救う者と救われるもの 第十八話
「え・・・?どうしてアリエッタも、ですか?」
ジューダスの二人で行くという言葉にアリエッタも戸惑いを見せる。自分は行っても問題はない、そう考えていただけにアリエッタはずいっとジューダスの方に身を乗り出す。
「・・・単純な話だ。シンクとフローリアンはその瞬間に立ち会えん、だからアリエッタには二人と一緒に空の上でその瞬間に立ち会って欲しい」
「・・・なんでジューダスはアリエッタ達と一緒にいてくれない、ですか?」
「中和の瞬間、ルークに立ち会う人間は誰かが必要になる。キムラスカに戻った時に証人として側に誰かいなくてはユリアシティの人間に示しがつかん、いきなり障気が消えた訳に対してのな。その点ルークに立ち会う人選は必然的に僕かアリエッタのどちらかになるが、アリエッタは喋りは得意ではないだろう」
「・・・はい」
「だから僕とルークの二人で行く、と言ったんだ。納得したか?」
「・・・わかりました」
心情と報告の義務の二つを突かれ、アリエッタはジューダスの言葉に首を残念そうに縦に振る。すごすごと席に戻るアリエッタを見てルークが立ち上がって声を出す。
「アリエッタ・・・ホントにありがとう。ここから先は俺とジューダスでやるから、アルビオールで待っていてくれ」
そこからルークはぐるりと辺りを見回す。
「シンクも、フローリアンも、ノエルもありがとう。俺・・・障気の中和、成功させるから見ていてほしい」
感謝の言葉に決意を込めて、強い笑顔を見せルークは軽く首を縦に振る。
「今更全てを変える瞬間に立ち会えないのは気に食わないけどね、まぁその瞬間はちゃんと見ておいてやるさ」
「僕もちゃんと見るよ!ルークが障気っていうのを中和する瞬間!」
「・・・アリエッタ、一緒にいれないのちょっと嫌ですけど、シンク達と一緒に二人を後で迎えに行きます」
「終わったらすぐに行きますから、ゆっくりしていてくださいね?」
そのルークに応えるように思い思いの言葉を個人個人でかけてきた。
「・・・ありがとう」
出て来た言葉はただありがとうの一言。ルークはただボソッと口の中にそう納めつつ、首を縦に振りながら席にルークはつく。
上空でのやり取りも落ち着き、アルビオールはアクゼリュスのあった跡地の穴に飛び込んで行きレムの塔へ向かう。外殻大地がゆっくりと魔界へと降り立とうとしている中、紫色の風景・液状の泥と化した元の大地の毒々しさが目に映る。
刻一刻と外殻大地が本来の大地に近づく中で、アルビオールの速度は最高潮を保って目的地へ向かう・・・
・・・そして外殻大地がまだ空に留まり降下を続けている中、アルビオールはレムの塔にたどり着いた。
レムの塔に着いたアルビオールは一気に塔のてっぺんへと横付けに入る。下から昇って行くというのは塔の入口の鍵を持っていない為、選択肢には入っていなかった。故にレムの塔のてっぺんに直接つける事にしたのだ。
ギリギリの位置でアルビオールが浮遊状態を保つ中で入口の扉が開く。その扉から出ようと姿を現したルークとジューダス、強風に煽られ風を受けつつもルークは中にいるシンク達に振り返る。
「じゃあ・・・行ってくる!」
真剣な表情をシンク達に残し、ルークは答えを待たずにレムの塔のてっぺんに跳んで行く。ジューダスは言葉は残さずただ強い視線だけをやり、その後に続き塔のてっぺんに跳んで行く。
「それじゃあ私達は出来るだけ遠くに行きます!」
ジューダスも無事に塔に降り立ったところで、ノエルの声と共にアルビオールの入口の扉が閉まる。ホバリングしていたアルビオールもそれを機に勢いよく上昇し、レムの塔から最大速度を持って離れていく。
「・・・いよいよだな・・・」
「・・・うん・・・」
飛び去るアルビオールの後ろ姿を見ながらこの塔に残った二人は万感の思いを胸に、会話をする。中和前の最後の会話を・・・
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ジューダスの二人で行くという言葉にアリエッタも戸惑いを見せる。自分は行っても問題はない、そう考えていただけにアリエッタはずいっとジューダスの方に身を乗り出す。
「・・・単純な話だ。シンクとフローリアンはその瞬間に立ち会えん、だからアリエッタには二人と一緒に空の上でその瞬間に立ち会って欲しい」
「・・・なんでジューダスはアリエッタ達と一緒にいてくれない、ですか?」
「中和の瞬間、ルークに立ち会う人間は誰かが必要になる。キムラスカに戻った時に証人として側に誰かいなくてはユリアシティの人間に示しがつかん、いきなり障気が消えた訳に対してのな。その点ルークに立ち会う人選は必然的に僕かアリエッタのどちらかになるが、アリエッタは喋りは得意ではないだろう」
「・・・はい」
「だから僕とルークの二人で行く、と言ったんだ。納得したか?」
「・・・わかりました」
心情と報告の義務の二つを突かれ、アリエッタはジューダスの言葉に首を残念そうに縦に振る。すごすごと席に戻るアリエッタを見てルークが立ち上がって声を出す。
「アリエッタ・・・ホントにありがとう。ここから先は俺とジューダスでやるから、アルビオールで待っていてくれ」
そこからルークはぐるりと辺りを見回す。
「シンクも、フローリアンも、ノエルもありがとう。俺・・・障気の中和、成功させるから見ていてほしい」
感謝の言葉に決意を込めて、強い笑顔を見せルークは軽く首を縦に振る。
「今更全てを変える瞬間に立ち会えないのは気に食わないけどね、まぁその瞬間はちゃんと見ておいてやるさ」
「僕もちゃんと見るよ!ルークが障気っていうのを中和する瞬間!」
「・・・アリエッタ、一緒にいれないのちょっと嫌ですけど、シンク達と一緒に二人を後で迎えに行きます」
「終わったらすぐに行きますから、ゆっくりしていてくださいね?」
そのルークに応えるように思い思いの言葉を個人個人でかけてきた。
「・・・ありがとう」
出て来た言葉はただありがとうの一言。ルークはただボソッと口の中にそう納めつつ、首を縦に振りながら席にルークはつく。
上空でのやり取りも落ち着き、アルビオールはアクゼリュスのあった跡地の穴に飛び込んで行きレムの塔へ向かう。外殻大地がゆっくりと魔界へと降り立とうとしている中、紫色の風景・液状の泥と化した元の大地の毒々しさが目に映る。
刻一刻と外殻大地が本来の大地に近づく中で、アルビオールの速度は最高潮を保って目的地へ向かう・・・
・・・そして外殻大地がまだ空に留まり降下を続けている中、アルビオールはレムの塔にたどり着いた。
レムの塔に着いたアルビオールは一気に塔のてっぺんへと横付けに入る。下から昇って行くというのは塔の入口の鍵を持っていない為、選択肢には入っていなかった。故にレムの塔のてっぺんに直接つける事にしたのだ。
ギリギリの位置でアルビオールが浮遊状態を保つ中で入口の扉が開く。その扉から出ようと姿を現したルークとジューダス、強風に煽られ風を受けつつもルークは中にいるシンク達に振り返る。
「じゃあ・・・行ってくる!」
真剣な表情をシンク達に残し、ルークは答えを待たずにレムの塔のてっぺんに跳んで行く。ジューダスは言葉は残さずただ強い視線だけをやり、その後に続き塔のてっぺんに跳んで行く。
「それじゃあ私達は出来るだけ遠くに行きます!」
ジューダスも無事に塔に降り立ったところで、ノエルの声と共にアルビオールの入口の扉が閉まる。ホバリングしていたアルビオールもそれを機に勢いよく上昇し、レムの塔から最大速度を持って離れていく。
「・・・いよいよだな・・・」
「・・・うん・・・」
飛び去るアルビオールの後ろ姿を見ながらこの塔に残った二人は万感の思いを胸に、会話をする。中和前の最後の会話を・・・
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