救う者と救われるもの 第十一話
そしてデオ峠を抜けた二人は再びアクゼリュスの地へと足を踏み入れた。
「順調のようだな」
アクゼリュスにいる人達の様子を見てジューダスは呟く。もしまだ重要な作業、つまり救出作業が終わっていないとしたら兵士達の様子は確実に多少は焦りで浮足立っているだろう。しかし兵士の様子を見るに、住民との連携を忘れずにきびきびした動きで活動している。
「デオ峠で見た兵士と住民の人数よりも確実に少ない・・・これで最後だというのは間違いではないな」
兵士の話が間違いではなかったと確信をするジューダス。するとこちらにパイロープが気付いたようで、こちらに近付いてきた。
「おお!あなた方は!」
「パイロープさん!」
「あなた方のおかげでここの皆は無事に退去することが出来ました!ありがとうございます!」
「皆?もう住民の最終確認は終わったのか?」
「もう後少しといった所です。坑道の中はあなた方が来られた時に見てしまったのですが、一応の最終確認は取ろうかと思いまして何本かの坑道を残しているだけです」
坑道、その言葉を聞いてルークは不惑の表情になりながら話を切り出す。
「すみません、いいですか?俺ちょっと気になる事があるんでちょっと第14坑道まで行ってきます。少ししたら戻りますから」
「はい、わかりました」
パイロープからの了承の返事を聞くとルークはすぐさま走って行った。
「・・・すまないが僕も行かせてもらう」
そのルークの様子を見たジューダスは一体何事なのかと思いながらも、ルークの後を追い掛けようとパイロープに断りを入れて走って行った。
そして第14坑道に入り、セフィロトへと続く扉の前まで来たルーク。その顔には前来た時同様に困惑の表情が浮かび上がっていた。
「やっぱり・・・」
「何がやっぱりだ?」
「うわっ!ジューダス・・・」
いきなり後ろからかかってきた声に、驚きながらルークは振り返る。
「確か前もここで何か考えていたようだが、一体何があるんだ?」
「・・・最初は一瞬だったから勘違いかなって思ったんだけど、この扉の前に近づけば近づく程に熱くなるんだ」
「熱くなる?何がだ」
ジューダスの声にルークは左手を顔の前に掲げながら答える。
「指輪が・・・熱いんだ。ほら、こんなに・・・」
ジューダスに左手を近付けて触ってみるようにと促すルーク、それを受けてジューダスがルークの指を覆うように指輪に触れると、無機質な金属にはありえない熱をジューダスも感じ取った。
その異常を感じ、ジューダスにはある仮定が生まれていた。
「・・・もしかして、この指輪は扉を開けるようにと言ってきているんじゃないのか?」
「え?でもこの扉、ダアト式封呪で封印されてるからイオン以外には開けないんじゃあ・・・」
「僕が言っているのはあくまでも仮定だ。だが指輪からの主張が何かということとを考えてみても僕にはそれ以外に検討がつかん」
「・・・わかったよ、ちょっとやってみる」
ジューダスの言葉を受けてルークは扉の前に立ち、真剣に念じ始める。
(・・・もし扉が開くようなら、少し急いでもいいかもな)
ルークの後ろ姿を見ながらジューダスは考える。指輪がルークの考え無しに何かを訴える事などなかった。そのことから仮定はほぼ確信であるとジューダスは思い、次の方向指針を早めるために色々思考を張り巡らせていった。
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「順調のようだな」
アクゼリュスにいる人達の様子を見てジューダスは呟く。もしまだ重要な作業、つまり救出作業が終わっていないとしたら兵士達の様子は確実に多少は焦りで浮足立っているだろう。しかし兵士の様子を見るに、住民との連携を忘れずにきびきびした動きで活動している。
「デオ峠で見た兵士と住民の人数よりも確実に少ない・・・これで最後だというのは間違いではないな」
兵士の話が間違いではなかったと確信をするジューダス。するとこちらにパイロープが気付いたようで、こちらに近付いてきた。
「おお!あなた方は!」
「パイロープさん!」
「あなた方のおかげでここの皆は無事に退去することが出来ました!ありがとうございます!」
「皆?もう住民の最終確認は終わったのか?」
「もう後少しといった所です。坑道の中はあなた方が来られた時に見てしまったのですが、一応の最終確認は取ろうかと思いまして何本かの坑道を残しているだけです」
坑道、その言葉を聞いてルークは不惑の表情になりながら話を切り出す。
「すみません、いいですか?俺ちょっと気になる事があるんでちょっと第14坑道まで行ってきます。少ししたら戻りますから」
「はい、わかりました」
パイロープからの了承の返事を聞くとルークはすぐさま走って行った。
「・・・すまないが僕も行かせてもらう」
そのルークの様子を見たジューダスは一体何事なのかと思いながらも、ルークの後を追い掛けようとパイロープに断りを入れて走って行った。
そして第14坑道に入り、セフィロトへと続く扉の前まで来たルーク。その顔には前来た時同様に困惑の表情が浮かび上がっていた。
「やっぱり・・・」
「何がやっぱりだ?」
「うわっ!ジューダス・・・」
いきなり後ろからかかってきた声に、驚きながらルークは振り返る。
「確か前もここで何か考えていたようだが、一体何があるんだ?」
「・・・最初は一瞬だったから勘違いかなって思ったんだけど、この扉の前に近づけば近づく程に熱くなるんだ」
「熱くなる?何がだ」
ジューダスの声にルークは左手を顔の前に掲げながら答える。
「指輪が・・・熱いんだ。ほら、こんなに・・・」
ジューダスに左手を近付けて触ってみるようにと促すルーク、それを受けてジューダスがルークの指を覆うように指輪に触れると、無機質な金属にはありえない熱をジューダスも感じ取った。
その異常を感じ、ジューダスにはある仮定が生まれていた。
「・・・もしかして、この指輪は扉を開けるようにと言ってきているんじゃないのか?」
「え?でもこの扉、ダアト式封呪で封印されてるからイオン以外には開けないんじゃあ・・・」
「僕が言っているのはあくまでも仮定だ。だが指輪からの主張が何かということとを考えてみても僕にはそれ以外に検討がつかん」
「・・・わかったよ、ちょっとやってみる」
ジューダスの言葉を受けてルークは扉の前に立ち、真剣に念じ始める。
(・・・もし扉が開くようなら、少し急いでもいいかもな)
ルークの後ろ姿を見ながらジューダスは考える。指輪がルークの考え無しに何かを訴える事などなかった。そのことから仮定はほぼ確信であるとジューダスは思い、次の方向指針を早めるために色々思考を張り巡らせていった。
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