救う者と救われるもの 第十九話
「初めまして、だな。ルークにジューダス、会いたかったぜ、二人とも」
「お初にお目にかかります、ピオニー陛下。ジューダスでございます」
意志を燈したルークとジューダスを見ると、ピオニーは笑顔で挨拶をする。ジューダスは儀礼的に頭を下げ、ルークは喉を鳴らし一歩前に出る。
「初めまして、ピオニー陛下。ルークです・・・今日ここにヴァン師匠を連れて来てくれてありがとうございます」
「いや、気にする事はない。世界を救う一行の頼みなんだ、それくらいはやらせてもらうさ」
「・・・陛下、ルークと話をさせていただいてよろしいでしょうか?」
畏まった様子を見せるルークにピオニーはスタイルを崩さず、気さくなまま返す。そこにピオニーの後ろからヴァンが面会を求めるように、会話の許可を神妙に申し出て来た。
「あぁ、構わない。ルーク、お前もいいか?」
ピオニーからの答えるまでもない質問にルークはゆっくり頷き、ピオニーの横を通るとヴァンに覚悟を決めたよう向き合う。
「・・・お久しぶりです、ヴァン師匠」
「久しぶりだな、ルーク・・・とりあえず色々言いたい事はあるが、これは先に言わせてもらおう。お前に私の計画が崩されるとは思わなかった、見事と言っておこう・・・」
「・・・師匠・・・」
褒めてこそいるように聞こえる、だが実質的に言葉に込められた思いに諦めや賞賛は全くない。その裏側に込められた野望、まだ途切れていないと感じたルークは不安そうに呟く。
そこにジューダスがルークの隣にいつの間にか位置付ける。気配のなかったその行動に少しルークは驚き、のけ反りかける。
「・・・ジューダスか。そういえばお前は以前いなかったと言っていたな。お前は何を持ってルークに協力していた?リアリストと死霊使いが言う程の者が私の描くこの星の未来と、ルーク達が切り開いたこの星の未来。どちらがより合理的かはお前なら分かるだろう?」
今度は自らの計画の方が現実的であろうと、ヴァンはジューダスに投げかけてくる。信念は全く折れていない・・・全員がその内情を理解出来る程、言葉には間違っていないと自信に満ちている。後ろに控えるラルゴ・リグレットも後悔などの後ろめたい感情は表情からは一切見えない。
と、ルークはジューダスの横顔をふと横目で見る・・・そこには鋭く切れそうな瞳で眉間にシワを寄せた、今まで見せた事のない怒りを見せるジューダスがいた。
「・・・あいにくだが僕はリアリストなどではない、ただの人間だ。そしてヴァン、お前もだ・・・お前に言いたい事はそれこそたくさんある、だが今はそれは言わん・・・陛下、導師。会合の際にヴァン謡将を出席させていただいて構わないでしょうか・・・?」
会話途中静かな怒りを込めた声を抑え、ジューダスはピオニーとイオンに肯定してもらおうと強い想いを込めた頼みを切り出す。
「あぁ、それはインゴベルト陛下に話を通せば出来ると思うが・・・」
「僕からお話を通させていただきます、多分陛下も了承して下さると思いますよ」
二人はそんな頼みに応じる事を約束する。
「ありがとうございます・・・ヴァン、話はそこでだ」
そこで二人に礼を言うと再び激情のこもった声でヴァンに声をかけ、ジューダスは話を打ち切る。その対象のヴァンはただならぬ雰囲気に、口元を引き締め押し黙る。
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「お初にお目にかかります、ピオニー陛下。ジューダスでございます」
意志を燈したルークとジューダスを見ると、ピオニーは笑顔で挨拶をする。ジューダスは儀礼的に頭を下げ、ルークは喉を鳴らし一歩前に出る。
「初めまして、ピオニー陛下。ルークです・・・今日ここにヴァン師匠を連れて来てくれてありがとうございます」
「いや、気にする事はない。世界を救う一行の頼みなんだ、それくらいはやらせてもらうさ」
「・・・陛下、ルークと話をさせていただいてよろしいでしょうか?」
畏まった様子を見せるルークにピオニーはスタイルを崩さず、気さくなまま返す。そこにピオニーの後ろからヴァンが面会を求めるように、会話の許可を神妙に申し出て来た。
「あぁ、構わない。ルーク、お前もいいか?」
ピオニーからの答えるまでもない質問にルークはゆっくり頷き、ピオニーの横を通るとヴァンに覚悟を決めたよう向き合う。
「・・・お久しぶりです、ヴァン師匠」
「久しぶりだな、ルーク・・・とりあえず色々言いたい事はあるが、これは先に言わせてもらおう。お前に私の計画が崩されるとは思わなかった、見事と言っておこう・・・」
「・・・師匠・・・」
褒めてこそいるように聞こえる、だが実質的に言葉に込められた思いに諦めや賞賛は全くない。その裏側に込められた野望、まだ途切れていないと感じたルークは不安そうに呟く。
そこにジューダスがルークの隣にいつの間にか位置付ける。気配のなかったその行動に少しルークは驚き、のけ反りかける。
「・・・ジューダスか。そういえばお前は以前いなかったと言っていたな。お前は何を持ってルークに協力していた?リアリストと死霊使いが言う程の者が私の描くこの星の未来と、ルーク達が切り開いたこの星の未来。どちらがより合理的かはお前なら分かるだろう?」
今度は自らの計画の方が現実的であろうと、ヴァンはジューダスに投げかけてくる。信念は全く折れていない・・・全員がその内情を理解出来る程、言葉には間違っていないと自信に満ちている。後ろに控えるラルゴ・リグレットも後悔などの後ろめたい感情は表情からは一切見えない。
と、ルークはジューダスの横顔をふと横目で見る・・・そこには鋭く切れそうな瞳で眉間にシワを寄せた、今まで見せた事のない怒りを見せるジューダスがいた。
「・・・あいにくだが僕はリアリストなどではない、ただの人間だ。そしてヴァン、お前もだ・・・お前に言いたい事はそれこそたくさんある、だが今はそれは言わん・・・陛下、導師。会合の際にヴァン謡将を出席させていただいて構わないでしょうか・・・?」
会話途中静かな怒りを込めた声を抑え、ジューダスはピオニーとイオンに肯定してもらおうと強い想いを込めた頼みを切り出す。
「あぁ、それはインゴベルト陛下に話を通せば出来ると思うが・・・」
「僕からお話を通させていただきます、多分陛下も了承して下さると思いますよ」
二人はそんな頼みに応じる事を約束する。
「ありがとうございます・・・ヴァン、話はそこでだ」
そこで二人に礼を言うと再び激情のこもった声でヴァンに声をかけ、ジューダスは話を打ち切る。その対象のヴァンはただならぬ雰囲気に、口元を引き締め押し黙る。
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