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1冊目 追憶

「そこにボクの居場所は無くて。」

「かつては在ったはずなのに。」

「そもそも確かに在った場所なのかい?」

「在ったよ。確かにそこに在った。」

「但し今は消えてしまった。」

「時間というどうしようもない存在が、
確かに在ったそれを風化させた。」

「風化して、消し去った。」
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