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「卒業おめでとう、カズキ」


「おめでとう。」



高校の卒業式。
桜の木はピンク色の花を咲かせて卒業する生徒を見送っているわ
カズキは制服をきちっと着て胸元に花を付けて卒業証書を持っている。その隣で正装を着た両親が少しだけ涙目でカズキに声をかけている。
長かったような短かったような3年間。
この3年間でガーディについてのレポートもたくさん失敗してきたが先生に認められるものもできた。卒業祝いにそのガーディも貰えることになった為、家はまたより一層賑やかになることだろう。
桜が少しだけ舞う学校は、たくさんの卒業生がそれぞれの家族に囲まれて泣いたり笑ったり怒られたりと騒がしい。
カズキはその中友達への別れの挨拶もそこそこに両親と家路につく。



「サナナッ!」


『おっと…』



家に着いて玄関の扉を開けると同時にサーナイトが飛びついてきた。一瞬驚いてよろめきながらもサーナイトを支えて抱きしめる。
そんな2人を両親も少しだけ微笑みながら家の中へと2人を押し込む。サーナイトは顔を赤くしてカズキから離れた。
そのままリビングへと集まった家族一同は改めてカズキの卒業を祝った。新しい仲間のガーディも持ち前の人懐っこさですぐにサーナイトと打ち解けて一緒におやつを食べていた。




『…それで、高校入学するときの条件だけど』



「……母さん」



「そうね…成績も悪くない状態での卒業。功績もあげられた。そしてサーナイトへの進化…カズキは条件を満たしたわね…」




両親と揉めた原因。カズキのポケモンへの研究の意欲。
それは高校を入学に条件をつけていた。母親のあげた条件。
・成績は常に下げない
・学校で何かしらの功績をあげる
・キルリアの経験値をあげてサーナイトへ進化をさせる
この条件を元にポケモンの研究のある高校へと入学をした。それを達成させたカズキ。
カズキはポケモンへの研究の旅の承諾を得た。 その後は卒業祝いを盛大に行ってからカズキは部屋に閉じこもって旅の準備を始めた。



「マスター…」


『…ん?どうしたサーナイト』



リュックに必要最低限の物を詰め込んでる途中サーナイトが後ろから抱きついてくる。その声色から外の世界に旅をすることを不安に思っているのが伝わってくる。
がさがさとリュックにマップや非常食などを詰め終わり、リュックのチャックをしめた。



『サーナイト、怖いなら無理してついてこなくてもいいよ?ガーディも家にいるし、母さんといる方がきっと楽しいかもしれない』



「……マスターと離れるのも嫌です。」



『帰ってくる回数は減るかもしれないけど絶対に帰ってくるから』



「…んーん、付いていきます。」



サーナイトの手に手を重ねて身体を振り返らせながらサーナイトの手を引っ張る。
ふわっとシャンプーの香りがサーナイトの髪から香る。ぎゅっと抱きしめて身体を離して唇を重ねる。



『明日は早い…もう寝よう』


「はい。マスター」




2人の旅は、ここから始まる。








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