救う者と救われるもの 第十一話
皆がそれぞれの思いを胸にルーク達に追い付く事を決心したそのころ、ルーク達はカイツールヘと到着したところであった。
「ルーク様!!」
「アルマンダイン伯爵!!」
船が港につけられたと同時に、ルークとジューダスは一刻も早くと船を降りる。そこにアルマンダインが待っていたと言わんばかりに、二人の所に飛び出してきた。
「手紙、読んでくれましたか!?」
「はい、陛下からの正式な許可が下りたとの報告をアクゼリュスの代表者に話しましたら大層喜んでいたそうです。そしてその手紙を受けて港の兵に合わせて、国境の兵士も動員してアクゼリュスヘと向かわせました」
ルーク達はバチカルを出発する前にアルマンダインヘと成功の知らせの鳩を先に送っていた。アクゼリュス救援は正に時間との勝負、少しでもタイムロスを避けるためと住民の負担を避けるためと六神将ヘの目がこちらに向かう前に事を進めるためにとジューダスが献策したものである。
「先に重症患者を治療していきましたのが効きまして、移動に苦労したのは最初だけでした。その人達から後は症状の軽い者達やまだ症状が出ていない者達ばかりでしたので、思いの外早く国境に住民達を全員移動させる事が出来てます」
「後どれくらいの人達がいるんですか?」
「兵からの報告によれば、後二回程で全住民達を国境に移せるとのことでございます」
「・・・わかりました。それとこれを預かってもらっていいですか?」
そういうとルークは陛下から手渡された三つの書簡を取り出し、アルマンダインヘと手渡す。
「俺達はこれからアクゼリュスに向かいます。だから伯爵には住民受け入れの手続きと、和平の為の書簡をマルクトに届けさせるための手続きをお願いしたいんです」
「成る程、わかりました。その役目、確かに引き受けました」
「ありがとうございます。じゃあ俺達はこれで・・・」
その返事を聞いたルークは足早にジューダスとともに港を後にしていった。
「幸運をお祈りしておりますぞ・・・」
ルーク達の後ろ姿を見て敬礼を行うアルマンダイン並びに、兵士一同。一糸乱れぬ敬礼には皆同じ揺るぎない想いがルーク達に向けられていた。
「後は二回程アクゼリュスの人達を国境に連れていけばいいんだよな?ジューダス」
「あぁ、そうすればアクゼリュスは崩落したとしても住民の命は誰ひとり失われる事はない。従ってヴァン達の目論見は外れる事になる・・・だが正直、上手く行き過ぎている気がしないでもないがな」
「え?それってどういう事なんだ?」
「僕の経験上だが、浮かれていると予想も出来ん事が時たま自分に襲い掛かる事があった。杞憂だろうが、こういう時ほど何か起こりやすい気がしてな」
「・・・なんかジューダスが言うと、すごいそんな気がするなぁ・・・」
「ただの予感だ・・・くだらない事に時間を使ってしまったな。急ぐか」
「・・・うん」
会話を終えると、無口になって足を早める二人。だが予感を口走ったジューダスもそれを聞いたルークも何か言い知れない不安を感じていた。
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「ルーク様!!」
「アルマンダイン伯爵!!」
船が港につけられたと同時に、ルークとジューダスは一刻も早くと船を降りる。そこにアルマンダインが待っていたと言わんばかりに、二人の所に飛び出してきた。
「手紙、読んでくれましたか!?」
「はい、陛下からの正式な許可が下りたとの報告をアクゼリュスの代表者に話しましたら大層喜んでいたそうです。そしてその手紙を受けて港の兵に合わせて、国境の兵士も動員してアクゼリュスヘと向かわせました」
ルーク達はバチカルを出発する前にアルマンダインヘと成功の知らせの鳩を先に送っていた。アクゼリュス救援は正に時間との勝負、少しでもタイムロスを避けるためと住民の負担を避けるためと六神将ヘの目がこちらに向かう前に事を進めるためにとジューダスが献策したものである。
「先に重症患者を治療していきましたのが効きまして、移動に苦労したのは最初だけでした。その人達から後は症状の軽い者達やまだ症状が出ていない者達ばかりでしたので、思いの外早く国境に住民達を全員移動させる事が出来てます」
「後どれくらいの人達がいるんですか?」
「兵からの報告によれば、後二回程で全住民達を国境に移せるとのことでございます」
「・・・わかりました。それとこれを預かってもらっていいですか?」
そういうとルークは陛下から手渡された三つの書簡を取り出し、アルマンダインヘと手渡す。
「俺達はこれからアクゼリュスに向かいます。だから伯爵には住民受け入れの手続きと、和平の為の書簡をマルクトに届けさせるための手続きをお願いしたいんです」
「成る程、わかりました。その役目、確かに引き受けました」
「ありがとうございます。じゃあ俺達はこれで・・・」
その返事を聞いたルークは足早にジューダスとともに港を後にしていった。
「幸運をお祈りしておりますぞ・・・」
ルーク達の後ろ姿を見て敬礼を行うアルマンダイン並びに、兵士一同。一糸乱れぬ敬礼には皆同じ揺るぎない想いがルーク達に向けられていた。
「後は二回程アクゼリュスの人達を国境に連れていけばいいんだよな?ジューダス」
「あぁ、そうすればアクゼリュスは崩落したとしても住民の命は誰ひとり失われる事はない。従ってヴァン達の目論見は外れる事になる・・・だが正直、上手く行き過ぎている気がしないでもないがな」
「え?それってどういう事なんだ?」
「僕の経験上だが、浮かれていると予想も出来ん事が時たま自分に襲い掛かる事があった。杞憂だろうが、こういう時ほど何か起こりやすい気がしてな」
「・・・なんかジューダスが言うと、すごいそんな気がするなぁ・・・」
「ただの予感だ・・・くだらない事に時間を使ってしまったな。急ぐか」
「・・・うん」
会話を終えると、無口になって足を早める二人。だが予感を口走ったジューダスもそれを聞いたルークも何か言い知れない不安を感じていた。
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