救う者と救われるもの 第二十四話
(どうしよう・・・このままジューダスを行かせちゃいけない、気がする・・・!)
その後ろ姿を見る刹那、ルークは自らの心に出て来たもやもやしている思いを無視出来なかった。このまま行かせてもいいのか、何もしないままに・・・
思い悩むその姿を見てしまっている為に、ルークはどうするべきかをその瞬時に非常に迷った。
「・・・仕方ないわねー。今日はここまでにして、またカイルとリアラちゃんについては明日話しましょうか。流石にこれ以上話を続けると、夜が更けちゃうからね」
だが下にいるルーティから聞こえて来た声は図らずも、ジューダスの足とルークのその思考を止めた。
「スタン、あんたはベッドの用意しなさい。リアラちゃんを床で寝させる訳にはいかないでしょ?今日はあたしたちの部屋にリアラちゃん泊めるから、あんたはカイルと一緒に寝なさいよ」
「ああ、わかった」
((!?))
下から聞こえて来る会話から大体の話は終えたのだと理解すると同時に、就寝の用意に入る事を聞いてしまった事で二人の間に瞬時に稲妻が走り互いに顔を見合わせる。
(ヤバい、ヤバいヤバい!)
(ぼっとするな、早く行くぞ!)
視線での会話はルークが動揺で動けず、ジューダスは部屋の方に行けと首を振る。
「あ、じゃあ俺は自分の部屋を整理するよ母さん」
((!?))
だが更に続くカイルの元気な声に、二人はもう一度階段の方を振り返る。
‘トン’
だが振り返った時に階段を踏み締める音がもう聞こえた事が更に二人に危機感をもたらした。
「くっ・・・っ!」
「!うわっ・・・!」
もうそこまで来られては早く逃げないといけないと踏んだのか、ジューダスはルークの腕を掴み階段を早く駆け上がっていく。
「!今の声なんだ、カイル!?」
だがジューダスにいきなり手を引かれてその驚きでたまらず声を上げたルークの声を聞き付け、ロニの声が下からカイルに向けられる。
「わからないけど、追いかける!多分、チビ達が出した声じゃない!」
ロニにカイルは階段を駆け出しながら、緊迫した声で簡易に自分の取る行動と声の感想を告げて階上に消えていく。
「ちょっと、もしかして強盗!?」
「俺もカイルを追いかける!」
「俺も行きますスタンさん!リアラにルーティさんは下にいてくれ!」
「私も行くわロニ!」
「あんたたちだけ行かせる訳無いじゃない!あたしも行くわ!」
カイルの声色から強盗ではと推測をつけるルーティの声から、スタンを皮切りに全員が順々に階段に向かい駆け出していく。
・・・そしてルークとジューダスの二人はベランダのある部屋を突き抜け、ベランダに入るとジューダスはルークの手を離して振り返る。
「早く僕達を時空転移しろ、ローレライ!早くせねばあいつらが来る!」
鬼気迫る焦りを見せ、ジューダスは指輪のローレライに必死に時空転移を願い出る。
「・・・嘘、だろ・・・」
「・・・っ・・・!」
「えっ・・・っ!?」
だがルークの背後から聞こえた声は、その鬼気迫る表情のジューダスを一気に呆然とさせた。その状態を見たルークがそっと後ろを振り返ると、そこには・・・ジューダスと同じよう、呆然としたカイルがいた。
「・・・ジューダスも・・・リアラみたいに、戻って来れたのか・・・?」
「いや、違う。これは・・・」
「無事かカイル!?」
「怪我してないか!?」
「大丈夫、カイル!?」
「捕まえた!?」
場にいた人間で一番先に徐々に動揺を取り戻しつつあったカイルがジューダスに話しかける。その声に慌てて弁明を返そうとしたときに、カイル達に続きスタン達が勢いよくベランダに姿を現した。
・・・だがその四人も場の様子を確認し、月明かりに照らされたジューダスの顔を見るとどんどんと顔色を変えていく。
「「「「ジューダス(リオン)!?」」」」
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その後ろ姿を見る刹那、ルークは自らの心に出て来たもやもやしている思いを無視出来なかった。このまま行かせてもいいのか、何もしないままに・・・
思い悩むその姿を見てしまっている為に、ルークはどうするべきかをその瞬時に非常に迷った。
「・・・仕方ないわねー。今日はここまでにして、またカイルとリアラちゃんについては明日話しましょうか。流石にこれ以上話を続けると、夜が更けちゃうからね」
だが下にいるルーティから聞こえて来た声は図らずも、ジューダスの足とルークのその思考を止めた。
「スタン、あんたはベッドの用意しなさい。リアラちゃんを床で寝させる訳にはいかないでしょ?今日はあたしたちの部屋にリアラちゃん泊めるから、あんたはカイルと一緒に寝なさいよ」
「ああ、わかった」
((!?))
下から聞こえて来る会話から大体の話は終えたのだと理解すると同時に、就寝の用意に入る事を聞いてしまった事で二人の間に瞬時に稲妻が走り互いに顔を見合わせる。
(ヤバい、ヤバいヤバい!)
(ぼっとするな、早く行くぞ!)
視線での会話はルークが動揺で動けず、ジューダスは部屋の方に行けと首を振る。
「あ、じゃあ俺は自分の部屋を整理するよ母さん」
((!?))
だが更に続くカイルの元気な声に、二人はもう一度階段の方を振り返る。
‘トン’
だが振り返った時に階段を踏み締める音がもう聞こえた事が更に二人に危機感をもたらした。
「くっ・・・っ!」
「!うわっ・・・!」
もうそこまで来られては早く逃げないといけないと踏んだのか、ジューダスはルークの腕を掴み階段を早く駆け上がっていく。
「!今の声なんだ、カイル!?」
だがジューダスにいきなり手を引かれてその驚きでたまらず声を上げたルークの声を聞き付け、ロニの声が下からカイルに向けられる。
「わからないけど、追いかける!多分、チビ達が出した声じゃない!」
ロニにカイルは階段を駆け出しながら、緊迫した声で簡易に自分の取る行動と声の感想を告げて階上に消えていく。
「ちょっと、もしかして強盗!?」
「俺もカイルを追いかける!」
「俺も行きますスタンさん!リアラにルーティさんは下にいてくれ!」
「私も行くわロニ!」
「あんたたちだけ行かせる訳無いじゃない!あたしも行くわ!」
カイルの声色から強盗ではと推測をつけるルーティの声から、スタンを皮切りに全員が順々に階段に向かい駆け出していく。
・・・そしてルークとジューダスの二人はベランダのある部屋を突き抜け、ベランダに入るとジューダスはルークの手を離して振り返る。
「早く僕達を時空転移しろ、ローレライ!早くせねばあいつらが来る!」
鬼気迫る焦りを見せ、ジューダスは指輪のローレライに必死に時空転移を願い出る。
「・・・嘘、だろ・・・」
「・・・っ・・・!」
「えっ・・・っ!?」
だがルークの背後から聞こえた声は、その鬼気迫る表情のジューダスを一気に呆然とさせた。その状態を見たルークがそっと後ろを振り返ると、そこには・・・ジューダスと同じよう、呆然としたカイルがいた。
「・・・ジューダスも・・・リアラみたいに、戻って来れたのか・・・?」
「いや、違う。これは・・・」
「無事かカイル!?」
「怪我してないか!?」
「大丈夫、カイル!?」
「捕まえた!?」
場にいた人間で一番先に徐々に動揺を取り戻しつつあったカイルがジューダスに話しかける。その声に慌てて弁明を返そうとしたときに、カイル達に続きスタン達が勢いよくベランダに姿を現した。
・・・だがその四人も場の様子を確認し、月明かりに照らされたジューダスの顔を見るとどんどんと顔色を変えていく。
「「「「ジューダス(リオン)!?」」」」
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