救う者と救われるもの 第二十三話
そのジェイドに貴方と言われ、視線が向けられたのはルーク。
「え・・・俺?」
話の対象はジューダス単体でも自分達二人に対してではなく、自分。
(何の話なんだ・・・?)
当然気になるのは話の内容。ルークはジェイドに問いかけるような表情で、向かい合う。
「そうです。ですが本題に入る前に、まず聞きますが・・・貴方はアッシュが何故生きて、私達と共に過去に戻れたのか?その訳はご存知ですか?」
「・・・それは・・・っ!?・・・知らない」
そこからジェイドは段階を踏むよう、アッシュに視線を送りながらルークに質問する。
ジェイドの斜め後ろ程につけていたアッシュへつられて視線を向けながらルークは考えるが、途端にルークはアッシュが死んだ事を思い出し、なんで今生きているかを知らないルークはアッシュの顔を見ながら複雑な表情で首を横に振る。
「こうしてアッシュが生きている事・・・それはルーク、貴方が大いに関係していることでもあるんです。今から私はその理由をお話しますので、心して聞いてください・・・」
ジェイドはそう言うとゆっくりと語りだす、大爆発の事実を。ルークにジューダス、それに周りの人間達は真摯に受け止めていく・・・
「・・・という訳で、アッシュは貴方の体を乗っ取る形で生き残る事が出来たんです。その後アッシュは音譜帯にいたローレライに事情を聞いて過去に戻る事を決心し、地上に別れを告げに戻って来た時に我々は一緒についていく事を決心したんです」
・・・大爆発の事をひとしきり説明し終わり、過去に戻った経緯で話を締めるジェイド。
「大爆発・・・じゃあローレライを解放する時、俺の所にアッシュが落ちて来なかったらアッシュは確実に死んでたのかな・・・」
だが大爆発の事を聞いて少なくとも動揺くらいは確実と思われたルークは、意外な事に遠い所を見るような目で状況を一人整理していた。
そしてルークはその目と顔をアッシュに微笑むような笑顔に変えて向ける。
「良かった、アッシュ・・・生きる事が出来て・・・」
「!なっ、何を言ってやがる!?」
そのルークから出たのは慈愛を多大に含ませたアッシュへの、喜び。だがそう言われるとは思っていなかったアッシュは、瞬時に慌てる。
「・・・偶然って言っても、アッシュは生き延びる事が出来たんだ。俺達二人がいなくなるよりは全然よかった・・・俺はそう思えたんだ。あのままだったら俺達、二人共いなくなる所だったんだから・・・」
「・・・まぁ、それは間違ってはいないが・・・」
だがアッシュはあえて死ぬではなくいなくなるという表現を使われて、ルークを攻める気を削がれそれを認めてしまう。
しかしアッシュがそうなるのも無理もないことだ。ルークの言ったようにアッシュが生きているのは超振動を使った直後に起こった、ルークの上にアッシュが降りて来るという偶然がなかったら大爆発は起こり得なかったのだ。何故なら大爆発の条件の一つは目視出来るくらいの位置に、オリジナルとレプリカの存在があること。もし位置が関係なかったなら、ルークはアッシュが死んだ時に即座に大爆発の為に乗っ取られていてもおかしくはなく、その時にルークは消滅していただろう。
だが位置という条件が二人を図らずも、二人を共に生き残らせる事態となった。ルークはローレライに助けられ過去に戻る事で大爆発での消滅を免れたが、ルークはもう二度とティア達と会えない状況に陥っていた。その上でアッシュは大爆発によって、生き残る事が出来た・・・
今ここにあるのは幾多もの偶然が重なっての物、それがなければ二人共にティア達の前からいなくなっていた。
・・・そう考えると、アッシュはルークを卑屈とその声を攻める事が出来なかった。
「ええ、確かに間違ってはいません。ですが今度はそれを止めなければ、確実に二人の内どちらかの命が失われる物となります」
「ジェイド・・・」
勢いがないアッシュ。そのアッシュの後を引き継ぐようにジェイドは言葉を繋ぎ、ルークに話し掛ける。
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「え・・・俺?」
話の対象はジューダス単体でも自分達二人に対してではなく、自分。
(何の話なんだ・・・?)
当然気になるのは話の内容。ルークはジェイドに問いかけるような表情で、向かい合う。
「そうです。ですが本題に入る前に、まず聞きますが・・・貴方はアッシュが何故生きて、私達と共に過去に戻れたのか?その訳はご存知ですか?」
「・・・それは・・・っ!?・・・知らない」
そこからジェイドは段階を踏むよう、アッシュに視線を送りながらルークに質問する。
ジェイドの斜め後ろ程につけていたアッシュへつられて視線を向けながらルークは考えるが、途端にルークはアッシュが死んだ事を思い出し、なんで今生きているかを知らないルークはアッシュの顔を見ながら複雑な表情で首を横に振る。
「こうしてアッシュが生きている事・・・それはルーク、貴方が大いに関係していることでもあるんです。今から私はその理由をお話しますので、心して聞いてください・・・」
ジェイドはそう言うとゆっくりと語りだす、大爆発の事実を。ルークにジューダス、それに周りの人間達は真摯に受け止めていく・・・
「・・・という訳で、アッシュは貴方の体を乗っ取る形で生き残る事が出来たんです。その後アッシュは音譜帯にいたローレライに事情を聞いて過去に戻る事を決心し、地上に別れを告げに戻って来た時に我々は一緒についていく事を決心したんです」
・・・大爆発の事をひとしきり説明し終わり、過去に戻った経緯で話を締めるジェイド。
「大爆発・・・じゃあローレライを解放する時、俺の所にアッシュが落ちて来なかったらアッシュは確実に死んでたのかな・・・」
だが大爆発の事を聞いて少なくとも動揺くらいは確実と思われたルークは、意外な事に遠い所を見るような目で状況を一人整理していた。
そしてルークはその目と顔をアッシュに微笑むような笑顔に変えて向ける。
「良かった、アッシュ・・・生きる事が出来て・・・」
「!なっ、何を言ってやがる!?」
そのルークから出たのは慈愛を多大に含ませたアッシュへの、喜び。だがそう言われるとは思っていなかったアッシュは、瞬時に慌てる。
「・・・偶然って言っても、アッシュは生き延びる事が出来たんだ。俺達二人がいなくなるよりは全然よかった・・・俺はそう思えたんだ。あのままだったら俺達、二人共いなくなる所だったんだから・・・」
「・・・まぁ、それは間違ってはいないが・・・」
だがアッシュはあえて死ぬではなくいなくなるという表現を使われて、ルークを攻める気を削がれそれを認めてしまう。
しかしアッシュがそうなるのも無理もないことだ。ルークの言ったようにアッシュが生きているのは超振動を使った直後に起こった、ルークの上にアッシュが降りて来るという偶然がなかったら大爆発は起こり得なかったのだ。何故なら大爆発の条件の一つは目視出来るくらいの位置に、オリジナルとレプリカの存在があること。もし位置が関係なかったなら、ルークはアッシュが死んだ時に即座に大爆発の為に乗っ取られていてもおかしくはなく、その時にルークは消滅していただろう。
だが位置という条件が二人を図らずも、二人を共に生き残らせる事態となった。ルークはローレライに助けられ過去に戻る事で大爆発での消滅を免れたが、ルークはもう二度とティア達と会えない状況に陥っていた。その上でアッシュは大爆発によって、生き残る事が出来た・・・
今ここにあるのは幾多もの偶然が重なっての物、それがなければ二人共にティア達の前からいなくなっていた。
・・・そう考えると、アッシュはルークを卑屈とその声を攻める事が出来なかった。
「ええ、確かに間違ってはいません。ですが今度はそれを止めなければ、確実に二人の内どちらかの命が失われる物となります」
「ジェイド・・・」
勢いがないアッシュ。そのアッシュの後を引き継ぐようにジェイドは言葉を繋ぎ、ルークに話し掛ける。
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