救う者と救われるもの 第二十話
「・・・・・・そういう事、だったんだ・・・」
ルークはその後のジューダスの記憶を見て、一つ落ち着いたように声を出す。
エルレインの作った夢の世界から脱したカイル達はそこからもまた色々な事があった。過去の改変を防ぐ為にシャルティエの作られた天地戦争時代に行き天才科学者ハロルドとともに歴史の中に入り込み、そこからまたついてきたハロルドとともに今度はナナリーのいた時代へとエルレインを追い、またそれからカイル達のいた時代に戻り惑星を潰しかねない隕石・神の卵を呼び寄せたエルレインとの最後の対面に至った・・・
色々なことがあった・・・本当に・・・ジューダスの悲しみだけではなく、カイル達の苦悩や信念もルークの心を強く揺り動かした。誰もが一人一人悩み苦しみながらも自らの力で答えを出し、それでも駄目な時には支え合い一つになれる在り方。その迷い決断した歩みは強く・・・遂には降臨した神、フォルトゥナを討ち果たした。
・・・しかしそれは時を越えたカイル達の決別の時、神の起こした事象は神が死んだ事で全ての時間の流れが神の干渉がない状態に戻る事となった。まず別れは神の分身であったリアラ。神を殺す事はつまりリアラを殺す事、カイルの考えに考えた結論によりリアラは悔いなく消えていった。続いてはハロルド、彼女らしくなく非科学的な絆という物を悪くないといい光とともに彼女は消えていった。続いてナナリー、彼女は影を残さぬ明るさで笑顔とともに消えていった。
・・・そして次にカイル達と別れる事になったのは、ジューダスだった。その表情には彼女達と同様陰りなど見せず、むしろ安らかさすら見えるような顔でカイル達と最後の会話を交わして・・・光とともに消えていった。
・・・そしてジューダスが意識を取り戻した先は、異次元空間・・・
「そして俺の時間移動に巻き込まれて、ジューダスがここに・・・」
タタル渓谷での出会いを思い出しながら、ルークはどうしようもない気持ちに襲われていた。
ジューダスを巻き込んだと知った時はそれは本当に申し訳ないとルークは思った、人に迷惑をかけてしまったと思って。しかし今はジューダスの事をどうしようもなく気にかけてしまっている、なまじ過去を知ってしまったばかりに放っておけずにいる。独りで辛い物を背負って来たのに、その姿に弱さはない。むしろ毅然とした強さがある。その表情の裏にはどんなに壮絶な思いを隠しているのか、そして巻き込んでしまった自分にはどう思っているのか・・・?
「え・・・なんか目が覚めるような感覚が・・・」
少しの間だが考えにふけっていたルークに突然この空間から離れる感覚が襲い掛かってくる。何がなんだかわからず戸惑うまま、ルークはこの空間を後にしていった・・・
そしてはっと気付いた先にいたのはローレライと、辛い過去を見せたのに表情の変わらないジューダス。
「僕の記憶は見たな?」
「・・・うん」
「これを会合の場で見せれば信じざるを得んだろう、僕の事を」
「・・・なあ、ジューダス・・・一つだけ、一つだけ俺にホントの事を言ってくれないか?」
「・・・なんだ?」
いつもの顔を崩さないジューダスに、ルークは沸々と沸き上がる想いと疑問を答えてもらうため自然と抑えられた声を向ける。流石に雰囲気が違うと感じたジューダスも言葉を止め、ルークの言葉を待つ。
「ジューダスは・・・今幸せ・・・?」
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ルークはその後のジューダスの記憶を見て、一つ落ち着いたように声を出す。
エルレインの作った夢の世界から脱したカイル達はそこからもまた色々な事があった。過去の改変を防ぐ為にシャルティエの作られた天地戦争時代に行き天才科学者ハロルドとともに歴史の中に入り込み、そこからまたついてきたハロルドとともに今度はナナリーのいた時代へとエルレインを追い、またそれからカイル達のいた時代に戻り惑星を潰しかねない隕石・神の卵を呼び寄せたエルレインとの最後の対面に至った・・・
色々なことがあった・・・本当に・・・ジューダスの悲しみだけではなく、カイル達の苦悩や信念もルークの心を強く揺り動かした。誰もが一人一人悩み苦しみながらも自らの力で答えを出し、それでも駄目な時には支え合い一つになれる在り方。その迷い決断した歩みは強く・・・遂には降臨した神、フォルトゥナを討ち果たした。
・・・しかしそれは時を越えたカイル達の決別の時、神の起こした事象は神が死んだ事で全ての時間の流れが神の干渉がない状態に戻る事となった。まず別れは神の分身であったリアラ。神を殺す事はつまりリアラを殺す事、カイルの考えに考えた結論によりリアラは悔いなく消えていった。続いてはハロルド、彼女らしくなく非科学的な絆という物を悪くないといい光とともに彼女は消えていった。続いてナナリー、彼女は影を残さぬ明るさで笑顔とともに消えていった。
・・・そして次にカイル達と別れる事になったのは、ジューダスだった。その表情には彼女達と同様陰りなど見せず、むしろ安らかさすら見えるような顔でカイル達と最後の会話を交わして・・・光とともに消えていった。
・・・そしてジューダスが意識を取り戻した先は、異次元空間・・・
「そして俺の時間移動に巻き込まれて、ジューダスがここに・・・」
タタル渓谷での出会いを思い出しながら、ルークはどうしようもない気持ちに襲われていた。
ジューダスを巻き込んだと知った時はそれは本当に申し訳ないとルークは思った、人に迷惑をかけてしまったと思って。しかし今はジューダスの事をどうしようもなく気にかけてしまっている、なまじ過去を知ってしまったばかりに放っておけずにいる。独りで辛い物を背負って来たのに、その姿に弱さはない。むしろ毅然とした強さがある。その表情の裏にはどんなに壮絶な思いを隠しているのか、そして巻き込んでしまった自分にはどう思っているのか・・・?
「え・・・なんか目が覚めるような感覚が・・・」
少しの間だが考えにふけっていたルークに突然この空間から離れる感覚が襲い掛かってくる。何がなんだかわからず戸惑うまま、ルークはこの空間を後にしていった・・・
そしてはっと気付いた先にいたのはローレライと、辛い過去を見せたのに表情の変わらないジューダス。
「僕の記憶は見たな?」
「・・・うん」
「これを会合の場で見せれば信じざるを得んだろう、僕の事を」
「・・・なあ、ジューダス・・・一つだけ、一つだけ俺にホントの事を言ってくれないか?」
「・・・なんだ?」
いつもの顔を崩さないジューダスに、ルークは沸々と沸き上がる想いと疑問を答えてもらうため自然と抑えられた声を向ける。流石に雰囲気が違うと感じたジューダスも言葉を止め、ルークの言葉を待つ。
「ジューダスは・・・今幸せ・・・?」
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