救う者と救われるもの 第八話

「さて、情報交換も終えた事ですし、私達は上に戻りましょう」
三人の了承をとったことと、自分達の知りうる情報を伝えた事でジェイドはこれで十分だと判断し、ガイとナタリアを連れて上に行こうと促す。
「待て、死霊使い。ひとつ答えろ」
そこにアッシュから制止の声がかかる。
「なんですか?」
「どういう意図があってケセドニアにいるのか分からないのはまだいい、だがルーク達が戻ってくるのはいつごろになるかの予想はつかないのか?」
「・・・そうですねぇ、手紙の内容から察しても最低三日程度は時間をとると思われます。長くても二週間程度でしょう」
「・・・そうか」
「何故そのような事を聞かれますの?」
「いや・・・当てもなく待つのは気が滅入るんでな。俺はしばらくタルタロスにいなければならん」
アッシュも実際ルークに会えていればこの時点ではバチカルの中にまで入る予定はなかった、それに加え現在もリグレット達から離れて行動している。これ以上勝手な行動を取ればリグレット達からの制止がかかる、そう考えアッシュはタルタロスで待つ時間の目安をジェイドに聞いたのだ。
「質問はもうよろしいですか?では私達はこれで失礼しますよ」
「あぁ」
アッシュの返答を聞くと、ジェイド達三人は部屋から出ていった。



「・・・ふぅ」
誰もいなくなった部屋で溜め息を漏らすアッシュ。
「予想以上に厄介な事になったな・・・」
ある程度の困難は覚悟していたが、全く自分の考えていない展開しか起こってこない。アッシュは頭を抱えこみながら、その部屋を後にしていった。




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