救う者と救われるもの 第二十四話

・・・語られていくカイル達とジューダスの旅の出来事。ラグナ遺跡で本当の意味で最初の出会いがあり、その後ダリルシェイドの地下牢にて初めて出会ったカイル達・・・そこから本当に色んな事を経て、色んな真実を知りながら旅をしたことをジューダス達は話し終えた。



「・・・神の行った世界改変でスタンが死んで、その裏でリオンは神によって生き返ってカイル達に協力していた・・・随分と壮大な話よね・・・」
「・・・お前にしてはやけにアッサリと話を信じるな」
「そりゃねぇ。カイルだけが言ったんならともかく、ロニにリアラちゃん。それに・・・実際にあんたが目の前にいてそう話してるんだから、疑えるわけないじゃない・・・」
「「「「・・・」」」」
話を終えてルーティはあまり気にしていない様子だったが、ジューダスにそれを突かれると瞳を潤ませテーブルに肘をつけて手を組んで額を組んだ手に置く。
「・・・話は変わるが、リアラ。どうしてお前は再びここに戻って来れた?」
「・・・えっ、あ、うん・・・」
そのルーティの空気にいたたまれなくなったよう場が沈黙しかけたが、ジューダスがリアラに話題の転換を求めて話しかける。
「覚えてる、私が持っていたペンダントの事?私はあのペンダントに願ったの、また世界を救ってもカイルと巡り会える奇跡をって。それでペンダントはどこかに飛んでいって・・・そして世界を元に戻してカイルがラグナ遺跡に来た時、私達の願いを受けたペンダントが私を人としてカイルと巡り会わせてくれたの・・・」
「ビックリしたぜ、カイルが遺跡の中からリアラを連れて来た時は。俺は最初ナンパ目的で遺跡に入ったのか?なんて思ったんだけどな、リアラと会話していく内に段々思い出してったんだよ。あの旅の記憶を」
「そうか・・・」
リアラとロニから詳しい説明を聞いて、ジューダスは納得する。



神のたまごに行く前、突然消えたリアラのペンダント。カイルとリアラ以外はペンダントがないことに気づいていたが、ジューダス達四人は特にそのことに触れはしなかった。だが想いを受けたペンダントが奇跡を起こした事を知り、ジューダスはそれは良かったと素直に思えていた。



「それで・・・ジューダスはどうして戻る事が出来たの?それに、この人は・・・」
そんな風に思えていた時、カイルの疑問の声がルークに視線だけ向けられながらジューダスに来る。
「・・・そうだな、では話すか。ルーク・・・」
「うん・・・」
今度はその後の出来事を話す時だと、ジューダスはルークに確認を取って時空間の中での出来事から二人で話していく・・・












・・・世界を越えた。それだけでも大事だと言って差し支えない出来事と言える。ジューダスがルークの時空移動に巻き込まれた事でそうなったと知った時には、流石にリアラも信じられないと口を抑えた。だがルークの目的が死ななくてもいい命を救う事だと知って、カイル達はルークの過去を批難する事もなくその目的も併せて全て受け入れてくれた。

そしてその目的を聞いてジューダスがルークに協力していた後の経過を聞き、最終的にタタル渓谷からこのデュナミス孤児院にまで飛んできた事をルーク達は話し終えた・・・



「・・・という訳だ」
「・・・正直、分からないんです。俺達っていうか、その・・・ジューダスがここに時空移動させられたっていう理由と、誰がここに送ったのかが・・・」
「「「「・・・」」」」
流石に理由が分からずここに飛ばされたとあって、カイル達は悩み表情を歪める。
「・・・私の考えを言っていい、二人とも?」
「リアラ・・・何か心当たりがあるのか?」
「ええ・・・」
するとそんな中でリアラが緊迫した面持ちで切り出す。
「多分、だけど・・・二人が現れた位置からすると、考えられるのが・・・」



「ジューダスが被っていた仮面・・・あれが、ジューダスをこっちに引き寄せたんだと思うの・・・」







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