「ルークとリアラちゃんの話だと色々あってその中でリオンはもう一回生きることが出来て、色々あってここに戻って来る事が出来た・・・難しい事は分からないけどさ、俺にはそれで十分だよ」
「いや、スタン・・・あんたその発言、思い切り馬鹿丸出しよ。ま・・・気持ちはわからないでもないけどさ。私も、まさかリオンに会えるなんて思ってなかったから尚更ね・・・」
柔らかいスタンの視線、ルーティはその発言に呆れるが同意するその時に柔らかく弱い笑みを浮かべる。
「「「「・・・」」」」
・・・スタンとルーティ、この二人の間に流れるジューダスに向けての想いが満ちた空気はあまりにも重かった。その空気にジューダスはいたたまれず顔を背け、ルーク達も下手な口を挟む事も出来ずに沈黙してしまう。



『・・・話は変わるが、いいか？』
そんな中でローレライが空気を変えようとしたのか、意を決して口を開く。
『確かに色々憶測の面もあるが、様々な偶然の上でジューダスとルークはここに来たのだ。その点で今もタタル渓谷で二人を待っている者達の為にも我はオールドラントに戻したい、と思うのだが・・・問題は、ジューダスだ。ジューダス、そなたはどうしたい？』
「・・・どうしたい、とは？」
『我は異なる世界に飛んだとしても是が非でもそなたら二人をオールドラントに戻したいと思っていた。だが今ここに戻って来てしまった以上、話は変わる。そこでだ。我とルークとともにオールドラントに戻るか、ここに残って彼らと共に生きる道を選ぶか・・・どちらかを選んでほしい』
「待て、ローレライ。何故僕にそのようなことを聞く・・・？」
ローレライの挙げた二択にジューダスは疑問の声をあげる。自分に聞かなければいけないことなのかと。
『・・・今更だが、ルーク達がそなたを放って一人にすると思うか？同様に、今目の前にいるスタンやカイル達がそなたを放って一人にすると思うか？』
「・・・いや、思わん」
苦々しくジューダスはローレライに答える。苦々しそうだった理由、それはそのローレライの言葉に後押しされたものがルーク達の視線が集まっている事を理解したためだ。
『わかるだろう、ルーク達もカイル達もそなたを仲間と思っていることが。だがルークはオールドラントに戻らねばならん。だから・・・どちらかを選んで欲しいのだ、ルーク達との別れかカイル達との別れか・・・』
「「「「！！」」」」
・・・どちらかとの別れを確実に選ばねばならない、ローレライが言い出しにくそうに明らかにしたのは非情な二択だった。ルーク達はその二択を聞き、一斉に驚きとともに目を丸くする。
『こればかりはそなた自身が選ばねばならんのだ、そなた自身がな。オールドラントにいる時はオールドラントで生きる事をそなたは選んだが、こうやってここに戻って来れたのは何か神とは別の縁という物を感じずにはいられん。それにそなたも色々考えざるを得ない状態であろう？』
「・・・」
ジューダスはローレライの質問に沈黙してしまうが、目だけはコクりと指輪へそうだと弱く頷く。
『・・・時間を取りたいと思うのだが皆、少し時間を取ってもらっても構わないか？ジューダスが結論を出すための、考える為の時間を・・・』
「「「「・・・」」」」
そしてローレライはその様子から場にいる皆に重々しく質問をする。皆は皆、その質問がいかにジューダスに重くのしかかるのかを理解し、ゆっくり首を縦に振った・・・








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