそんなこと大丈夫などと言えるような安穏とした物ではなかった為に。
・・・こうも二人が否定出来ず苦心といった様子になるのは新一と違い、蘭がマスコミと平気で付き合い続けるなんてことが出来るような人物ではないという確信があったからだ。空手の腕は立つし大会の人前であがるというような性格ではないが、だからといってそれで工藤一家程にマスコミに慣れている訳では無いしストレスを感じるだろう性格をしていると。
だから新一の事もあってマスコミと付き合い続けるとなったら、いずれ蘭が取り返しのつかない爆発をしかねない可能性を杉下の話から二人は感じてしまったのだ。絶対に蘭ならそんなことをしないと言い切れないと。
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「・・・それは蘭ちゃんがそんなことにならないようにというのもあるけれど、そんな時に新一の事はもう信用ならないから・・・ということからですか・・・」
「そういった考えが全く無いとは言いませんが、今回の件についてをマスコミが報道するという情報をキャッチしたというのもあってになります」
「「・・・え?」」
故にこそ二人を分けて真剣に蘭に対しての話をしていると言う杉下に優作は新一の信用がないことを辛そうに口にするが、そこで返されたマスコミの報道との言葉に有希子もキョトンとした様子を浮かべた。
「これに関してはマスコミは何かと話題な工藤君の事をマークしていたから事件の事をキャッチしたのでしょう。マスコミからすれば工藤君は恰好のネタと言えますからね・・・ですがだからこそ今回の件が起きたことをキャッチしたマスコミはどれだけ踏み込んだ内容の記事を書くかは分かりませんが、間違いなく工藤君の負傷は取り上げるでしょうしその深度によっては工藤君が通報を遅らせていた疑惑であったりといった、とても庇いようのない事が表に出てくる可能性は大いに有り得ます。ですがそこで蘭さんが工藤君と親しい関係であるからこそ、下手に彼を庇い立てするような事であったり自分が犯人を制圧したであったりといったような事をしたとしたなら・・・」
「そうなれば新一のみならず、蘭ちゃんにまで批難の声や目が向けられかねない可能性が高い・・・だからその事について毛利さんにも聞いてもらって、蘭ちゃんに自重してもらいたいということですか・・・」
「それも勿論ありますが、下手に蘭さんが持ち上げられるような事になっても良からぬ事態が起きかねない可能性を考えてです。そんな風になったら蘭さんに何らかの言い分から腕試しと称した喧嘩を吹っ掛けられるであったりもですが、事件の際に犯人の撃退であったり犯行の邪魔をさせまいとなりふり構わない手段・・・薬を盛られるであるといったことをして排除しようというような目で見られる事も有り得ます。そう考えれば日常生活の中でも事件の中でも蘭さんはとても気の抜けない態度を常に取らなければならなくなるでしょうから、彼女は多大なストレスと疲労に悩むことになるでしょうが・・・そういったことからの癇癪であったり空手を用いた際の事故が起これば、こぞってマスコミは取り上げていくことになるでしょう。そうなれば蘭さんのその後はとても明るい物とは言えなくなるでしょうね」
「「っ・・・」」
杉下は新一の事からマスコミは嗅ぎ付けたのだろうと言った上でいかな事になる可能性があるかを二つのパターンに分けて話していくのだが、その中身に表情を苦く崩す以外になかった。どちらもそんなこと大丈夫などと言えるような安穏とした物ではなかった為に。
・・・こうも二人が否定出来ず苦心といった様子になるのは新一と違い、蘭がマスコミと平気で付き合い続けるなんてことが出来るような人物ではないという確信があったからだ。空手の腕は立つし大会の人前であがるというような性格ではないが、だからといってそれで工藤一家程にマスコミに慣れている訳では無いしストレスを感じるだろう性格をしていると。
だから新一の事もあってマスコミと付き合い続けるとなったら、いずれ蘭が取り返しのつかない爆発をしかねない可能性を杉下の話から二人は感じてしまったのだ。絶対に蘭ならそんなことをしないと言い切れないと。
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