救う者と救われるもの 第二十四話

「第七音素同士の、共鳴・・・?」
「そう。これも私の経験談だけど、力を使う時にはレンズをエネルギーとして変換していたでしょう?それでレンズはエネルギーに変える事は出来るけど、エネルギーにしたレンズをレンズという形には戻せないの・・・そのことを踏まえてローレライに聞きますけど、エネルギーに変えた第七音素は第七音素に戻せますか?」
『いや、戻せない。超振動として形を変えた第七音素がもう超振動以外に形を変えれないようにな』
「それは・・・時空移動に使った時も、ですね?」
『ああ、そうだ』
「・・・ここまではいい、ジューダス?」
「ああ」
「そこで思い出してほしいの、貴方が時空間にいた時に巻き込まれた第七音素は純粋な第七音素と言える?」
「・・・ローレライの言葉に従うなら、変換されたエネルギーだな」
「その変換されたエネルギー・・・本来だったならルークを過去に送る事で、綺麗さっぱり使われて消えると思われるわ。けどジューダスと遭遇し仮面が離れてそのエネルギーになった第七音素が付着した時、話は変わった。本来だったならタタル渓谷で使い切られる筈だったエネルギーが目的地に行くこともなく、別の次元に持ち越された。それも歴史修正によって、修正されることもなく・・・そこから、その第七音素はこの世界に来てからもどうにかオールドラントに行こうとしていたと思うの」
「第七音素がだと・・・!?」
「ええ。エネルギーと化した第七音素は仮面に付着しながらも、ルークの戻ろうとした時間帯のオールドラントに行こうとしていたの。あくまでもその役割を果たそうとするために時空間を飛ぼうとして・・・」
「その時に共鳴した、というのか?仮面に付着した第七音素と、ローレライを送ろうとしていた時に集めた第七音素が・・・?」
「ええ。時空間からタタル渓谷に行こうとする第七音素はどうにかオールドラントへの次元の穴を開けようと、ローレライを送ろうと集められていく第七音素と共鳴して内と外から協力して次元の穴を開けたのでは・・・と思われるわ。元は同じ第七音素、やれないわけではないと思えるし・・・」
「・・・あの時未来のローレライはルークをタタル渓谷に送った。そのことから推測して、エネルギーと化した第七音素もタタル渓谷に向かうのは必然か。だがもう一つわからないのは・・・何故僕がここに時空移動したのか、だ」
「・・・それは、仮面も時空移動をしようとしていたからだと思う」
「・・・何?仮面が、だと?」
「正確には付着した第七音素が仮面を宿主のようなものとしたから、仮面が無ければ第七音素は霧散する事もなくいたのだと思うけど・・・とにかく宿主である仮面も一緒に物質転移をしようとした時、その場所にはジューダスが偶然いた。そこで仮面を転移する筈だった第七音素はギリギリ時空移動をする程度にしかエネルギーがなかった為、そこにいたジューダスを誤って取り込んでしまったことで仮面をオールドラントに送れず逆にジューダス達を時空間に示された第七音素の道なりに呼び込んだ・・・私はそう考えてるわ」
「・・・無茶苦茶だな」
「・・・正直私もそう思う。けどこう言った事態は私も経験したことがないから・・・」
・・・全てを聞き終わるとジューダスは片手で額を押さえ呟くが、リアラも似たように俯いて自信がなさそうに答える。
「いいんじゃないか、難しい事を考えるのは?」
「・・・何?」
場にいた一同がそれぞれ難しい顔をする中、スタンが一人嬉しそうな顔でジューダスに話しかける。その声にジューダスはスタンは訝げに見る。
「リオンはルークの所で生きていたってことがわかった、俺にはそれだけで十分だよ」
「・・・っ!」
だがその真っ直ぐにジューダスを見つめられて放たれた言葉に、ジューダスはたまらず息を呑んだ。










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