救う者と救われるもの 第六話
「・・・という訳で俺達もルークと合流出来ていないんだ」
「・・・ジューダス、か。俺も聞いた事はないな・・・」
ガイの説明も終わり、アッシュはジューダスという名を自分の記憶の中から呼び起こしている。
「それでか・・・アリエッタが泣かずにいた理由は・・・」
「アリエッタ?」
「ああ、前はタルタロスを襲撃した後にライガがあいつの所に来た瞬間手もつけられない程に泣いていたんだ・・・」
「誰もかれも救いたい、それがルークの望みなんですよ・・・ですが、このままルークの居場所がわからないままでは話になりません・・・アッシュ、あなたはこれからどうするのですか?」
「・・・俺は元々ここでお前らと合流して行こうと思っていた。だから俺はお前らと・・・」
「待って下さい、アッシュ。あなたはまだ六神将として動いてもらいます」
「・・・何?」
ピクッと眉を上げ、ジェイドの言葉にいぶかしんだ様子を見せるアッシュ。
「私達はルークがどこにいるのかを知りません。ですが、アッシュ。あなたなら今六神将として単独行動を取れます。それを利用してルークを探して接触して欲しいんですよ」
「・・・そういう事か」
「ええ、そういう事です。それに私達と一緒に行けばルークを追い掛けるだけの形になってしまいます・・・正直な所、誰かにルークの足を止めてもらいたかった所なんです」
ジェイドに似合わない若干弱気な発言、彼の頭と言えどルークとの接触は難しいと思ってたのが分かる。
「・・・わかった。ならば俺は先に行き、ルークの捜索に向かう」
そんなジェイドの発言を受け、アッシュはその申し出を了承で返した。
「そうしていただけると助かります」
「それでは俺は先に行かせてもらうぞ」
そういうと、アッシュはその場から走って去っていった。
「あいつ・・・変わったな・・・」
「ええ、そうね・・・」
ガイとティアがそう思うのも無理はない。以前はレプリカと呼んでいたルークの事を名前で呼ぶようになり、そのルークを今では心配までするようになった。
「ルークと決着をつけれてふっきれたのでしょう。過去に縛られ、前に目を向けていなかった。しかし今はまだ見ぬ未来を掴むため、前を向き始めた。彼もまた変わってきているんですよ、変わったのではなく・・・さ、それでは戻りましょう。これ以上イオン様達を待たせる訳にはいきません」
「そうだな、行くか」
「はい」
話を終えた三人はまた宿の中へと足を運んでいった。
「やぁ、すみません。少し時間がかかってしまいました」
ドアを開けた瞬間、笑みを浮かべながらジェイドが明るく喋る。
「もういいのですか?」
「はい、すみません。時間を取らせてしまって」
「いえ、いいんですよ。大分休憩にもなりましたし。では出発しましょう」
「はい、では行きましょうか」
イオンの言葉で全員が宿を出て一行は国境を越える。道を歩いている最中、アニスがティアに近付いて小声で話しかけてきた。
「・・・アッシュには会えたの?ティア」
「・・・!・・・知ってたの、アニス?」
「だって前に大佐が知り合いなんて言葉一言も言わなかったんだもん。だから多分アッシュかな~って」
まさかアニスがそれを察していると思わなかったティアは驚きを表情に分かりやすい程、全面に押し出している。
「でも大佐はアッシュとどんな話をしたの?私にも教えて欲しいな~」
「・・・え、えぇ」
土産話とはそういう意味だったのかと、ティアはそう思いながらも経緯を説明しだした。
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「・・・ジューダス、か。俺も聞いた事はないな・・・」
ガイの説明も終わり、アッシュはジューダスという名を自分の記憶の中から呼び起こしている。
「それでか・・・アリエッタが泣かずにいた理由は・・・」
「アリエッタ?」
「ああ、前はタルタロスを襲撃した後にライガがあいつの所に来た瞬間手もつけられない程に泣いていたんだ・・・」
「誰もかれも救いたい、それがルークの望みなんですよ・・・ですが、このままルークの居場所がわからないままでは話になりません・・・アッシュ、あなたはこれからどうするのですか?」
「・・・俺は元々ここでお前らと合流して行こうと思っていた。だから俺はお前らと・・・」
「待って下さい、アッシュ。あなたはまだ六神将として動いてもらいます」
「・・・何?」
ピクッと眉を上げ、ジェイドの言葉にいぶかしんだ様子を見せるアッシュ。
「私達はルークがどこにいるのかを知りません。ですが、アッシュ。あなたなら今六神将として単独行動を取れます。それを利用してルークを探して接触して欲しいんですよ」
「・・・そういう事か」
「ええ、そういう事です。それに私達と一緒に行けばルークを追い掛けるだけの形になってしまいます・・・正直な所、誰かにルークの足を止めてもらいたかった所なんです」
ジェイドに似合わない若干弱気な発言、彼の頭と言えどルークとの接触は難しいと思ってたのが分かる。
「・・・わかった。ならば俺は先に行き、ルークの捜索に向かう」
そんなジェイドの発言を受け、アッシュはその申し出を了承で返した。
「そうしていただけると助かります」
「それでは俺は先に行かせてもらうぞ」
そういうと、アッシュはその場から走って去っていった。
「あいつ・・・変わったな・・・」
「ええ、そうね・・・」
ガイとティアがそう思うのも無理はない。以前はレプリカと呼んでいたルークの事を名前で呼ぶようになり、そのルークを今では心配までするようになった。
「ルークと決着をつけれてふっきれたのでしょう。過去に縛られ、前に目を向けていなかった。しかし今はまだ見ぬ未来を掴むため、前を向き始めた。彼もまた変わってきているんですよ、変わったのではなく・・・さ、それでは戻りましょう。これ以上イオン様達を待たせる訳にはいきません」
「そうだな、行くか」
「はい」
話を終えた三人はまた宿の中へと足を運んでいった。
「やぁ、すみません。少し時間がかかってしまいました」
ドアを開けた瞬間、笑みを浮かべながらジェイドが明るく喋る。
「もういいのですか?」
「はい、すみません。時間を取らせてしまって」
「いえ、いいんですよ。大分休憩にもなりましたし。では出発しましょう」
「はい、では行きましょうか」
イオンの言葉で全員が宿を出て一行は国境を越える。道を歩いている最中、アニスがティアに近付いて小声で話しかけてきた。
「・・・アッシュには会えたの?ティア」
「・・・!・・・知ってたの、アニス?」
「だって前に大佐が知り合いなんて言葉一言も言わなかったんだもん。だから多分アッシュかな~って」
まさかアニスがそれを察していると思わなかったティアは驚きを表情に分かりやすい程、全面に押し出している。
「でも大佐はアッシュとどんな話をしたの?私にも教えて欲しいな~」
「・・・え、えぇ」
土産話とはそういう意味だったのかと、ティアはそう思いながらも経緯を説明しだした。
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