救う者と救われるもの epilogue
平和な日々を暮らしながら三年、子供の扱いにも大分慣れたジューダスは今や立派なデュナミス孤児院の一員となっている。
そしてジューダスとカイルがいる場所、それはデュナミス孤児院の中にあるベランダへと続く一室であった。ここにいた理由は洗濯物を干す為である。
「早い物だな・・・」
「うん・・・」
一通り思い出し終わり、ジューダスとカイルは図らずもその部屋に飾られている仮面を同時に見る。
「・・・今更だが、何故スタンはこの仮面を買ったんだ?」
「アハハ・・・それは俺にも分からないよ。母さんも父さんがこの仮面買ってきた時は結構怒ってたし、無駄遣いしてって。ただ俺は偶然でも父さんがこの仮面を買ってくれて良かったって思ったよ、ジューダスにまた会えたんだからね」
「・・・フン」
元々ジューダスが被っていたこの仮面を買ったのはカイルではなく、スタン。後でそうだと知って奇妙な巡り会わせだとジューダス自身感じながら仮面に疑問の目を向けるが、カイルはいたって明るく返す。
余談だがルーティはジューダスの仮面について、使い道があまりにも無さ過ぎた事と孤児院の飾りにするにはあまりにも向かないそのフォルムのせいでいつ仮面を処分するかを真剣に考えた事があった。
だがジューダスがこうやって仮面のおかげで戻ってきたかもと言われ、ルーティは仮面を処分することもなく部屋に飾る事にした。そういった視点から見ると、ルーティはそういった絆に繋がる思い出を捨てられなかったようだ。
・・・ただ、今も孤児院に新しく入って来る子供達から仮面が不評だというのはどうしようもない事実である。
「カイル、ジューダス。どうしたの、二人とも楽しそうにして?」
「リアラか、どうした一体?」
そんな二人が和やかに会話していると、リアラが室内に入って来た。
「子供達もお昼寝してるからそろそろお茶にしようって言われて二人を呼びに来たんだけど、何を話してたの?」
「少しルークの話をしてただけだよ」
「ルークの・・・懐かしいわね・・・そうだ、折角だしスタンさん達ともお茶の時間の時にお話しましょうよ」
「まぁ茶の場の話題には丁度いいだろう。行くか、カイル」
「うん、行こう!」
茶の誘いにジューダスもカイルも同意で返し、下に行こうと先頭を行くリアラの後を二人は付いていく。
・・・もうジューダスの心にはスタン達と会う事への心苦しさは存在しない。無論、過去に自らが起こした事の罪をジューダスは忘れてはいない。しかしそれを乗り越え、顔を向き合え心穏やかにいれるようになった。
その一因となったのはやはり、三年前スタン達と向き合うきっかけをくれたルークと言えた。
・・・もしあの時ルークが背中を一押ししていなければ、ジューダスはどちらを選んでいたにせよ後悔を確実にしていたことは間違いない。あのままだったならジューダスは誰とも向き合う事のない人生を送っていただろうから、自分の心から求める答えに気付けずそれを悔いる形で自らの罰を自らで決めるように。
だが自らの望む答えはスタン達と向き合う事で見つけられた。それはジューダスの救われた点と言えた。
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そしてジューダスとカイルがいる場所、それはデュナミス孤児院の中にあるベランダへと続く一室であった。ここにいた理由は洗濯物を干す為である。
「早い物だな・・・」
「うん・・・」
一通り思い出し終わり、ジューダスとカイルは図らずもその部屋に飾られている仮面を同時に見る。
「・・・今更だが、何故スタンはこの仮面を買ったんだ?」
「アハハ・・・それは俺にも分からないよ。母さんも父さんがこの仮面買ってきた時は結構怒ってたし、無駄遣いしてって。ただ俺は偶然でも父さんがこの仮面を買ってくれて良かったって思ったよ、ジューダスにまた会えたんだからね」
「・・・フン」
元々ジューダスが被っていたこの仮面を買ったのはカイルではなく、スタン。後でそうだと知って奇妙な巡り会わせだとジューダス自身感じながら仮面に疑問の目を向けるが、カイルはいたって明るく返す。
余談だがルーティはジューダスの仮面について、使い道があまりにも無さ過ぎた事と孤児院の飾りにするにはあまりにも向かないそのフォルムのせいでいつ仮面を処分するかを真剣に考えた事があった。
だがジューダスがこうやって仮面のおかげで戻ってきたかもと言われ、ルーティは仮面を処分することもなく部屋に飾る事にした。そういった視点から見ると、ルーティはそういった絆に繋がる思い出を捨てられなかったようだ。
・・・ただ、今も孤児院に新しく入って来る子供達から仮面が不評だというのはどうしようもない事実である。
「カイル、ジューダス。どうしたの、二人とも楽しそうにして?」
「リアラか、どうした一体?」
そんな二人が和やかに会話していると、リアラが室内に入って来た。
「子供達もお昼寝してるからそろそろお茶にしようって言われて二人を呼びに来たんだけど、何を話してたの?」
「少しルークの話をしてただけだよ」
「ルークの・・・懐かしいわね・・・そうだ、折角だしスタンさん達ともお茶の時間の時にお話しましょうよ」
「まぁ茶の場の話題には丁度いいだろう。行くか、カイル」
「うん、行こう!」
茶の誘いにジューダスもカイルも同意で返し、下に行こうと先頭を行くリアラの後を二人は付いていく。
・・・もうジューダスの心にはスタン達と会う事への心苦しさは存在しない。無論、過去に自らが起こした事の罪をジューダスは忘れてはいない。しかしそれを乗り越え、顔を向き合え心穏やかにいれるようになった。
その一因となったのはやはり、三年前スタン達と向き合うきっかけをくれたルークと言えた。
・・・もしあの時ルークが背中を一押ししていなければ、ジューダスはどちらを選んでいたにせよ後悔を確実にしていたことは間違いない。あのままだったならジューダスは誰とも向き合う事のない人生を送っていただろうから、自分の心から求める答えに気付けずそれを悔いる形で自らの罰を自らで決めるように。
だが自らの望む答えはスタン達と向き合う事で見つけられた。それはジューダスの救われた点と言えた。
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