救う者と救われるもの 第十八話
飛び立つアルビオール、すぐにラジエイトゲートに向かい進路を取る。
強行軍は確かに効果を発揮する。また数時間程もして、一気にアルビオールはラジエイトゲートへとたどり着く。
「急ぐぞ!」
着陸をしたアルビオールから勢いよく飛び出し、ジューダスが先頭を取る。それに倣い皆アルビオールから飛び出すと、ラジエイトゲートの中へと走り出す。
アブソーブゲートとは違い、同じ創世歴時代の遺物であるというのに内部がやたら破壊された部分が目立つラジエイトゲート。セフィロトの要という点においては同じはずなのに、何故ここまで壊れてしまっているのか?
その答えを知るよしもないルーク達は倒壊している建造物を乗り越えながら、先へ先へ進んでいく。
・・・ここまでヴァン達敵からの妨害や、自分達の思い違いで行動に誤算が生まれた事もない。不思議なものだと思うと同時に、ルークはこれが預言に頼らない自分の考えで行動を起こす事なのだとジューダスを見てそう思わずにはいられない。
世界がルーク達のやろうとしていることを知ってはいない、だがいずれ世界は滅んでしまう。
・・・誰にも知られない世界の救済・・・敵であるヴァンすらやろうとしていることの片鱗すら知らない。だがそれこそルークの、ジューダスの行う目標。
・・・今こそ、それは成されんとする。
「着いた・・・!」
パッセージリングの制御板の前にたどり着いたルーク。すぐさま制御板の操作を始める。
操作するルークを見つめつつ、ジューダス達もその動作に息を止め緊迫感を持っている。これが最後のリング操作なのだ、注目出来ない訳がない。
「・・・これでっ!外殻大地、降下だぁっ!」
注目を全身に浴びる中、ルークは最後の操作の為に必要な作業をすると宣言しながら腕を上げ、勢いよく指を操作板の前に下ろす。
・・・その瞬間世界が動いた。
「・・・む・・・」
バチカルの陛下の私室、陛下は大地の異変を感じ戸惑いの声をあげる。大地が下がっているような浮遊感、しかし戸惑いもすぐに陛下は消して執務に取り掛かる。
「いよいよか・・・」
外殻大地の降下を目標としていたルーク達、ならば自分はその後の事を考えるべき。机に向かう陛下の顔は真剣そのものだ。
「・・・ん・・・?」
「へ、陛下・・・!?これは・・・!?」
グランコクマの謁見の間で椅子に座り大地の違和感を感じたピオニー、近くにいたゼーゼマンもピオニーに慌てて声をかける。
「あぁ、ジェイドの報告にあった外殻大地の陛下だろうな。数時間すれば降下を終えるらしいからな、そこまで慌てる必要はない。ただ民が混乱を起こした場合、すぐさま沈静出来るように準備だけはしておけ」
「はっ!」
キムラスカとは違いルーク達の影響が少ないマルクトはピオニー含む一部以外、預言の事実を明らかにしきれていない。ピオニーはその場にいるゼーゼマンに騒ぎがあった場合任せると、そう命じる。
「・・・これは、ジェイドの言っていた・・・」
「・・・外殻大地の降下、ですね」
ダアトのイオンの部屋、同じように地面の揺れを感じ取ったイオンは話し相手として、護衛としていてほしいと頼んだディストに顔を向け話し掛けるように確認を取る。ディストも起こっている現象から、降下しているのだと確信する。
「ルークという人達は上手くいったようですね・・・」
「えぇ・・・そのようですが・・・むしろ問題はジェイド達ではないですか?外殻大地の降下はルーク達の無事を知らせてくれましたが、こちらにはジェイドの無事だという証は届かないんですからね」
「あ・・・でもジェイド達は無事だと僕は信じています。封印術さえうまく使えればヴァン達を捕らえる可能性も十分だと思いますし、きっと彼らなら・・・」
ルークの成した事を思い顔を明るくしたイオンだが、ディストからジェイド達と聞き願うように目を閉じる。
そして当の本人ジェイド達はグランコクマに向かうタルタロスの中にいた。
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強行軍は確かに効果を発揮する。また数時間程もして、一気にアルビオールはラジエイトゲートへとたどり着く。
「急ぐぞ!」
着陸をしたアルビオールから勢いよく飛び出し、ジューダスが先頭を取る。それに倣い皆アルビオールから飛び出すと、ラジエイトゲートの中へと走り出す。
アブソーブゲートとは違い、同じ創世歴時代の遺物であるというのに内部がやたら破壊された部分が目立つラジエイトゲート。セフィロトの要という点においては同じはずなのに、何故ここまで壊れてしまっているのか?
その答えを知るよしもないルーク達は倒壊している建造物を乗り越えながら、先へ先へ進んでいく。
・・・ここまでヴァン達敵からの妨害や、自分達の思い違いで行動に誤算が生まれた事もない。不思議なものだと思うと同時に、ルークはこれが預言に頼らない自分の考えで行動を起こす事なのだとジューダスを見てそう思わずにはいられない。
世界がルーク達のやろうとしていることを知ってはいない、だがいずれ世界は滅んでしまう。
・・・誰にも知られない世界の救済・・・敵であるヴァンすらやろうとしていることの片鱗すら知らない。だがそれこそルークの、ジューダスの行う目標。
・・・今こそ、それは成されんとする。
「着いた・・・!」
パッセージリングの制御板の前にたどり着いたルーク。すぐさま制御板の操作を始める。
操作するルークを見つめつつ、ジューダス達もその動作に息を止め緊迫感を持っている。これが最後のリング操作なのだ、注目出来ない訳がない。
「・・・これでっ!外殻大地、降下だぁっ!」
注目を全身に浴びる中、ルークは最後の操作の為に必要な作業をすると宣言しながら腕を上げ、勢いよく指を操作板の前に下ろす。
・・・その瞬間世界が動いた。
「・・・む・・・」
バチカルの陛下の私室、陛下は大地の異変を感じ戸惑いの声をあげる。大地が下がっているような浮遊感、しかし戸惑いもすぐに陛下は消して執務に取り掛かる。
「いよいよか・・・」
外殻大地の降下を目標としていたルーク達、ならば自分はその後の事を考えるべき。机に向かう陛下の顔は真剣そのものだ。
「・・・ん・・・?」
「へ、陛下・・・!?これは・・・!?」
グランコクマの謁見の間で椅子に座り大地の違和感を感じたピオニー、近くにいたゼーゼマンもピオニーに慌てて声をかける。
「あぁ、ジェイドの報告にあった外殻大地の陛下だろうな。数時間すれば降下を終えるらしいからな、そこまで慌てる必要はない。ただ民が混乱を起こした場合、すぐさま沈静出来るように準備だけはしておけ」
「はっ!」
キムラスカとは違いルーク達の影響が少ないマルクトはピオニー含む一部以外、預言の事実を明らかにしきれていない。ピオニーはその場にいるゼーゼマンに騒ぎがあった場合任せると、そう命じる。
「・・・これは、ジェイドの言っていた・・・」
「・・・外殻大地の降下、ですね」
ダアトのイオンの部屋、同じように地面の揺れを感じ取ったイオンは話し相手として、護衛としていてほしいと頼んだディストに顔を向け話し掛けるように確認を取る。ディストも起こっている現象から、降下しているのだと確信する。
「ルークという人達は上手くいったようですね・・・」
「えぇ・・・そのようですが・・・むしろ問題はジェイド達ではないですか?外殻大地の降下はルーク達の無事を知らせてくれましたが、こちらにはジェイドの無事だという証は届かないんですからね」
「あ・・・でもジェイド達は無事だと僕は信じています。封印術さえうまく使えればヴァン達を捕らえる可能性も十分だと思いますし、きっと彼らなら・・・」
ルークの成した事を思い顔を明るくしたイオンだが、ディストからジェイド達と聞き願うように目を閉じる。
そして当の本人ジェイド達はグランコクマに向かうタルタロスの中にいた。
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