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星に願いを 心に華を

結局私は六つ子の口利きもあって、無事松野家に居候させてもらえることになった。
それからの生活は本当に楽しかった。
きっとこれからの人生、ここまでただ笑って過ごせる時間がどれだけあるだろう。
おそ松は競馬場に連れて行ってくれて、私の選んだ馬券を買ってくれた。
それが偶然にも大当たりして、帰りに二人でお菓子を両手いっぱいに買ったり。

「すっげー!!のろちゃん勝利の女神!!」

カラ松は得意のギターでたくさん歌を披露してくれた。
決してお世辞にも上手いとは言えなかったけど、逆にお腹を抱えるほどおもしろくて、涙が出るまで笑った。

「オレの歌にそんなに感動してくれるなんて……マイエンジェル!!」

チョロ松は彼が大好きなアイドルのライブに連れて行ってくれた。
あんなに賑やかな場所は初めてだったから最初は緊張したけれど、一緒に光る棒を振ってタオルを回していたらいつの間にか楽しくてのめり込んでいた。

「のろちゃん!一緒にライブ参戦してくれてありがとう!!もう大好きだよ!!」

一松はなかなか心を開いてくれなくて、口をきくまで時間がかかった。
あるとき、ふらりと窓辺にやってきた猫と戯れていたら、ものすごく小さな声で

「ねこ……すきなの?」

と聞かれて肯定で返したところ、表情が崩れた。
そして彼が仲良くしている猫たちの会合場所にお供させてもらった。
所狭しと集まった猫にごはんをあげたり、撫でさせてもらったり。
穏やかな時間に、今までのささくれ立った心がすっと凪になるような心地だった。

トド松は自分が働いているというコーヒーショップで、呪文みたいに長い名前の飲み物をごちそうしてくれた。
生クリームにキャラメルソースがたっぷりで、一見甘ったるそうではあったけれど、飲んでみたらびっくりするほど美味しかった。

「やっぱり可愛い子には可愛い飲み物だよね〜!一緒に写真撮ろ!」

スマホの自撮りでぱしゃり。
誰かと写真なんていつ以来だろう。
ぎこちない笑顔になってはいないだろうか。
そもそも笑えていなかったらどうしよう。
気になることはやまのようにあるけれど、トド松は至極大事そうにスマホを眺めていたから、必要以上に何かをいうのはやめた。
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