救う者と救われるもの 第十九話
「そうか、済まないないきなり・・・とりあえず本題に入ろう、お前達がグランコクマに来た理由を話してくれ」
「はっ」
ひとまず朗報を聞けた事でピオニー自身もホッとする中、気を取り直し話を聞こう冷静になる。その言葉に簡潔に返事を返し、シンクは経緯を話し出した。
「・・・という事です。和平の締結、外殻大地降下についてと預言を排する為の話し合い。会合の場所はユリアシティになります。キムラスカはもちろんダアトにケセドニアの代表も話し合いをすることに同意してくれました。つきましてはピオニー陛下にもユリアシティでの会合に出席していただきたいと、インゴベルト陛下からのお言葉でございます」
「そういうことなら問題ない。俺もユリアシティの会合には出席させてもらう、インゴベルト陛下にはそう伝えてくれ」
「かしこまりました」
事情が事情だけにピオニーもすぐに参加を表明し、シンクは頭を下げる。
「護衛は・・・と、聞くまでもないな。ジェイド、来るか？」
「聞かれるまでもありません、もちろん私も行かせていただきます」
今度はジェイドに視線を向けてピオニーが一緒に行くかと聞くが、ジェイドから即答で行くと返って来た。迷うまでもない質問だろうと、強い意志が感じ取れる。すると今度は頭を上げたシンクから声が上がる。
「・・・こちらで総長及び、リグレットとラルゴが捕らえられているとお聞きしました。ユリアシティに来ていただく時、三人を連れて来ていただけないでしょうか？」
「ん・・・それは構わんが、何故三人を連れていくんだ？」
「説得の為です」
説得という言葉。周りにいるジェイド達はシンクから出たそれに心底驚き目を見開く。
「ルークは全て助けたいと言い行動を起こしてきました。その一点に含まれているのは総長との和解もあります。出来れば獄に繋いだまま後で説得をするより、ユリアシティにて全てを話した上でその場で討論することがどちらにとっても吹っ切るいいきっかけになると思われます。善くも悪くも相手に対しての最終的な態度をどう取るかという結論に到るために」
「・・・ちなみに聞くが、それはシンク個人としての頼みか？」
真剣に話すシンクの声に、ピオニーはその考えは自分の物かと問う。
「・・・はい。勝手な事を申し上げた事、お詫びします・・・」
その答えに気まずさと恥ずかしいという複雑さを見せながら、シンクは頭を下げる。だがそれ以上に、ティア達はそのシンクの変化に驚愕を隠す事が出来ずに一歩引きかけてしまう。まさか、六人の心に来訪しているのはこの一言に尽きる。百聞は一見にしかずとは言うが、正に体感してみると全然違う。ここまで顕著に変化の姿を見せられティア達は動揺しないはずがなかった。
しかしシンクとの交流のないピオニーはイメージに抵抗を持つ事なく、その答えをあっさりと返す。
「そういうことならヴァン達もユリアシティに連れていこう。世界を救ってくれた英雄の為だ、これくらいはしないとな」
「・・・ありがとうございます」
ルークを想い独断で案を発したが、ピオニーはすぐさま受け入れてくれた。シンクは素直に感謝を示す。そこに動揺から立ち直ったジェイドが声を出す。
「ヴァン謡将を説得と言いますが、貴方の目から見てうまく行くと思いますか？ルークに説得された貴方は」
確かめるようなジェイドの声色、説得が最も難しい部類と思われていたシンクからヴァンの説得をルークが出来るかとの可能性の問い掛け。お墨付きが気休めでも欲しいジェイドではあるが、返って来たのは予想とは少し違う答えだ。
「どうだろう、ルークはあんまり口に出して上手く説明出来るようなタイプじゃないし。どっちかと言えばジューダスがルークの言葉を代弁してたからジューダス次第だと思うけど、イケると思うよ？」
「えっ・・・？」
出された返答にティア達の戸惑いの声が響く。ジューダス・・・その名に、ティア達の間で再び波紋が広がった。
．
「はっ」
ひとまず朗報を聞けた事でピオニー自身もホッとする中、気を取り直し話を聞こう冷静になる。その言葉に簡潔に返事を返し、シンクは経緯を話し出した。
「・・・という事です。和平の締結、外殻大地降下についてと預言を排する為の話し合い。会合の場所はユリアシティになります。キムラスカはもちろんダアトにケセドニアの代表も話し合いをすることに同意してくれました。つきましてはピオニー陛下にもユリアシティでの会合に出席していただきたいと、インゴベルト陛下からのお言葉でございます」
「そういうことなら問題ない。俺もユリアシティの会合には出席させてもらう、インゴベルト陛下にはそう伝えてくれ」
「かしこまりました」
事情が事情だけにピオニーもすぐに参加を表明し、シンクは頭を下げる。
「護衛は・・・と、聞くまでもないな。ジェイド、来るか？」
「聞かれるまでもありません、もちろん私も行かせていただきます」
今度はジェイドに視線を向けてピオニーが一緒に行くかと聞くが、ジェイドから即答で行くと返って来た。迷うまでもない質問だろうと、強い意志が感じ取れる。すると今度は頭を上げたシンクから声が上がる。
「・・・こちらで総長及び、リグレットとラルゴが捕らえられているとお聞きしました。ユリアシティに来ていただく時、三人を連れて来ていただけないでしょうか？」
「ん・・・それは構わんが、何故三人を連れていくんだ？」
「説得の為です」
説得という言葉。周りにいるジェイド達はシンクから出たそれに心底驚き目を見開く。
「ルークは全て助けたいと言い行動を起こしてきました。その一点に含まれているのは総長との和解もあります。出来れば獄に繋いだまま後で説得をするより、ユリアシティにて全てを話した上でその場で討論することがどちらにとっても吹っ切るいいきっかけになると思われます。善くも悪くも相手に対しての最終的な態度をどう取るかという結論に到るために」
「・・・ちなみに聞くが、それはシンク個人としての頼みか？」
真剣に話すシンクの声に、ピオニーはその考えは自分の物かと問う。
「・・・はい。勝手な事を申し上げた事、お詫びします・・・」
その答えに気まずさと恥ずかしいという複雑さを見せながら、シンクは頭を下げる。だがそれ以上に、ティア達はそのシンクの変化に驚愕を隠す事が出来ずに一歩引きかけてしまう。まさか、六人の心に来訪しているのはこの一言に尽きる。百聞は一見にしかずとは言うが、正に体感してみると全然違う。ここまで顕著に変化の姿を見せられティア達は動揺しないはずがなかった。
しかしシンクとの交流のないピオニーはイメージに抵抗を持つ事なく、その答えをあっさりと返す。
「そういうことならヴァン達もユリアシティに連れていこう。世界を救ってくれた英雄の為だ、これくらいはしないとな」
「・・・ありがとうございます」
ルークを想い独断で案を発したが、ピオニーはすぐさま受け入れてくれた。シンクは素直に感謝を示す。そこに動揺から立ち直ったジェイドが声を出す。
「ヴァン謡将を説得と言いますが、貴方の目から見てうまく行くと思いますか？ルークに説得された貴方は」
確かめるようなジェイドの声色、説得が最も難しい部類と思われていたシンクからヴァンの説得をルークが出来るかとの可能性の問い掛け。お墨付きが気休めでも欲しいジェイドではあるが、返って来たのは予想とは少し違う答えだ。
「どうだろう、ルークはあんまり口に出して上手く説明出来るようなタイプじゃないし。どっちかと言えばジューダスがルークの言葉を代弁してたからジューダス次第だと思うけど、イケると思うよ？」
「えっ・・・？」
出された返答にティア達の戸惑いの声が響く。ジューダス・・・その名に、ティア達の間で再び波紋が広がった。
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