救う者と救われるもの 第十二話
ルークは焦っていた。ジューダスが足止めをしているのではないか?そのジューダスはどうしているのか?アリエッタが何故ここに来ているのか?
色々な思いが重なり続いているルークは愕然としながらも近づいて来るアリエッタに、動揺のあまりに動けずにいた。
「・・・ねえ、ルーク。あの子、誰なの?」
だがフローリアンは二人の異様さに臆す事なく、ルークの手を握り教えてという目で見上げてくる。
「・・・どうして、ですか?イオン様・・・アリエッタの事、忘れた・・・ですか・・・?」
だがフローリアンの言葉に、アリエッタは泣きそうな顔でルーク達の目の前に詰め寄ってくる。
「イオン・・・?僕はイオンって名前じゃないよ?僕の名前はフローリアンっていうんだ」
「えっ・・・?」
「・・・僕ってそんなにイオンって人に似てるの、ルーク?」
「えっ!?・・・あっ、あっ、うん・・・」
突然に振られた自分への話にルークは勢いに任せて肯定を返す。
「・・・ルークもイオン様、知ってる、ですか?」
「・・・う、うん・・・」
そして今度はアリエッタからも教えてという泣きそうながらの視線をルークは浴びる。
「ルーク、教えてです。どうして、フローリアン、イオン様に似てる、ですか?」
「どうしてなの?ルーク?」
「う・・・」
二人の純粋な瞳に見つめられているルーク、だがルークは内容が内容なだけに二人の疑問にすぐさま答えようとは出来ず声を詰まらせる。
(下手に説明するとアリエッタが傷ついてしまうし、フローリアンも傷つく・・・どうしよう・・・)
ここで正直に全部包み隠さず真実を言えば、オリジナルのイオンが死んだという事にアリエッタがショックを受けかねない。最悪、アリエッタが行き場を失い自殺しかねない。それにフローリアンも自分の事を受け止めきれない可能性が出てくる。
『・・・ルークよ』
「うわっ!」
悩んでいるルークに、黙って様子を見ていたローレライが声をかけてきた。
『この場は我に任せよ』
「え・・・任せろって・・・まさか!駄目だ、ローレライ!」
もしかしてアリエッタ達に過去を見せる気なのかと、ルークは急いで制止を呼びかける。
『心配するな。むしろ二人には必要なこと、今から見せるのは希望へとつなぐための物だ』
自信があると言わんばかりのローレライの言葉に、ルークは「じゃあ、任せる」とローレライに一任する構えを取る。
『では二人とも、今から見せるものは実際に過去に起こった事だ・・・アリエッタ、お前は今から聞く言葉に特に耳を傾けろ。いいな?』
「?・・・はい」
何がなんだかわからないといった表情ではあるが、アリエッタは律義に返事を返す。
「うん、わかった!」
フローリアンもローレライに元気よく返事を返す。するとその瞬間、ローレライから出た光が二人を包み込んだ。
「・・・ローレライ、一体何を見せるんだ?二人に・・・」
光に包まれた二人を見て、どのようになっているかを知る事が出来ないルークはローレライに質問する。
『・・・言っただろう、二人に必要なことだと。それに我も不意にアリエッタの心を傷つけないよう配慮してある。我を信じよ』
「・・・わかった」
ルークはそのローレライの言葉に二人を待とうと、質問を止めて二人を包み込んだ光をじっと見つめる態勢に入った。
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色々な思いが重なり続いているルークは愕然としながらも近づいて来るアリエッタに、動揺のあまりに動けずにいた。
「・・・ねえ、ルーク。あの子、誰なの?」
だがフローリアンは二人の異様さに臆す事なく、ルークの手を握り教えてという目で見上げてくる。
「・・・どうして、ですか?イオン様・・・アリエッタの事、忘れた・・・ですか・・・?」
だがフローリアンの言葉に、アリエッタは泣きそうな顔でルーク達の目の前に詰め寄ってくる。
「イオン・・・?僕はイオンって名前じゃないよ?僕の名前はフローリアンっていうんだ」
「えっ・・・?」
「・・・僕ってそんなにイオンって人に似てるの、ルーク?」
「えっ!?・・・あっ、あっ、うん・・・」
突然に振られた自分への話にルークは勢いに任せて肯定を返す。
「・・・ルークもイオン様、知ってる、ですか?」
「・・・う、うん・・・」
そして今度はアリエッタからも教えてという泣きそうながらの視線をルークは浴びる。
「ルーク、教えてです。どうして、フローリアン、イオン様に似てる、ですか?」
「どうしてなの?ルーク?」
「う・・・」
二人の純粋な瞳に見つめられているルーク、だがルークは内容が内容なだけに二人の疑問にすぐさま答えようとは出来ず声を詰まらせる。
(下手に説明するとアリエッタが傷ついてしまうし、フローリアンも傷つく・・・どうしよう・・・)
ここで正直に全部包み隠さず真実を言えば、オリジナルのイオンが死んだという事にアリエッタがショックを受けかねない。最悪、アリエッタが行き場を失い自殺しかねない。それにフローリアンも自分の事を受け止めきれない可能性が出てくる。
『・・・ルークよ』
「うわっ!」
悩んでいるルークに、黙って様子を見ていたローレライが声をかけてきた。
『この場は我に任せよ』
「え・・・任せろって・・・まさか!駄目だ、ローレライ!」
もしかしてアリエッタ達に過去を見せる気なのかと、ルークは急いで制止を呼びかける。
『心配するな。むしろ二人には必要なこと、今から見せるのは希望へとつなぐための物だ』
自信があると言わんばかりのローレライの言葉に、ルークは「じゃあ、任せる」とローレライに一任する構えを取る。
『では二人とも、今から見せるものは実際に過去に起こった事だ・・・アリエッタ、お前は今から聞く言葉に特に耳を傾けろ。いいな?』
「?・・・はい」
何がなんだかわからないといった表情ではあるが、アリエッタは律義に返事を返す。
「うん、わかった!」
フローリアンもローレライに元気よく返事を返す。するとその瞬間、ローレライから出た光が二人を包み込んだ。
「・・・ローレライ、一体何を見せるんだ?二人に・・・」
光に包まれた二人を見て、どのようになっているかを知る事が出来ないルークはローレライに質問する。
『・・・言っただろう、二人に必要なことだと。それに我も不意にアリエッタの心を傷つけないよう配慮してある。我を信じよ』
「・・・わかった」
ルークはそのローレライの言葉に二人を待とうと、質問を止めて二人を包み込んだ光をじっと見つめる態勢に入った。
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