救う者と救われるもの 第二十二話
「・・・皆さん、ありがとうございます!」
ルークがジューダスを想う中、拍手の鳴り止まぬ状況でイオンは柔らかな微笑を浮かべて毅然とした声をあげる。その声に計ったように拍手の手も一斉に鳴り止む。
「皆さんに宣言を受け入れていただけた事、非常に嬉しく思います!そして話を終えた今、これより預言廃止とプラネットストーム停止に向けて取り組みたいと思います!故にこれにてこの宣言の場を閉幕します!・・・皆さん、集まっていただき、誠にありがとうございました!」
堂々の終了宣言が出された、そして言い切ったイオンは軽く檀上から頭を下げると後ろを向き教会の中へと歩きだす。
‘‘‘‘パチパチパチパチパチパチパチパチ・・・!!’’’’
その姿に聴衆達が本日最高とも言える拍手を盛大に叩き鳴らす、その中には歓声まで混じりながら。
(皆、理解してくれたんだ・・・!)
イオンが退散をしたことでローレライも指輪へと再び宿り、自分も教会の中に向かおうと振り向いて歩き出したルークは、聴衆達から顔が見えない状況で感激に表情を崩していた。流石に表立って泣いてはいけないと理解しているだけに、聴衆の前では表情を崩せなかったがもう後は中に入るばかり・・・
イオンと両陛下の後に続き教会の中に入ったルークは聴衆達から見えない位置にまで行くと、奥にイオンと両陛下が宣言に参加したメンバーを労うように振り向いて笑顔で出迎える中で、イオンにいそいそと近づく。
「イオン、悪い。ちょっと俺、始まるまでいた部屋にいていいかな?」
「・・・えぇ、いいですよ。ルーク」
その表情を見てイオンは何も言わず、ルークを送り出すように首を縦に振る。
「・・・悪い」
その答えに再度一言悪いと言うと、脇目も振らずに使っていた部屋のある居住区へ向かう。
「ルークはどうしたんですかぁ、イオン様?」
その様子を見てイオンに近づいてルークの事を尋ねるアニス。
「アニス、察してあげて下さい。彼は一番こうなることを望んでいたんです、過去に戻ってから一番・・・」
「あぁ・・・」
ルークの退出していった方角を見ながら、アニスも納得したように何とも言えない表情になる。
「今は一人にしてあげた方がいいでしょうね、無理に彼を引き出すような用事もありませんし放っておいてあげたほうがいいでしょう」
「お前にしちゃ随分と気がきいてるな、ジェイド」
二人のやり取りにジェイドも加わり、ピオニー陛下はその気遣いにニヤニヤと軽口を叩く。
「功労者を労うのは当然ですからね。それに陛下も表情から彼が部屋に行った方がいいと思ったから、見送った訳でしょう」
「まぁな」
そこはジェイド、動揺も見せずにきっちりと返す。陛下もその指摘に一言で答える。
「功労者・・・と言えば、ジューダスがいないが・・・いつ戻って来るのだろうな」
功労者と聞きインゴベルト陛下がジューダスの存在を話題にあげる。
「流石にもう少ししなければ教会の中へは来れないでしょう、演説の場は終わったばかり。神託の盾の兵士と六神将を二人程探索に回せばすぐに見つけられるでしょうが、彼は外から見届けると言いました。変に探せば機嫌を損ねるでしょう、自ら戻って来るのを待てばいいかと」
「うむ、そうだな。無理に見つけだす必要はないか、落ち着けば顔を出してくれるだろう」
その話題にヴァンがジューダスの人物像を捉えた、的確な予想をする。基本的に特別扱いを好まず、自身の意志を誰よりも強く持つジューダス・・・そんなジューダスの姿を考え、インゴベルト陛下は捜索はしないでいいという結論にたどり着く。
「何はともあれ・・・皆さんお疲れ様でした。モースに六神将に、ヴァンも」
そんな場の雰囲気を意図的に変えつつ、ヴァン達もと含めイオンは労いの言葉をかける。その言葉にヴァン達は何も言わず、ただ頭を下げる。
「明日からはキムラスカ・マルクト・ケセドニアと、演説を行う為に各地を回る事になります。皆さん、今日はゆっくり休まれて下さい。ルークとジューダスには後から僕がお話をしに行きますので、ごゆっくりどうぞ。では皆さん、改めましてお疲れ様でした」
イオンがその労いを終えると、各々が納得したように首を振って表情を緩める。明日からはまた別の地にてやることがある、だが今日ばかりは後は休養することが必要・・・
各々はその言葉を受けて、各自休養を取るべくその場を離れて行った。
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ルークがジューダスを想う中、拍手の鳴り止まぬ状況でイオンは柔らかな微笑を浮かべて毅然とした声をあげる。その声に計ったように拍手の手も一斉に鳴り止む。
「皆さんに宣言を受け入れていただけた事、非常に嬉しく思います!そして話を終えた今、これより預言廃止とプラネットストーム停止に向けて取り組みたいと思います!故にこれにてこの宣言の場を閉幕します!・・・皆さん、集まっていただき、誠にありがとうございました!」
堂々の終了宣言が出された、そして言い切ったイオンは軽く檀上から頭を下げると後ろを向き教会の中へと歩きだす。
‘‘‘‘パチパチパチパチパチパチパチパチ・・・!!’’’’
その姿に聴衆達が本日最高とも言える拍手を盛大に叩き鳴らす、その中には歓声まで混じりながら。
(皆、理解してくれたんだ・・・!)
イオンが退散をしたことでローレライも指輪へと再び宿り、自分も教会の中に向かおうと振り向いて歩き出したルークは、聴衆達から顔が見えない状況で感激に表情を崩していた。流石に表立って泣いてはいけないと理解しているだけに、聴衆の前では表情を崩せなかったがもう後は中に入るばかり・・・
イオンと両陛下の後に続き教会の中に入ったルークは聴衆達から見えない位置にまで行くと、奥にイオンと両陛下が宣言に参加したメンバーを労うように振り向いて笑顔で出迎える中で、イオンにいそいそと近づく。
「イオン、悪い。ちょっと俺、始まるまでいた部屋にいていいかな?」
「・・・えぇ、いいですよ。ルーク」
その表情を見てイオンは何も言わず、ルークを送り出すように首を縦に振る。
「・・・悪い」
その答えに再度一言悪いと言うと、脇目も振らずに使っていた部屋のある居住区へ向かう。
「ルークはどうしたんですかぁ、イオン様?」
その様子を見てイオンに近づいてルークの事を尋ねるアニス。
「アニス、察してあげて下さい。彼は一番こうなることを望んでいたんです、過去に戻ってから一番・・・」
「あぁ・・・」
ルークの退出していった方角を見ながら、アニスも納得したように何とも言えない表情になる。
「今は一人にしてあげた方がいいでしょうね、無理に彼を引き出すような用事もありませんし放っておいてあげたほうがいいでしょう」
「お前にしちゃ随分と気がきいてるな、ジェイド」
二人のやり取りにジェイドも加わり、ピオニー陛下はその気遣いにニヤニヤと軽口を叩く。
「功労者を労うのは当然ですからね。それに陛下も表情から彼が部屋に行った方がいいと思ったから、見送った訳でしょう」
「まぁな」
そこはジェイド、動揺も見せずにきっちりと返す。陛下もその指摘に一言で答える。
「功労者・・・と言えば、ジューダスがいないが・・・いつ戻って来るのだろうな」
功労者と聞きインゴベルト陛下がジューダスの存在を話題にあげる。
「流石にもう少ししなければ教会の中へは来れないでしょう、演説の場は終わったばかり。神託の盾の兵士と六神将を二人程探索に回せばすぐに見つけられるでしょうが、彼は外から見届けると言いました。変に探せば機嫌を損ねるでしょう、自ら戻って来るのを待てばいいかと」
「うむ、そうだな。無理に見つけだす必要はないか、落ち着けば顔を出してくれるだろう」
その話題にヴァンがジューダスの人物像を捉えた、的確な予想をする。基本的に特別扱いを好まず、自身の意志を誰よりも強く持つジューダス・・・そんなジューダスの姿を考え、インゴベルト陛下は捜索はしないでいいという結論にたどり着く。
「何はともあれ・・・皆さんお疲れ様でした。モースに六神将に、ヴァンも」
そんな場の雰囲気を意図的に変えつつ、ヴァン達もと含めイオンは労いの言葉をかける。その言葉にヴァン達は何も言わず、ただ頭を下げる。
「明日からはキムラスカ・マルクト・ケセドニアと、演説を行う為に各地を回る事になります。皆さん、今日はゆっくり休まれて下さい。ルークとジューダスには後から僕がお話をしに行きますので、ごゆっくりどうぞ。では皆さん、改めましてお疲れ様でした」
イオンがその労いを終えると、各々が納得したように首を振って表情を緩める。明日からはまた別の地にてやることがある、だが今日ばかりは後は休養することが必要・・・
各々はその言葉を受けて、各自休養を取るべくその場を離れて行った。
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