救う者と救われるもの 第十九話

「ジューダスも、依存はないな?」
ルークからの返事が聞けた事で今度はジューダスに返答を求める。
「・・・わかりました。私も共に休ませていただきます」
周りを見渡し味方を探すジューダスであったが、誰もが突き放すように駄目だと目で、顔で語っている。その雰囲気に折れたジューダスは渋々とルークと一緒に留まる事にする。しかしまだ伝えたいことがあるジューダスは表情を引き締め、口を開く。
「ですが一つ言わせていただく事がございます」
「うむ・・・なんだ?」
「キムラスカ・マルクト・ダアトの三国で会合を持ち掛けると申しましたが、その場にはケセドニアの代表も交えていただけないでしょうか?」
「む・・・そういえば以前もケセドニアからアスターに代表として話に加わっていたな・・・よし、ジューダスの申す通りケセドニアにも行ってもらおう。頼めるか?」
「はっ、承ります」
「国を廻る順序ですが、まずダアトからがよろしいかと。ケセドニアは導師の言葉があれば呼び掛けに応じるでしょうし、会合の場をユリアシティにすればケセドニア・マルクト側にその存在を認知していただけます。二つの事柄をスムーズに進めるにはまずはダアトから、後にマルクト・ケセドニアと向かうべきです」
「むぅ・・・成程・・・では針路はそのように取ってもらおう」
一度放たれていく言葉に感嘆しながら陛下はシンク達に同調するよう首を縦に振る。
「わかりました。では我々は早速ダアトに向かわせていただきます。ノエルがバチカルの外で待機していますのでいつまでも待たせる訳にはいけませんから」
「うむ。頼むぞ」
シンクもその案に賛同し、一刻も早く先に行くべきだと頭を下げ陛下に退出すると申し出る。反対する意味もない陛下はシンクの肩を叩き、にこやかに笑みを浮かべる。
「はっ、では行って参ります」
顔を上げその顔に真摯に返事をすると、シンクは二人に目配せをしてから入口の扉へと向かう。見送る形になった三人にアリエッタとフローリアンは晴々とした笑顔を見せると、颯爽とシンクの後ろに着いて行った。



・・・さて、この場に残った三人。休むとは言った物の、どう休もうかとルークとジューダスは見送りを終えた所でそう考えてしまう。だがそんな悩みを消すように二人に陛下は話し掛ける。
「休息を命じたばかりですまないが、少しわしに付き合わんか?シンク達には少しだけ話したが、ナタリア達の行動も合わせて今までの経緯を話したいと思うのだが」
「っ!?はいっ!聞かせて下さい!」
ナタリア達のと聞きルークは一瞬間を見せ、喜びに瞬間で表情を変えて声を大きくして答える。ルークからすれば今の今まで戻って来たと知らず、関わりを絶っていた人達の情報だ。是非とも知りたくてたまらないのだろう。
「・・・私もご一緒させていただきます」
ジューダスも控えめにしながらもその話に加わる事を明らかにする。ジューダスからすればその行動いかんで予定も大幅に変わるが故に話を聞く事にしたのだ。本来ならルーク達の間での出来事、ジューダスはそんな場なら自分だけでも退出をと言うがやむを得ず残る事を選んだ。










そして一方でアルビオールに戻ったシンク達。
「シンクさん、まずはダアトからでいいんですね?」
「うん、お願いするよ」
アルビオールに戻ったシンク達はノエルに事情を余す事なく説明し、理解してもらえたことで次の行き先をダアトへと変更してもらった。ちなみにルークとジューダスがいないことでこの一行の代表はシンクになっている。
「では出発します!」
離陸の一言をノエルは元気よくあげ、アルビオールは空へと勢いよく飛び立っていく。次の目的地、ダアトへと・・・








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