「そうですか・・・貴方からそう聞けたなら今度は貴方の意志確認の時間です、ジューダス」
「・・・え？」
だが頭を下げていたルークの耳に、ジェイドの予想外の声が届く。ルークがたまらず頭を上げて見たのは、ジューダスの動揺の見えないいつもどおりの横顔。
「貴方はルークと一緒に暮らしてくれますか？ジューダス」
「・・・」
「ちょっ、ちょっと待ってくれよジェイド！・・・一体どういう意味なんだよ！？」
だがジェイドから更に暮らすという単語が出て来た事に、ジューダスの沈黙を遮るようにルークは焦って話の意味を問う。
「すみません、ルーク。私はジューダスに貴方より先に大爆発の事をお話したんです」
「だからって、暮らすって意味とどういう関係が・・・？」
「その時に私は貴方がアッシュと離れて活動すると言ったなら、貴方の活動を補佐してほしいと思って彼にそう頼んだんです。これから先は今まで旅をしていた時のように、我々は共に入れません。その点では彼はまだどうするのかを決めてはいませんのでね、正にうってつけだと思いましてね。だから私は今、彼自身がどういう結論に至ったのかを聞いている訳ですが・・・もしや不都合でもあるんですか？ルーク」
「っ・・・い、いや。全然っ、全然そんなことはない！そんなことないよ、ジェイド！」
ジェイドが大体の流れを説明し終わった所で、ルークにその是非を問う。だがルークはその質問にわかりやすく心を踊らせながら、勢いよく首をブンブン横に振る。



（ジューダスが俺と一緒に・・・！？もし暮らしてくれるなら、ジューダスは居場所が出来るんだ・・・この世界に！）
ルークは内心では相当な喜びに満ちていた。ジューダスが首を縦に振れば自分とこれからも一緒にいてくれるようになるだけではなく、同時に異邦人という位地からジューダスを変えられる事に。



「・・・だそうです」
そんなルークからの確認が取れた事で、ジェイドは改めてジューダスの方を向く。
「本人もこう言ってくれています、後は貴方の意志次第です・・・答えを聞かせてくれますか？」
答えを求めるジェイドの声に同調するよう、ルークを始めとしてティア達の視線が一斉にジューダスに降り注ぐ。



（答え、か。まぁ折角色々考えていたジェイドには済まないとは思うがな・・・そしてこの一言をはっきりと口にしたら僕は戻るんだ、あそこに・・・）
だがルーク達の多大な期待を受けても、ジューダスの答えは最初から決まっていた。
「悪いが、断らせてもらう。僕にはそこまでルークに付き合う義理はない」
「・・・そっか・・・」
場に出されたジューダスの結論は拒否。出て来たその結論にルークは嬉しそうな表情が一転、目を伏せて残念そうな声をジューダスに聞こえるか聞こえないかくらいで出す。
（そうだ、これでいい。この話はもう終わったも同然なんだ、もう少しもすれば解散の流れになるだろう・・・）
ルークのそんな様子をあまり見ないようにしつつ、ジューダスは後の事を考え出す。
場が収まれば必然と周りから人が離れていき、ルーク一人とだけ接触する時間は確実に訪れる。そしてその時こそが多分最期になるだろう、ローレライの力を使っての時空間に戻るチャンス・・・
「という訳だ。話はこれで終わりか？」
そう考えればあまり長引かせてもジューダスに好機は訪れない。ジューダスは早く場を終わらせるよう、話が終了したかを聞く。
「いえ、まだですよ」
「・・・？」
だが持って来ただろう重大な話を終えたはずのジェイドからは、まだの一言。ジューダスは予想外の答えにただ眉をひそめるばかり。








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