救う者と救われるもの 第十七話
・・・対峙、一言で言えばそれ。二つのタルタロスの間に相対したジェイド・ティア・ガイ・ナタリアとラルゴ・アッシュ。
先に待っていたジェイドが厳しい表情になってその場に来たラルゴに、最初の一言を放つ。
「おや、そちらはお二人ですか?六神将というからには後三人程おられるのではないのですか?」
先制攻撃に自分側の人数不足の指摘、ラルゴはどう答えるのか戸惑うものの正直に答える。
「・・・シンクとアリエッタは別件の任務でこの場にはいない。ディストはダアトに戻った。故にここにいるのは我々だけだ」
「・・・ほぅ・・・それはそれは・・・」
ディストという単語に反応したジェイドは少々意外だと目を見開き、口に手を当てる。だがそれを余裕と見て取ったのか、ラルゴが怒気を滲ませながら眉をあげる。
「貴様・・・そのようなことより、閣下とリグレットを捕らえた理由を話してもらおうか・・・」
威圧的に抑えられた声に普通の人なら気圧される所であろうが、そこはジェイド。圧力を流すように笑みを浮かべる。
「捕らえた理由ですか?簡単ですよ、あなたがたがマルクトから奪っていったタルタロスを返していただく為にリグレットとヴァン謡将を餌におびき出そうと思いましてね」
「・・・」
ギリッと強く手を握り怒りを抑えるラルゴ。飄々と続けるジェイドの態度がヴァンを無下に扱っていると感じてしまうが、それでも自分がヴァンを交渉で助け出さなければいけないと自覚している。怒りを出せないラルゴは静かにジェイドを見る。
「・・・ですが、少々厄介な事がありましてね。このまま素直にあなた達に二人を返す訳にはいかないんですよ」
「・・・何?」
だが切り返しに出て来た言葉に更に怒りが込み上げてくる。一触即発といった雰囲気になっているラルゴだが、瞬時にジェイドの瞳が鋭く光りラルゴの感情も戸惑いで消える。
「あなたがたは知らないでしょうが、アクゼリュスは既に魔界に落ちました」
「「何!?」」
いきなりの宣言にラルゴだけではなく、アッシュまでもが動揺を表す。
「アクゼリュスの地は確かに魔界に落ちた。ですがそれはパッセージリングの寿命の為にやむを得ずとのことで、キムラスカとマルクトはアクゼリュス住民の命が助かっただけよしという事で和平が結ばれる事になったんですよ。確か住民を救った代表者の名前は確か・・・ルークという名前のお方でしたね」
「な、何・・・!?」
名前を聞きラルゴではなくアッシュが戸惑いが混じった驚きを見せる。
「そこで和平を結ぼうとした時に問題がありましてね・・・アクゼリュスが崩落するというのは実は預言に詠まれていたそうで、事実確認をしましたところ住民もろともアクゼリュスを落とせという大詠師の指示がヴァン謡将に送られたという話を聞きましてね」
そこでジェイドは話を切り、眼鏡を抑えるとそこからラルゴを真剣な表情で射抜くように見る。
「要はヴァン謡将の仲間であるあなたたちを捕らえに来たんですよ、私達は」
核心である言葉が放たれた、その事実にラルゴは瞬時に自信の武器である大鎌を取り出す。闘争に踏み切る事を辞さないその態度に、緊迫した表情でティア・ガイ・ナタリアも各々の武器を手に持つ。
「・・・どこから我々の情報を手に入れたか知らんが、貴様らを倒さねば閣下は助けられんのだろう。ならば戦わせてもらう!」
色々聞きたい事はある、だがヴァン達が実際にやろうとしていたことを知られていた時点で敵としてしか見るしかない。ラルゴは人数において不利な点はあるがここで引く事は出来ないと、不退転の覚悟でジェイド達に宣戦布告をする。
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先に待っていたジェイドが厳しい表情になってその場に来たラルゴに、最初の一言を放つ。
「おや、そちらはお二人ですか?六神将というからには後三人程おられるのではないのですか?」
先制攻撃に自分側の人数不足の指摘、ラルゴはどう答えるのか戸惑うものの正直に答える。
「・・・シンクとアリエッタは別件の任務でこの場にはいない。ディストはダアトに戻った。故にここにいるのは我々だけだ」
「・・・ほぅ・・・それはそれは・・・」
ディストという単語に反応したジェイドは少々意外だと目を見開き、口に手を当てる。だがそれを余裕と見て取ったのか、ラルゴが怒気を滲ませながら眉をあげる。
「貴様・・・そのようなことより、閣下とリグレットを捕らえた理由を話してもらおうか・・・」
威圧的に抑えられた声に普通の人なら気圧される所であろうが、そこはジェイド。圧力を流すように笑みを浮かべる。
「捕らえた理由ですか?簡単ですよ、あなたがたがマルクトから奪っていったタルタロスを返していただく為にリグレットとヴァン謡将を餌におびき出そうと思いましてね」
「・・・」
ギリッと強く手を握り怒りを抑えるラルゴ。飄々と続けるジェイドの態度がヴァンを無下に扱っていると感じてしまうが、それでも自分がヴァンを交渉で助け出さなければいけないと自覚している。怒りを出せないラルゴは静かにジェイドを見る。
「・・・ですが、少々厄介な事がありましてね。このまま素直にあなた達に二人を返す訳にはいかないんですよ」
「・・・何?」
だが切り返しに出て来た言葉に更に怒りが込み上げてくる。一触即発といった雰囲気になっているラルゴだが、瞬時にジェイドの瞳が鋭く光りラルゴの感情も戸惑いで消える。
「あなたがたは知らないでしょうが、アクゼリュスは既に魔界に落ちました」
「「何!?」」
いきなりの宣言にラルゴだけではなく、アッシュまでもが動揺を表す。
「アクゼリュスの地は確かに魔界に落ちた。ですがそれはパッセージリングの寿命の為にやむを得ずとのことで、キムラスカとマルクトはアクゼリュス住民の命が助かっただけよしという事で和平が結ばれる事になったんですよ。確か住民を救った代表者の名前は確か・・・ルークという名前のお方でしたね」
「な、何・・・!?」
名前を聞きラルゴではなくアッシュが戸惑いが混じった驚きを見せる。
「そこで和平を結ぼうとした時に問題がありましてね・・・アクゼリュスが崩落するというのは実は預言に詠まれていたそうで、事実確認をしましたところ住民もろともアクゼリュスを落とせという大詠師の指示がヴァン謡将に送られたという話を聞きましてね」
そこでジェイドは話を切り、眼鏡を抑えるとそこからラルゴを真剣な表情で射抜くように見る。
「要はヴァン謡将の仲間であるあなたたちを捕らえに来たんですよ、私達は」
核心である言葉が放たれた、その事実にラルゴは瞬時に自信の武器である大鎌を取り出す。闘争に踏み切る事を辞さないその態度に、緊迫した表情でティア・ガイ・ナタリアも各々の武器を手に持つ。
「・・・どこから我々の情報を手に入れたか知らんが、貴様らを倒さねば閣下は助けられんのだろう。ならば戦わせてもらう!」
色々聞きたい事はある、だがヴァン達が実際にやろうとしていたことを知られていた時点で敵としてしか見るしかない。ラルゴは人数において不利な点はあるがここで引く事は出来ないと、不退転の覚悟でジェイド達に宣戦布告をする。
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